税法その他 実戦篇

住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 昭和61年・問34 


住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和61年・問34)

1.「住宅金融公庫は,自ら使用するため事務所を必要とする者に対し,事務所の建設資金の貸付けを行うことができる。」

2.「住宅金融公庫は,貸付けを受ける者から貸付手数料を徴収することはできない。」

3.「住宅金融公庫は,貸付けを受けた者に対して,いかなる場合でも貸付金の弁済期が到来する前に貸付金の償還を請求することはできない。」

4.「住宅金融公庫は,土地区画整理法による土地区画整理事業を行う者に対して住宅の用に供する土地の造成に必要な資金の貸付けを行うことができる。」

【正解】

× × ×

1.「住宅金融公庫は,自ら使用するため事務所を必要とする者に対し,事務所の建設資金の貸付けを行うことができる。」

【正解:×

◆事務所の建設資金は貸付できない

 住宅金融公庫は,「自ら居住するため住宅を必要とする者」または「親族の居住の用に供するため自ら居住する住宅以外に住宅を必要とする者」が

 住宅の建設及び購入(住宅の用に供する土地又は借地権の取得を含む。)に必要な資金について,

 銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを自ら融通することを目的としており,

 自ら使用するため事務所を必要とする者に対し,事務所の建設資金の貸付けを行うことはできません。

2.「住宅金融公庫は,貸付けを受ける者から貸付手数料を徴収することはできない。」

【正解:×昭和61年,平成2年

◆貸付手数料

 住宅金融公庫は,貸付けを受ける者から,

 その貸付けに関する申込みの審査,工事の審査その他の貸付けに際して必要な事務に要する費用の額を超えない範囲内において

 政令で定める額の貸付手数料を徴収することができます。(住宅金融公庫法・22条の4第1項)

支払い方法変更手数料 (平成9年・14年に出題)

 また,公庫は,その貸付けに係る元利金の支払方法の変更を行う者から,その変更に際して必要な事務に要する費用の額を超えない範囲内において政令で定める額の支払方法変更手数料を徴収することができます。(住宅金融公庫法・22条の4第2項)

3.「住宅金融公庫は,貸付けを受けた者に対して,いかなる場合でも貸付金の弁済期が到来する前に貸付金の償還を請求することはできない。」

【正解:×昭和54年,61年,63年,平成2年,6年,8年,10年,14年,

繰上げ償還  

 住宅金融公庫の貸付金の償還は,原則として,割賦償還です。しかし,次のいずれかに該当する場合,住宅金融公庫は,貸付けを受けた者に対し,貸付金の弁済期日が到来する前に,貸付金についていつでも償還を請求することができます。(住宅金融公庫法21条の4・3項)

1 貸付けを受けた者が6月以上割賦金の償還をしなかつたとき,又は正当な理由がなくて割賦金の償還を怠つたと認められるとき。

2 貸付けを受けた者が当該貸付金を担保するため設定された抵当権の目的たる住宅、土地その他の不動産に係る租税その他の公課を滞納したとき。

3 貸付けを受けた者が貸付金貸付けの目的以外の目的に使用したとき

4 貸付金に係る住宅、土地その他の不動産、借地権を他人に譲渡したとき

5 貸付金に係る住宅が貸付けの際定められた用途以外の用途に供せられたとき

6 貸付けを受けた者が正当な理由がなくて契約の条項に違反したとき等。

 上記により貸付金の償還を請求したにもかかわらず,償還をなすべき者が償還を怠った場合,公庫は,当該貸付金を担保するため設定された抵当権を実行することになります。(住宅金融公庫法21条の4・4項)

4.「住宅金融公庫は,土地区画整理法による土地区画整理事業を行う者に対して住宅の用に供する土地の造成に必要な資金の貸付けを行うことができる。」

【正解:昭和52年,60年,61年,63年,平成2年,12年,

宅地造成に必要な資金の貸付

 住宅金融公庫は,土地を造成して,土地や借地権を譲渡する事業を行うものに対して,

 土地の造成に必要な資金 (併せて,住宅の用に供する土地・借地権の取得に必要な資金も) の貸付けの業務を行います。

 この貸付は,会社その他の法人,これらの事業を行う地方公共団体,「土地区画整理法」による土地区画整理事業を行う者,「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」による住宅街区整備事業を行う者に対して,行います。(住宅金融公庫法・17条4項)


過去問アーカイブス・税法その他に戻る 住宅金融公庫法の過去問アーカイブスに戻る

1000本ノック・本編・住宅金融公庫法に戻る Brush Up! 税法その他編に戻る