宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。 (平成19年・問47)

２　マンションの広告を行う場合、当該マンションが建築後２年経過していたとしても、居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。

３　１枚の新聞折込みチラシに多数の新築分譲住宅の広告を掲載する場合には、物件ごとの表示スペースが限られてしまうため、各物件の所在地を表示すれば、交通の利便に関する表示は省略することができる。

４　残戸数が１戸の新築分譲住宅の広告を行う場合、建物の面積は延べ面積を表示し、これに車庫の面積を含むときには、車庫の面積を含む旨及びその面積を表示する必要がある。

　肢４では，『残戸数が１戸の新築分譲住宅の広告』というのがノイズになっていて，変だなと思わせますが，面積の表示基準は，残戸数に関係なく，統一されているので，こんなところで引っかかってはいけません。

【正解：×】

◆表示基準(取引条件)　−　住宅ローン

　住宅ローンについては，返済例だけでは不十分であり，施行規則に定める以下のものを表示しなければなりません(不動産の表示に関する公正競争規約15条12号)。

※住宅ローンの返済例を表示する場合に，ボーナス併用払のときは，１か月当たりの返済額の表示に続けて，ボーナス時に加算される返済額を明示します(不動産の表示に関する公正競争規約・施行規則11条46号)。

２　マンションの広告を行う場合、当該マンションが建築後２年経過していたとしても、居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。

【正解：×】

◆特定用語の使用基準−新築

　新築　とは，＜建築後１年未満であって，居住の用に供されたことがないもの＞です(不動産の表示に関する公正競争規約18条１号)。

　本肢の場合，『建築後２年経過している』ので，新築という用語は表示できません。

●対比●

３　１枚の新聞折込みチラシに多数の新築分譲住宅の広告を掲載する場合には、物件ごとの表示スペースが限られてしまうため、各物件の所在地を表示すれば、交通の利便に関する表示は省略することができる。

【正解：×】

◆必要な表示事項−交通の利便

　事業者は，規則で定める表示媒体を用いて物件の表示をするときは，物件の種別ごとに，以下の事項について，見やすい場所に，見やすい大きさ，見やすい色彩の文字により，分かりやすい表現で，明りょうに表示しなければなりません(不動産の表示に関する公正競争規約８条４号)。

　各物件の所在地とともに，交通の利便に関する表示も表示しなければならないので，『交通の利便に関する表示を省略することができる』とする本肢は誤りです。

４　残戸数が１戸の新築分譲住宅の広告を行う場合、建物の面積は延べ面積を表示し、これに車庫の面積を含むときには、車庫の面積を含む旨及びその面積を表示する必要がある。

【正解：○】

◆表示基準 (物件の内容)−面積

　　建物の面積（マンションでは，専有面積）は，延べ面積を表示しますが，車庫，地下室等の面積を含むときは，その旨及びその面積を表示しなければなりません。

　ただし，中古マンションの場合は，建物登記簿に記載された面積を表示することができます(不動産の表示に関する公正競争規約15条６号，同施行規則11条15号)。

▼面積は，メートル法により表示します。この場合に，１平方メートル未満の数値は，切り捨てて表示することができます(施行規則11条13号)。

　なお，土地の面積は，水平投影面積を表示することになっています(施行規則11条14号)。