税法その他 実戦篇

土地の過去問アーカイブス 平成19年・問49 土地の形質 山地・丘陵・段丘・自然堤防


次の記述のうち、誤っているものはどれか。(平成19年・問49)

1 谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。

2 後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。

3 三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。

4 旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。

<コメント>  
 谷底平野と三角州がニューフェイスですが,後背湿地・旧河道とも出題歴があるので,比較的やさしい出題です。
●出題論点●
 

【正解】

×

 正答率  75.2%

1 谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。

【正解:×

◆谷底平野

 堆積作用でできた谷底平野〔谷あいの平野〕は,沖積平野の山間部の谷底に形成されたものなので,谷底平野の傾斜はかなり急であり,山地に挟まれています。

 この地形から予想されるように,長期間にわたる雨や豪雨があると周りの山地から土砂が流れ出し,洪水災害を受ける可能性が極めて高いところです。

 侵食性の谷底平野では,洪水に対して比較的安全なところや宅地に適しているところもありますが,谷底平野全体としてみると,一般論としては宅地に適しているとはいえません。

●沖積平野の地形
 沖積平野の地形は,山麓から,扇状地,自然堤防及び後背湿地,デルタ(三角州)の順に形成されている。

2 後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。

【正解:

◆後背湿地

 後背湿地とは,自然堤防や砂丘・砂州などの微高地に囲まれ,粒径の細かいシルトや粘土のような堆積物から成り立つために,軟弱地盤で水はけ(排水性)が悪く,洪水により浸水などの被害を受けやすい土地です。

 このため,水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ないとされています。

3 三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。

【正解:

◆三角州

 三角州は,海や湖への河口付近に土砂が堆積してできた地形です。このため,低湿地で軟弱地盤です。地震の時には,液状化が起こりやすいといわれています。

三角州は,河口付近では川の運搬力が衰えているために,泥砂などのコロイドが凝析して沈殿し,形成されます。

4 旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。

【正解:

◆旧河道 

 旧河道は,昔河川だった場所(流路が変わって水が流れなくなった結果できたもの)です。そのため,旧河道では,泥土が堆積しており,周囲の土地よりも低い帯状の地形で湿地になっていることが多く,建物の不同沈下が発生しやすいところです。


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