宅建1000本ノック
  改正法一問一答2007 

税法その他  独立行政法人 住宅金融支援機構 賃貸住宅建設に必要な資金の貸付け


独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述は,○か×か。

1.機構は,地方公共団体が行う賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを行うことができる。

2.機構の融資を受けて賃貸住宅を建設した賃貸業者は,当該賃貸住宅を一定の他の賃貸業者に賃貸することができる。

3.機構は,一定の賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けに付随する場合であっても,当該賃貸住宅の敷地とするための土地又は借地権を取得するのに必要な資金を貸し付けることはできない。

4.機構は,一定の建築物を,子どもを育成する家庭若しくは高齢者の家庭(単身の世帯を含む。)に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅に改良するための資金については,直接貸し付けることはできない。

【正解】

× × ×

●住宅金融支援機構が直接貸し付ける賃貸住宅関連の貸付け
1) 子どもを育成する家庭若しくは高齢者の家庭(単身の世帯を含む。)に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅等の建設に必要な資金の貸付け。
2) 賃貸住宅の改良に必要な資金の貸付け。
3) 賃貸住宅とすることを主たる目的とする人の居住の用その他その本来の用途に供したことのある建築物の改良に必要な資金の貸付け。

1.機構は,地方公共団体が行う賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを行うことができる。

【正解:×

◆賃貸住宅建設に必要な資金を,地方公共団体に対して貸し付けることはできない  

 機構は,地方公共団体が行う賃貸住宅の建設資金については貸し付けることはできません(規程19条5項)

 地方公共団体が賃貸住宅を建設する場合には,別の法律の規定により,国から資金援助を受けることができる場合があるので,機構は,賃貸住宅の建設資金を地方公共団体に貸し付けないことにしています。

2.機構の融資を受けて賃貸住宅を建設した賃貸業者は,当該賃貸住宅を一定の他の賃貸業者に賃貸することができる。

【正解:

◆賃貸住宅を一括して,ほかの賃貸業者に転貸する賃貸業者も貸付けを受けることができる

 機構は,子どもを育成する家庭若しくは高齢者の家庭(単身の世帯を含む。)に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅を建設して,以下の者に賃貸する事業を行う者(地方公共団体を除く。)に,賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付け業務を行います。

 1) 自ら居住するため住宅を必要とする者
 2) 自ら居住するため住宅を必要とする者に対し住宅を賃貸する事業を行う者

 当該賃貸住宅の建設に付随して新たに土地又は借地権の取得を必要とするときは,当該土地又は借地権の取得に必要な資金についても,賃貸住宅の建設資金の貸付けとあわせて,機構は貸し付けることができる。

 つまり,<居住するために住宅を必要としている者>に賃貸する事業者だけでなく,<住宅を賃貸する一定の事業者>に住宅を賃貸する者にも,賃貸住宅の建設資金を貸し付けることができます。(規程・19条5項)
 下の図で言えば,機構は,左の事業者Aに賃貸住宅の建設資金を貸し付けることができます。

住宅を賃貸する事業者A  ⇒ 住宅を賃貸する事業者B  ⇒ 自ら居住するため
住宅を必要とする者
(賃貸住宅を建設する) 賃貸  (Aから賃貸住宅を借りる) 転貸 (Bから賃貸住宅を借りる)

●賃貸住宅についての貸付けを受けることができる者
(資金貸付けの要件)
規程第19条5項
 法第13条第1項第8号の規定による賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けは,次の各号に掲げる者に対し住宅を賃貸する事業を行う者 (地方公共団体を除く。) に対する貸付けでなければならない。

一 自ら居住するために住宅を必要とする者

二  自ら居住するために住宅を必要とする者に対し住宅を賃貸する事業を行う者

3.機構は,一定の賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けに付随する場合であっても,当該賃貸住宅の敷地とするための土地又は借地権を取得するのに必要な資金を貸し付けることはできない。

【正解:×

◆土地の取得・借地権の取得に必要な資金の貸付け

 機構は,一定の賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けとあわせて行う場合に限り,当該賃貸住宅の敷地とするための土地又は借地権を取得するのに必要な資金を貸し付けることができます(施行令5条)

賃貸住宅の敷地にするための土地・借地権の取得に必要な資金を,単独では,貸し付けることはできません。

4.機構は,一定の建築物を,子どもを育成する家庭若しくは高齢者の家庭(単身の世帯を含む。)に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅に改良するための資金については,直接貸し付けることはできない。

【正解:×

◆一定の建築物を,高齢者の家庭・子供を育成する家庭向けの賃貸住宅に改良する資金

 機構は,人の居住の用その他その本来の用途に供したことのある建築物を,改良して,子どもを育成する家庭,高齢者の家庭(単身の世帯を含む。)に適した賃貸住宅にするために,必要な資金についても,貸付けることができます。

●条文確認
□住宅金融支援機構法

(業務の範囲)
第13条
 機構は、第4条の目的を達成するため、次の業務を行う。

8号  子どもを育成する家庭若しくは高齢者の家庭(単身の世帯を含む。)に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅若しくは賃貸の用に供する住宅部分が大部分を占める建築物の建設に必要な資金(当該賃貸住宅又は当該建築物の建設に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)又は当該賃貸住宅の改良(当該賃貸住宅とすることを主たる目的とする人の居住の用その他その本来の用途に供したことのある建築物の改良を含む。)に必要な資金の貸付けを行うこと。

□住宅金融支援機構法 施行令

(住宅の建設等に付随する行為)
第5条
 法第13条第1項第1号 及び第6号 から第9号 までの政令で定める行為は、土地又は借地権の取得とする。


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