税法その他 実戦篇

建物の過去問アーカイブス 平成16年・問49 鉄筋コンクリート造


鉄筋コンクリート造の建築物に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成16年・49)

1.「原則として,鉄筋の末端は,かぎ状に折り曲げて,コンクリートから抜け出ないように定着しなければならない。」

2.「構造耐力上主要な部分に係る型わく及び支柱は,コンクリートが自重及び工事の施行中の荷重によって著しい変形又はひび割れその他の損傷を受けない強度になるまでは,取り外してはならない。」

3.「原則として,鉄筋コンクリート造の柱については,主筋は4本以上とし,主筋と帯筋は緊結しなければならない。」

4.「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは,耐力壁にあっては3cm以上としなければならないが,耐久性上必要な措置をした場合には,2cm以上とすることができる。」

【正解】

×

1.「原則として,鉄筋の末端は,かぎ状に折り曲げて,コンクリートから抜け出ないように定着しなければならない。」

【正解:初出題

◆鉄筋の定着

 鉄筋コンクリート造では,原則として,鉄筋の末端は,かぎ状に折り曲げて,コンクリートから抜け出ないように定着しなければなりません(建築基準法施行令・73条1項)

2.「構造耐力上主要な部分に係る型わく及び支柱は,コンクリートが自重及び工事の施行中の荷重によって著しい変形又はひび割れその他の損傷を受けない強度になるまでは,取り外してはならない。」

【正解:初出題

◆型わく・支柱の除去

 構造耐力上主要な部分に係る型わく及び支柱は,コンクリートが自重及び工事の施行中の荷重によって著しい変形又はひび割れその他の損傷を受けない強度になるまでは,取り外してはいけません(建築基準法施行令・76条1項)

3.「原則として,鉄筋コンクリート造の柱については,主筋は4本以上とし,主筋と帯筋は緊結しなければならない。」

【正解:平成11年・問50・肢1

◆柱の構造

 鉄筋コンクリート造の柱は,構造耐力上主要な部分であり,原則として,主筋は4本以上,主筋と帯筋は緊結しなければなりません(建築基準法施行令・77条1号,2号)

4.「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは,耐力壁にあっては3cm以上としなければならないが,耐久性上必要な措置をした場合には,2cm以上とすることができる。」

【正解:×初出題

◆鉄筋のかぶり厚さ

 鉄筋コンクリート造では,鉄筋に対するコンクリートの最小のかぶり厚さは,部位別に定められていて,耐力壁,柱,はりでは3cm以上としなければなりません(建築基準法施行令・79条1項)。ただし,プレキャスト鉄筋コンクリートで造られた部材で国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合は適用されません(建築基準法施行令・79条2項)

 本肢では,<耐久性上必要な措置をした場合には,2cm以上とすることができる。>となっていますが,耐久上必要な措置をしても一定のプレキャスト鉄筋コンクリートでない限り,かぶり厚さの3cm以上の規定は変わらないので,誤りです。

鉄骨鉄筋コンクリートでは,プレキャスト鉄筋コンクリートで造られた部材で国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合を除いて,鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは5cm以上としなければなりません(建築基準法施行令・79条の31項,2項)


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