改正法レポート・12
 農地法  2001.3.1施行    改正/平成12・12・6・法律143号
●農地の権利移動の許否を左右する下限面積・罰則

 昨年12月に改正された農地法は、宅建試験に関係する主な部分では、2つ改正がありました。これ以外にも改正点はありますが、とりあえず、この2つを押さえておいてください。

 農地の権利移動の許可規準となる下限面積―農林水産大臣の承認が不要に
 農地法3条は、転用を伴わない農地・採草放牧地の権利移動について規定しています。

この3条の許可を与える際、取得者が本当に農地を営むかどうかの判断材料として、

取得後において耕作等の事業に供すべき農地等の合計が

 農地の権利移動の許否を左右する下限面積 3条2項5号

(原則として、権利取得後の農地面積の合計が北海道では2ha、都府県では50a)

として規定されています。(→詳しくは、農地法のアウトラインをご覧下さい。)

 これまでは、都道府県の一部の区域では知事が農林水産大臣の承認を受けて

これを下回る面積を定めることができることとされてきました。

 改正により、この農林水産大臣の承認が不要になりました。

 都道府県知事は農林水産大臣の承認を受けずに農林水産省令で定める基準に従って

地域の実情を踏まえた面積設定を行うことが可能になりました。

●改正条文

 改正点 3条2項5号

第2号に掲げる権利を取得しようとする者又はその世帯員がその取得後において

耕作の事業に供すべき農地の面積の合計及びその取得後において耕作又は

養畜の事業に供すべき採草放牧地の面積の合計が、

いずれも、北海道では2ヘクタール、都府県では50アール

(都道府県知事が農林水産省令で定める基準に従い

その都道府県の区域の一部について

これらの面積の範囲内で別段の面積を定め、これを公示したときは、その面積)

に達しない場合

▼改正前

都道府県知事が農林水産大臣の承認を受け、その都道府県の区域の一部について

これらの面積の範囲内で別段の面積を定め、これを公示したときは、その面積

 ●罰則
 3条、4条、5条の許可を受けないでした行為の罰金の変更

 改正前 100万円→ 改正後 300万円

したがって、改正後は、違反すると、

 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。


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