宅建1000本ノック
  改正法一問一答2005 

法令制限 景観法関連 


次の記述は,○か×か。

1.「景観計画区域内において,建築物の新築,増築,改築,移転,外観を変更す
  ることとなる修繕もしくは模様替え又は色彩の変更をしようとする者は,
  あらかじめ,景観行政団体の長の許可を得なければならない。」

2.「景観計画区域内における開発許可の基準を,景観行政団体は条例で定める
  ことができる。

3.「景観法第19条第1項 の規定により景観重要建造物として指定された建築物
  のうち,良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において
  保存すべきものについて,市町村は,必要と認める場合には,国土交通大臣
  の承認を得て,条例で,建築基準法の一定の規定の全部若しくは一部を
  適用せず,又はこれらの規定による制限を緩和することができる。」

【正解】

×

1.「景観計画区域内において,建築物の新築,増築,改築,移転,外観を変更す
  ることとなる修繕もしくは模様替え又は色彩の変更をしようとする者は,
  あらかじめ,景観行政団体の長の許可を得なければならない。」

【正解:×

◆景観計画区域

 許可ではなく届出です。

 景観計画区域内において,一定の行為をしようとする者は,
 あらかじめ,行為の種類,場所,設計又は施行方法,着手予定日その他国土
 交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届け出なければならない。(景観法・16条1項)

 ■届出の必要なもの

 (1) 建築物の新築,増築,改築,移転,
   外観を変更することとなる修繕もしくは模様替え又は色彩の変更

  (2) 工作物の新築,増築,改築,移転,
   外観を変更することとなる修繕もしくは模様替え又は色彩の変更

  (3) 都市計画法第4条12項に規定する開発行為その他政令で定める行為

  (4) 良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれのある行為として景観計画に
    従い景観行政団体の条例で定める行為

景観行政団体…指定都市・中核市・都道府県など。下記参照。

(定義等)
第7条
 この法律において「景観行政団体」とは,地方自治法の指定都市の区域にあっては指定都市,中核市の区域にあっては中核市,その他の区域にあっては都道府県をいう。ただし,指定都市及び中核市以外の市町村であって,都道府県に代わって景観法の規定に基づく事務を処理することにつきあらかじめその長が都道府県知事と協議し,その同意を得た市町村の区域にあっては,当該市町村をいう。

景観計画区域
 景観行政団体は,都市,農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域
 及びこれと一体となって景観を形成している地域において一定の要件に該当
 する土地(水面を含む。)の区域について,良好な景観の形成に関する計画
 を定めることができる。 (景観法・8条1項)

2.「景観計画区域内における開発許可の基準を,景観行政団体は条例で定める
  ことができる。

【正解:

◆開発許可基準

 都市計画法33条の開発許可基準に追加されたものです。 (都市計画法・33条5項)

 ※大半の基本書には掲載されていないので,注意してください。

3.「景観法第19条第1項 の規定により景観重要建造物として指定された建築物
  のうち,良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において
  保存すべきものについて,市町村は,必要と認める場合には,国土交通大臣
  の承認を得て,条例で,建築基準法の一定の規定の全部若しくは一部を
  適用せず,又はこれらの規定による制限を緩和することができる。」

【正解:

◆景観重要建造物

 (建築基準法・85条の2)

 景観重要建造物のポイントは以下の通りです。

1)景観重要建造物として指定された建築物の全てについて建築基準法の一部の
 規定を緩和するのではなく,市町村が必要と認める場合に限られること。

2)景観重要建造物として指定された建築物について建築基準法の一部の規定を
 緩和するためには,<国土交通大臣の承認>が必要であること。

●建築基準法
(景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和)
第85条の2
 景観法第19条第1項 の規定により景観重要建造物として指定され
た建築物のうち、良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において
保存すべきものについては、市町村は、同法第22条 及び第25条 の規定の施行の
ため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第21条
から第25条まで、第28条、第43条、第44条、第47条、第52条、第53条、第54条か
ら第56条の2まで、第58条、第61条から第64条まで、第67条の2第1項及び第5
項から第7項まで並びに第68条第1項及び第2項の規定の全部若しくは一部を
適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。


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