宅建1000本ノック
  改正法一問一答2007 

税法その他  税法の改正点  登録免許税法

 −住宅金融支援機構が譲り受けた住宅ローン債権に係る抵当権設定登記


次の記述は,○か×か。

1.独立行政法人住宅金融支援機構が,独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第1号 の業務により金融機関から譲り受けた貸付債権(個人が住宅の用に供する家屋の新築又は取得をするための資金の貸付けに係るものに限る。以下「住宅資金債権」という。)を担保するため,平成19年4月1日から平成21年3月31日までの間に受ける当該家屋を目的とする抵当権の設定の登記については,財務省令で定めるところにより当該家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けるものに限り,登録免許税は課されない。

【正解】

×

1.独立行政法人住宅金融支援機構が,独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第1号 の業務により金融機関から譲り受けた貸付債権(個人が住宅の用に供する家屋の新築又は取得をするための資金の貸付けに係るものに限る。以下「住宅資金債権」という。)を担保するため,平成19年4月1日から平成21年3月31日までの間に受ける当該家屋を目的とする抵当権の設定の登記については,財務省令で定めるところにより当該家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けるものに限り,登録免許税は課されない。

【正解:×

◆証券化支援業務(買取型)により譲り受けた貸付債権を担保するための抵当権設定登記

 証券化支援業務(買取型)により譲り受けた住宅ローンの抵当権設定登記に対する登録免許税については,以下のように,特例が講じられています。⇒ この場合の抵当権者は機構であり,抵当権設定者は住宅ローンの債務者です。

 しかし,機構が譲り受けた貸付債権 (住宅ローン債権) について,抵当権設定登記をする場合の全てにおいて,登録免許税が非課税になるということではないので,本肢は誤りです。

  金融機関が        貸付債権を
  貸付けの申込を受理   機構が譲り受け  抵当権設定登記

 ―――――――――――――――――――――――

金融機関は,貸付債権に係る資金 (住宅ローンの貸付金) を債務者に交付した日に機構に譲渡し,その金融機関は,原則として,機構に譲り渡した貸付債権の回収に関する業務を受託します。

金融機関が貸付けの申込を受けた日  機構が抵当権者となる場合の
 抵当権設定登記の登録免許税の特例
平成19年3月31日まで  非課税 (平成19年4月1日から
    平成21年3月31日までの間)
平成19年4月1日以降  税率は1000分の1(本則は1000分の4)

特例について

 住宅金融公庫が住宅金融支援機構に移行する前の平成19年3月31日までに金融機関が申込を受理した資金の貸付け(フラット35)に係るものについて,平成19年4月1日以降平成21年3月31日までの間に,抵当権の設定登記をする場合は非課税です(租税特別措置法74条の2)⇒ 住宅金融公庫が譲り受けた貸付債権に係る抵当権設定登記をするときには非課税であったため,このようにしています。売買契約締結後,住宅やマンションが完成するまで時間がかかる場合があるため,2年程度余裕をもたせた措置となっています。

 しかし,平成19年4月1日以降に金融機関が申込を受理した資金の貸付け(フラット35)に係るものについて抵当権設定登記をする場合は非課税ではなく,登録免許税の税率は1000分の1(本則は1000分の4)になっています(租税特別措置法74条4号)

●租税特別措置法
(独立行政法人住宅金融支援機構が受ける抵当権の設定登記の免税)

第74条の2  独立行政法人住宅金融支援機構が、独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第1号 の業務により金融機関から譲り受けた貸付債権(個人が住宅の用に供する家屋の新築又は取得をするための資金の貸付けに係るものに限る。以下この条において「住宅資金債権」という。)で当該金融機関が平成19年3月31日までに当該資金の貸付けの申込みを受理したもの(同法 附則第十条 による廃止前の住宅金融公庫法(昭和25年法律第156号)第17条第9項第1号 の業務により独立行政法人住宅金融支援機構法 附則第3条第1項 に規定する公庫が金融機関から譲り受けた住宅資金債権で同項 の規定の適用により独立行政法人住宅金融支援機構が承継したものを含む。)を担保するため、平成19年4月1日から平成21年3月31日までの間に受ける当該家屋を目的とする抵当権の設定の登記については、財務省令で定めるところにより当該家屋の新築又は取得後1年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減
第74条 個人が、昭和59年4月1日から平成21年3月31日までの間住宅用家屋の新築(当該期間内に家屋につき増築をし、当該増築後の家屋が住宅用家屋に該当する場合における当該増築を含む。以下この条において同じ。)をし、又は建築後使用されたことのない住宅用家屋若しくは建築後使用されたことのある住宅用家屋のうち政令で定めるものの取得をし、当該個人の居住の用に供した場合において、これらの住宅用家屋の新築又は取得(以下この条において「住宅用家屋の新築等」という。)をするための資金の貸付け(貸付けに係る債務の保証を含む。)が行われるとき又は対価の支払が賦払の方法により行われるときは、その貸付け又はその賦払金に係る債権で次の各号に掲げるものを担保するために当該各号に定める者が受けるこれらの住宅用家屋を目的とする抵当権の設定の登記に係る登録免許税の税率は、財務省令で定めるところにより当該住宅用家屋の新築等後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税法第9条 の規定にかかわらず、〔債権金額の〕1000分の1とする。

一  住宅用家屋の新築等をするための資金の貸付けに係る債権 当該債権に係る貸付けを行つた者

二  住宅用家屋の新築等をするための資金の貸付けに係る債務の保証に基づく求償権 当該債務の保証を行つた者

三  住宅用家屋の新築等をするための対価の支払が賦払の方法により行われる場合における当該賦払金に係る債権 当該賦払の方法により当該対価の支払を受けた者

四  住宅用家屋の新築等をするための資金の貸付けに係る債権で独立行政法人住宅金融支援機構が独立行政法人住宅金融支援機構法 (平成17年法律第82号)第13条第1項第1号 の業務により金融機関から譲り受けた貸付債権 独立行政法人住宅金融支援機構


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