宅建1000本ノック
  改正法一問一答2007 

法令制限 宅地造成等規制法 


次の記述は,○か×か。

1. 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については,都市計画法第29条1項又は第2項 の開発許可を受けている場合であっても,造成主は,当該工事に着手する前に,都道府県知事の許可を受けなければならない。

2.宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について許可を受けた者は,当該許可に係る宅地造成に関する工事の計画の変更をしようとするときは,都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

3.宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について,盛土をする場合においては,盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水の浸透による緩み,沈下,崩壊又は滑りが生じないように,一定の措置を講ずることとされているが,地下水の浸透による緩み,沈下,崩壊又は滑りが生じないようにすることについては、特に定められていない。

4.

【正解】

× × ×

1. 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については,都市計画法第29条1項又は第2項 の開発許可を受けている場合であっても,造成主は,当該工事に着手する前に,都道府県知事の許可を受けなければならない。

【正解:×

◆開発許可を受けているとき−規制区域の知事の許可は不要

 問題文の記述は改正前の記述なので,誤りです。

 改正前は,宅地造成工事で,都市計画法の開発許可,宅地造成等規制法の宅地造成規制区域での許可が必要な場合は,双方とも別々に受けなければならないことになっていました。

 しかし,改正により,都市計画法の開発許可を受けて行われ,開発許可の内容に適合した工事については,宅地造成等規制法の宅地造成規制区域での許可を受ける必要はなくなりました。

 これは,都市計画法33条の開発許可基準で,宅地造成等規制法9条の「宅地造成工事の技術的基準」に適合していなければならないとされたため(都市計画法33条1項7号),開発許可を受けていれば,宅地造成等規制法の宅地造成工事の技術的基準を満たしていることになるからです。

(都市計画法33条1項7号)
 地盤の沈下、崖崩れ、出水その他による災害を防止するため、開発区域内の土地について、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。この場合において、開発区域内の土地の全部又は一部が宅地造成等規制法 (昭和36年法律第191号)第3条第1項の宅地造成工事規制区域内の土地であるときは、当該土地における開発行為に関する工事の計画が、同法第9条 の規定に適合していること。

●宅地造成等規制法
(宅地造成に関する工事の許可)
第8条
 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については、造成主は、当該工事に着手する前に、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。

 ただし、都市計画法 (昭和43年法律第100号)第29条第1項 又は第2項 の許可を受けて行われる当該許可の内容(同法第35条の2第5項 の規定によりその内容とみなされるものを含む。)に適合した宅地造成に関する工事については、この限りでない。

〔関連知識〕
 都市計画法の開発許可の許可権者と宅地造成等規制法の宅地造成工事の許可権
者は同一です。

・都市計画法の開発許可の許可権者=都道府県知事,指定都市の長,中核市の長,
                        特例市の長
(都市計画法29条1項,2項),

・宅地造成規制区域での許可権者=都道府県知事,指定都市の長,中核市の長,
                      特例市の長
(宅地造成等規制法8条1項,3条1項),

2.宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について許可を受けた者は、当該許可に係る宅地造成に関する工事の計画の変更をしようとするときは、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

【正解:×

◆工事計画の変更の許可

 1) 変更の許可 (法12条1項)

 宅地造成工事規制区域内の宅地造成工事の知事〔指定都市等の長〕の許可を受けた者が,工事計画を変更するときは,原則として,その変更について,その許可をした知事の許可を受けなければなりません。(軽微な変更を除く)

 工事の許可は,宅地造成に伴う災害 (崖崩れ又は土砂の流出による災害)の防止のために,一定の技術的基準を満たしている場合になされるものですが,工事の施行に伴う災害を防止するため必要な条件を付することもできます。

 工事計画の変更によっては,技術的基準や許可の条件に抵触する場合も考えられることから,工事計画の変更についても知事の許可を必要としました。

 ただし,軽微な変更(造成主、設計者又は工事施行者の変更,工事の着手予定年月日,工事の完了予定年月日の変更)については,変更後の届出でよく,許可を受ける必要はありません。軽微な変更では,工事内容・工法の変更ではないからです。

2) 変更の申請書の記載内容 (施行規則25条)

 その変更についての申請書には以下のものを記載して提出します。

(施行規則25条) 変更の申請書の記載事項
一  変更に係る事項
二  変更の理由
三  宅地造成に関する工事の許可番号

3) 軽微な変更の届出 (施行規則26条)

 以下の軽微な変更をしたときは,遅滞なく,その旨を知事に届け出なければなりません。 (軽微な変更の場合は事前の許可は不要)

 〔軽微な変更〕
一  造成主、設計者又は工事施行者の変更
二  工事の着手予定年月日又は工事の完了予定年月日の変更

●宅地造成等規制法
(変更の許可等)
第12条
 第8条第1項本文の許可を受けた者は、当該許可に係る宅地造成に関する
工事の計画の変更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、
都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める
軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

2  第8条第1項本文の許可を受けた者は、前項ただし書の国土交通省令で定める
軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければ
ならない。

〔関連知識〕(都市計画法) 開発許可を受けた開発行為の変更

 開発許可を受けた者は,開発許可申請書の記載事項の変更をしようとする場合は,原則として,都道府県知事の許可を受けなければなりません。

 ただし,国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは,遅滞なく,その旨を都道府県知事に届け出れば足ります(都市計画法35条の2)。

3.宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について,盛土をする場合においては,盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水の浸透による緩み,沈下,崩壊又は滑りが生じないように,一定の措置を講ずることとされているが,地下水の浸透による緩み,沈下,崩壊又は滑りが生じないようにすることについては、特に定められていない。

【正解:×

◆技術的基準の変更「地表水等」

 法9条1項の宅地造成工事の技術的基準は施行令で定められています。

 この施行令が昨年改正され,従来は,雨水その他の地表水の浸透による緩み,沈下,崩壊又は滑りが生じないようにするとの表現でしたが,改正により,地下水の浸透による緩み,沈下,崩壊又は滑りが生じないようにする措置も技術的基準として明示されました。

 このため,本肢は誤りです。

 改正で地下水も含めて対策措置を講じるように変更になったのは以下の部分です。

1) 地盤について講ずる措置に関する技術的基準 (施行令5条3号)
2) 排水施設の設置に関する技術的基準 (施行令13条3号)


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