税法その他 実戦篇

住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 平成12年・問48 


住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (平成12年・問48)

1.「住宅金融公庫は,貸付金に係る住宅の工事の審査の業務を地方公共団体に委託することができる。」

2.「住宅金融公庫は,地方公共団体が行う賃貸住宅の建設や宅地造成事業に必要な資金の貸付けを行うことができる。」

3.「住宅金融公庫法に規定する住宅宅地債券を引き受けた者が,住宅金融公庫から住宅の建設に必要な資金の貸付けを受ける場合は,常にその必要な資金の全額について貸付けを受けることができる。」

4.「住宅金融公庫は,自ら居住するために住宅を建設しようとする者に対し,住宅の建設に必要な資金の貸付けを行わずに,土地の取得に必要な資金のみの貸付けを行うことができる。」

【正解】

× × ×

1.「住宅金融公庫は,貸付金に係る住宅の工事の審査の業務を地方公共団体に委託することができる。」

【正解:(昭和55年),平成8年,12年,

◆工事の審査の委託

 住宅金融公庫は,貸付金に係る住宅の工事の審査を,『地方公共団体その他政令で定める法人』 に委託することができます。(住宅金融公庫法・23条1項4号)

2.「住宅金融公庫は,地方公共団体が行う賃貸住宅の建設や宅地造成事業に必要な資金の貸付けを行うことができる。」

【正解:×昭和52年,60年,61年,63年,平成2年,12年,

◆地方公共団体への貸付−宅地造成に必要な資金の貸付

 地方公共団体が行う賃貸住宅の建設資金は貸し付けることはできませんが,地方公共団体が行う宅地造成事業については貸し付けることができます。

 住宅金融公庫は,土地を造成して,土地や借地権を譲渡する事業を行うものに対して,

 土地の造成に必要な資金 (併せて,住宅の用に供する土地・借地権の取得に必要な資金も) の貸付けの業務を行います。

 この貸付は,会社その他の法人,これらの事業を行う地方公共団体,「土地区画整理法」による土地区画整理事業を行う者,「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」による住宅街区整備事業を行う者に対して,行います。(住宅金融公庫法・17条4項)

3.「住宅金融公庫法に規定する住宅宅地債券を引き受けた者が,住宅金融公庫から住宅の建設に必要な資金の貸付けを受ける場合は,常にその必要な資金の全額について貸付けを受けることができる。」

【正解:×昭和59年,平成6年,平成12年,

貸付限度額−住宅宅地債権を引き受けて自ら居住するため住宅を必要とする者

 『住宅宅地債券を引き受けた者』には,自ら居住するために住宅を必要としている場合に,貸付金の限度に一定の金額が加算される制度はありますが,必要な資金の全額について貸付を受けられるという規定はないので,本肢は誤りです。

 『住宅積立郵便貯金の預金者』や『住宅宅地債券を引き受けた自ら居住するため住宅を必要とする者(その相続人を含む。)で主務省令で定めるもの』に対しては,

  一戸当たりの貸付金の限度は,政令で定める金額を加算した金額になり,
  この加算金額に係る貸付金の利率は,公庫が定める。

 優遇措置をとることになっています。(住宅金融公庫法・22条の3第1項,第3項,第4項)

住宅積立郵便貯金の預金者又は住宅宅地債券を引き受けた自ら居住する住宅の改良を行う者(その相続人を含む。)で主務省令で定めるものについても,政令で定める金額を加算した金額が貸付金の限度額になります。(住宅金融公庫法・22条の3第2項)

4.「住宅金融公庫は,自ら居住するために住宅を建設しようとする者に対し,住宅の建設に必要な資金の貸付けを行わずに,土地の取得に必要な資金のみの貸付けを行うことができる。」

【正解:×昭和54年,57年,59年,60年,63年,平成12年,16年,

土地・借地権の取得に必要な資金の貸付

 土地の取得に必要な資金のみの貸付けを行うことはできないので,本肢は誤りです。

 住宅金融公庫は,自ら居住するため又は親族の居住の用に供するために,住宅を必要とする者に対し,

 住宅の建設,新築住宅の購入,又は既存住宅の購入に付随して,新たに土地又は借地権の取得を必要とするときは,住宅の建設や住宅の購入に必要な資金に併せて,当該土地又は借地権の取得に必要な資金を貸し付けることができます。(住宅金融公庫法・17条2項1号)

 ただし,土地の購入資金のみを貸し付けたり,住宅の建設・購入資金よりも先に土地の購入資金の貸付をすることはできません。


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