税法その他 実戦篇

住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 昭和55年・問28 

この年の出題は,住宅金融公庫法からの出題とは言えないので,参考程度。


住宅金融公庫の貸付に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和55年・問28)

1.「個人が住宅金融公庫から融資を受けて自ら居住するための住宅を建築する場合,60歳以上の老人とその息子夫婦が同居するときは,割増し融資を受けられる。」

2.「個人が住宅金融公庫から融資を受ける場合には,融資対象の住宅に対し,公庫の指定する火災保険を付けたうえ,この火災保険には,公庫のために第1順位の質権を設定しなければならない。」

3.「購入者が住宅金融公庫融資を利用できるマンションには,価格についての制限がない。」

4.「個人が住宅金融公庫から融資を受けて自ら居住するための住宅を建築する場合,公庫から委託を受けた地方公共団体による設計審査や現場審査を受けなければならない。」

【正解】

×

1.「個人が住宅金融公庫から融資を受けて自ら居住するための住宅を建築する場合,60歳以上の老人とその息子夫婦が同居するときは,割増し融資を受けられる。」

【正解:

◆高齢者同居のときの割増融資

 住宅金融公庫では,ベースとなる住宅融資額に,「高齢者同居住宅」の特別加算額を加えて貸し付けています。

「高齢者同居住宅」の特別加算額についての金利は,ベースとなる住宅融資の金利とは異なる。

●住宅金融公庫法・21条・4項
 第一項の表一の項区分の欄に規定する政令においては、自ら居住するため住宅を取得しようとする国民の所得、所得に対する住居費の割合、国民の居住の実情、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の標準規模その他必要な事項を勘案して、所得が比較的多い者に対する貸付金、規模が比較的大きい住宅に係る貸付金その他これらに類する貸付金を、貸付けを受ける者の所得、貸付金に係る住宅の規模等をもつて定めるものとする。

 この場合においては、貸付けを受ける者の特別の事情並びに土地の合理的な高度利用及び災害の防止に寄与する住宅の建設並びに公共の用に供する施設を特に整備した一団地の住宅の計画的な建設の促進に配慮して特別の定めをすることができる

2.「個人が住宅金融公庫から融資を受ける場合には,融資対象の住宅に対し,公庫の指定する火災保険を付けたうえ,この火災保険には,公庫のために第1順位の質権を設定しなければならない。」

【正解:

◆火災保険の保険金請求権への質権の設定

 公庫の融資は,返済期間中に災害にあったときに債務だけが残ることのように,返済期間中は公庫の指定する火災保険をつけることを条件にしています。

 また,保険金が支払われた場合に,公庫の融資金の返済に優先的に充当させることができるように,保険金請求権に公庫を第1順位とする質権を設定することになっています。

3.「購入者が住宅金融公庫融資を利用できるマンションには,価格についての制限がない。」

【正解:×

◆価格制限

 公庫融資の対象となる住宅では,価格についても以下のような制限があります。

建売住宅・既存住宅 購入する住宅(土地を含む。)の価額が1億円未満であること。
(消費税相当額を含む。)
マンション〔専有部分〕

−新築・中古とも−

購入価額が1億円未満であること。(消費税相当額を含む。)

4.「個人が住宅金融公庫から融資を受けて自ら居住するための住宅を建築する場合,公庫から委託を受けた地方公共団体による設計審査や現場審査を受けなければならない。」

【正解:<関連>平成8年,12年,

◆工事の審査

 公庫は,貸付金に係る住宅の工事の審査を,『地方公共団体その他政令で定める法人』 に委託することができます。(住宅金融公庫法・23条1項4号)

公庫から融資を受けて住宅を新築する場合は,公庫の定める建設基準に適合しているかどうか,また,建設費が公庫の定める規定に適合しているかどうかをチェックするために,

 融資決定後,工事着工前の『設計審査〔設計図書等により審査し,合格・不合格を判定〕

 工事の中間時・完了後の『現場審査〔工事現場で審査し,合格・不合格の判定〕

を受けることになっています。

住宅改良の場合は,工事審査(工事計画審査及び工事完了審査)が必要となる。(建築確認が不要な場合は,工事完了時のみ。)


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