税法その他 実戦篇

住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 昭和63年・問32 


住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和63年・問32)

1.「住宅金融公庫は,新築住宅の購入資金の貸付けのほか,既存住宅の購入資金の貸付けもできる。」

2.「住宅金融公庫は,宅地造成資金の貸付けはできないが,土地の購入資金の貸付けはできる。」

3.「住宅金融公庫は,貸付金に係る住宅が貸付けの際定められた用途以外の用途に供せられたときは,貸付金についていつでも償還を請求することができる。」

4.「住宅金融公庫から貸付けを受けて建設した分譲住宅の譲渡を行う事業者は,譲渡価額について一定の基準により規制を受ける。」

【正解】

×

1.「住宅金融公庫は,新築住宅の購入資金の貸付けのほか,既存住宅の購入資金の貸付けもできる。」

【正解:昭和52年,56年,57年,59年,63年,平成9年,

◆既存住宅の購入に必要な資金の貸付

 住宅金融公庫は,自ら居住するため,又は親族の居住の用に供するために,住宅を必要とする者に対して,新築住宅の建設・購入,又は既存住宅の購入に,必要な資金の貸付け業務を行います。〔併せて,土地又は借地権の取得に必要な資金も貸し付けることができる。〕(住宅金融公庫法・17条1項1号・2号) 

新築住宅・既存住宅とも,戸建住宅のほか,分譲マンション (の専有部分) も含まれます。

2.「住宅金融公庫は,宅地造成資金の貸付けはできないが,土地の購入資金の貸付けはできる。」

【正解:×昭和52年,60年,61年,63年,平成2年,12年,

宅地造成に必要な資金の貸付

 土地・借地権の取得に必要な資金は,住宅の建設・購入資金とともに併せて貸し付けることができ,

 宅地の造成資金も,土地を造成して,土地や借地権を譲渡する事業を行うものに対して,貸付けることができので,本肢は誤りです。(住宅金融公庫法・17条4項)

3.「住宅金融公庫は,貸付金に係る住宅が貸付けの際定められた用途以外の用途に供せられたときは,貸付金についていつでも償還を請求することができる。」

【正解:昭和54年,61年,63年,平成2年,6年,8年,10年,14年,

◆繰上げ償還

 住宅金融公庫の貸付金の償還は,原則として,割賦償還です。しかし,次のいずれかに該当する場合,住宅金融公庫は,貸付けを受けた者に対し,貸付金の弁済期日が到来する前に,貸付金についていつでも償還を請求することができます。(住宅金融公庫法21条の4・3項)

1 貸付けを受けた者が6月以上割賦金の償還をしなかつたとき,又は正当な理由がなくて割賦金の償還を怠つたと認められるとき。

2 貸付けを受けた者が当該貸付金を担保するため設定された抵当権の目的たる住宅、土地その他の不動産に係る租税その他の公課を滞納したとき。

3 貸付けを受けた者が貸付金貸付けの目的以外の目的に使用したとき

4 貸付金に係る住宅、土地その他の不動産、借地権を他人に譲渡したとき

5 貸付金に係る住宅が貸付けの際定められた用途以外の用途に供せられたとき

6 貸付けを受けた者が正当な理由がなくて契約の条項に違反したとき等。

上記により貸付金の償還を請求したにもかかわらず,償還をなすべき者が償還を怠った場合,公庫は,当該貸付金を担保するため設定された抵当権を実行することになります。(住宅金融公庫法21条の4・4項)

4.「住宅金融公庫から貸付けを受けて建設した分譲住宅の譲渡を行う事業者は,譲渡価額について一定の基準により規制を受ける。」

【正解:昭和63年,平成3年,8年

◆譲受人の資格・選定方法・譲渡価額の制限

 貸付けを受けて建設した分譲住宅の譲渡を行う事業者は,譲受人の資格及び譲受人の選定方法並びに譲渡価額その他譲渡の条件に関し主務省令で定める基準に従い,譲渡しなければならない。(住宅金融公庫法・35条の2第1項)


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