税法その他 実戦篇
建物の過去問アーカイブス 平成15年・問50 建築材料
集成材,木材の強度,鉄筋コンクリートでの骨材・水・混和材料,鉄骨造での鋼
建築物の材料に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成15年・問50) |
1.「集成材は,単板等を積層したもので,伸縮 ・ 変形 ・ 割れなどが生じにくくなるため,大規模な木造建築物の骨組みにも使用される。」 |
2.「木材の強度は,含水率が大きい状態の方が大きくなるため,建築物に使用する際には,その含水率を確認することが好ましい。」 |
3.「鉄筋コンクリート造に使用される骨材,水及び混和材料は,鉄筋をさびさせ,又はコンクリートの凝結及び硬化を妨げるような酸,塩,有機物又は泥土を含んではならない。」 |
4.「鉄は,炭素含有量が多いほど,引張強さ及び硬さが増大し,伸びが減少するため,鉄骨造には,一般に炭素含有量が少ない鋼が用いられる。 」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | ○ | ○ |
1.「集成材は,単板等を積層したもので,伸縮 ・ 変形 ・ 割れなどが生じにくくなるため,大規模な木造建築物の骨組みにも使用される。」 |
【正解:○】 ◆集成材 集成材とは,天然木の伸縮 ・ 変形 ・ 割れなどの欠点を取り除いた乾燥した単板などを接着剤を使って積層することにより材質を均質なものにした加工木材です。 集成材は,大規模な木造建築物の骨組みにも使用されています。 |
2.「木材の強度は,含水率が大きい状態の方が大きくなるため,建築物に使用する際には,その含水率を確認することが好ましい。」 |
【正解:×】 ◆木材の強度−含水率が高いと木材の強度が低下する 木材の含水率が大きく,乾燥が不十分だと,木材の強度は低下して,反りや割れを生じやすくなります。 したがって,含水率が低い状態の方が木材の強度は大きいので,本肢は誤りです。 |
3.「鉄筋コンクリート造に使用される骨材,水及び混和材料は,鉄筋をさびさせ,又はコンクリートの凝結及び硬化を妨げるような酸,塩,有機物又は泥土を含んではならない。」 |
【正解:○】 ◆鉄筋コンクリート造の骨材・水・混和材料 鉄筋コンクリート造に使用される骨材,水及び混和材料は,鉄筋をさびさせ,又はコンクリートの凝結及び硬化を妨げるような酸,塩,有機物又は泥土を含んではならない(建築基準法施行令・72条1号)。 鉄筋が錆びるとコンクリートの中性化をもたらすことになり(コンクリートはアルカリ性),コンクリートの凝結及び硬化を妨げるような酸,塩,有機物又は泥土を含んでいるとコンクリートの強度が低下するためです。 |
4.「鉄は,炭素含有量が多いほど,引張強さ及び硬さが増大し,伸びが減少するため,鉄骨造には,一般に炭素含有量が少ない鋼が用いられる。 」 |
【正解:○】 ◆鉄骨造での鋼 鋼の中に含まれている炭素はごく微量(0.04%〜1.7%程度。建築用途としては,0.15%〜0.28%程度)ですが,炭素含有量が多いと,引っ張り強さや硬さが増大して丈夫です。(⇒ 要するに,固くて曲がりにくくなること。)反対に,炭素含有量が少ないと強度が低く,やわらかくなる傾向になります。 しかし,炭素含有量が多いと伸びが減少したり,もろく加工性も悪くなります。このため,鉄骨造では,一般に炭素含有量が少ない鋼が用いられます。 ⇒ ウィキペディア 鋼 |