試験対策
分析 |
出題の概略―宅建、マン管との相違点 |
マンション管理士、管理業務主任者の試験は、2回しか出題実績がなく、出題内容は確定しているとはいえません。 |
●試験の基準(管理適正化法・施行規則) |
管理適正化法・57条 (試験)
管理業務主任者試験は、管理業務主任者として必要な知識について行う。 施行規則・第63条 (試験の基準) 管理業務主任者試験は、マンション管理業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準を置くものとする。 施行規則・第64条 (試験の内容) 前条の基準によって試験すべき事項は、おおむね次のとおりである。 一 管理事務の委託契約に関すること。 二 管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること。 三 建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること。 四 マンションの管理の適正化の推進に関する法律 に関すること。 五 前各号に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること。 |
●試験委員(管理適正化法・施行規則) |
管理適正化法・第16条 (試験委員)58条3項による読み替え 指定試験機関は、試験事務を行う場合において、管理業務主任者として必要な知識を有するかどうかの判定に関する事務については、管理業務主任者試験委員に行わせなければならない。 2 指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。 3 指定試験機関は、試験委員を選任したときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。試験委員に変更があったときも、同様とする。 4 第13条第2項の規定は、試験委員の解任について準用する。 施行規則・第16条 (試験委員の要件)67条による読み替え 法第58条第3項において準用する法第16条2項の国土交通省令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。 一 学校教育法 (昭和22年法律第26号)による大学において民事法学、行政法学、会計学又は建築学を担当する教授又は助教授の職にあり、又はあった者その他これらの者に相当する知識及び経験を有する者 二 国又は地方公共団体の職員又は職員であった者で、第64条各号に掲げる事項について専門的な知識を有するもの |
宅建試験の特色は、浅く広くと広範囲であること、また、各範囲とも他の資格試験範囲と
重なっていて、宅地建物の取引に関連する一般的な出題であることが挙げられます。
管理業務主任者試験は、マンションの法令・規約・管理・施設に特化した出題であり、
管理業務の委託に関するものがマンション管理士よりも多く、内容面でも違いがあります。
▼宅建試験との比較
●権利の変動分野
宅建試験の出題 | 管理業務主任者試験での出題 | |
民法 | 10問-11問 | 単独5問〔1-5〕、複合3問〔9,43,44〕
単独=契約類型・債務不履行・委任・善管注意義務・ 不法行為 複合=区分所有法〔9〕・宅建業法〔43〕・ アフターサービス〔44〕 |
借地借家法 | 2問 | 出題なし |
不動産登記法 | 1問―2問 | 出題なし |
区分所有法 | 1問 | 単独8問〔31-37,40〕、複合1問〔9〕
40は、管理規約の定め 複合=民法〔1〕-遅延損害金- 被災区分所有法 出題なし |
●法令上の制限
宅建試験の出題 | 管理業務主任者試験での出題 | |
都市計画法 | 3問 | 出題なし |
建築基準法 | 2問-3問 | 3問〔16,17,18〕,複合〔23〕
単独=用語・維持保全・定期調査・検査 複合=昇降機・避雷設備- |
諸法令 | 国土法 1問
農地法 1問 区画整理法 1問 宅地造成等規制 地すべり・急傾斜 |
平成13年には、出題なし |
マンション施設
制限法令 |
出題なし | 3問
浄化槽法〔20〕、消防法〔19〕、水道法〔21〕 |
●土地・建物・設備
宅建試験の出題 | 管理業務主任者試験での出題 | |
土地 | 1問 | 出題なし |
建物 | 1問 | 4問
耐震改修促進法〔24〕 建築構造〔25,26〕,建築材料〔27〕 |
設備 | 出題なし | 2問
エレベーター〔22〕,電気設備〔23〕, |
修繕〔会計〕 | 出題なし | 3問
修繕積立金〔28,30〕,長期修繕計画〔29〕 |
●宅建業法・住宅の品質確保・アフターサービス・不動産の関連知識
宅建試験の出題 | 管理業務主任者試験での出題 | |
宅建業法 | 16問 | 2問 単独1問〔41〕、複合1問〔43〕
複合=民法〔43〕 |
住宅品確法 | 出題なし | 1問 〔45〕民法 |
アフターサービス | 出題なし | 2問 単独〔42〕,複合〔44〕民法 |
住宅金融公庫 | 1問 | 出題なし |
不動産の鑑定評価 | 1問 | 出題なし |
不動産の需給統計 | 1問 | 出題なし |
不動産の税法 | 3問 | 出題なし |
景品表示法 | 1問 | 出題なし |
●マンション管理の固有の範囲
宅建試験の出題 | 管理業務主任者試験での出題 | |
標準規約 | 出題なし | 5問 単独5問〔28-30,38-39〕
修繕〔28-30〕、管理組合〔38-39〕 |
管理委託契約 | 出題なし | 3問〔6,7,8〕 |
会計 | 出題なし | 7問
管理費滞納〔9〕,少額訴訟〔10〕民事執行法 管理組合の税務〔11〕,会計〔12-15〕 |
管理適正化法 | 出題なし | 5問〔46-50〕 |
▼管理業務主任者の全体構成
マンションの管理適正化法・施行規則での試験範囲
1.管理事務の委託契約に関すること
2.管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
3.建物及び附属施設の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
4.マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
5.前各号に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること
分類 | 内訳 |
管理委託 8問 |
民法〔1-5〕,標準管理委託書〔6-8〕, |
会計 13問 |
管理費滞納〔9〕民法・区分所有法 少額訴訟〔10〕民事執行法 管理組合の税務〔11〕,管理組合の会計〔12〕,仕訳〔13-15〕 修繕積立金〔28〕,長期修繕計画〔29〕,修繕積立金の支出〔30〕 住宅品質確保法〔19〕,宅建業法〔20-21〕 |
設備・施設 12問 |
建築基準法〔16-18〕,消防法〔19〕,排水・浄化槽法〔20〕, 給水設備・水道法〔21〕,昇降機〔22〕,建築設備・電力供給〔23〕 耐震改修法〔24〕, 鉄筋コンクリート〔25〕,建築構造〔26〕,建築材料〔27〕, |
修繕 3問 |
管理規約〔28-30〕 修繕積立金〔28〕,長期修繕計画〔29〕,修繕積立金の支出〔30〕 |
区分所有法 9問 | 専有部分〔31〕,管理者〔32〕,管理組合法人〔33〕,建替え〔34〕,
占有者〔35〕,集会〔36〕,規約の改正〔37〕,遅延損害金〔9〕,規約〔40〕 |
管理規約 6問 |
管理組合の運営〔38-40〕、修繕〔28-30〕 |
販売 5問 |
宅建業法〔41,43〕重要事項説明、瑕疵担保責任、民法 アフターサービス〔42,44〕瑕疵担保責任、民法 住宅品質確保法〔45〕瑕疵担保責任、民法 |
管理適正化法 |
指針〔47〕,管理適正化法〔46,48-50〕 マンションの定義〔46〕,重要事項説明〔48〕,管理業務主任者〔49〕, 管理業者の分別会計〔50〕 |
■総合判断―宅建とは一部ダブっていても、出題は、マンションの管理に特化したもの。
宅建の学習は、民法や法令に慣れている意味でやや有利という程度で、
内容的にはアドバンテージにはならないと思われます。
■マンション管理士との比較
マンション管理士 | 管理業務主任者 | |
区分所有法 | 17問 | 9問 |
規約 | 5問〔区分所有権1問管理組合3問も,
特別修繕費の徴収1問〕 |
6問〔修繕会計3問,管理組合3問〕 |
会計 | 6問〔修繕と一部ダブる〕 | 10問〔修繕と一部ダブる〕 |
設備 | 10問 | 12問 |
■マンション管理士出題で管理業務主任者に出題のなかったもの
不動産登記法・被災区分所有法、民法の抵当権・賃貸借など。
管理業務主任者でも、今後、出題は予想されると思われます
■「想定される管理業務主任者試験の内容」
出典・…国土交通省のHPのページ「管理業務主任者になるには」
1. 管理事務の委託契約に
関すること |
・民法(「契約」及び契約の特別な類型としての「委託契約」を締結する観点から必要なもの)、
・中高層共同住宅標準管理委託契約書 等 |
2. 管理組合の会計の収入及び
支出の調定並びに出納に 関すること |
簿記、財務諸表論 等 |
3. 建物及び付属施設の維持
及び修繕に関する企画 又は実施の調整に関すること |
建築物の構造及び概要、
建築物に使用されている主な材料の概要、 建築物の部位の名称等、 建築設備の概要、 建築物の維持保全に関する知識及びその関係法令(建築基準法、水道法等)、 建築物等の劣化、 修繕工事の内容及びその実施の手続きに関する事項 等 |
4. マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること | マンションの管理の適正化の推進に関する法律、マンション管理適正化指針 等 |
5. 1.から4.に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること | 建物の区分所有等に関する法律(管理規約、集会に関すること等管理事務の実施を行うにつき必要なもの) 等 |