Brush Up! 権利の変動篇

買戻しの基本問題3 買戻しの登記をしていなかった場合

正解・解説 参照 → 買戻しの特約の登記


【正解】

× × ×

は,自己所有の土地をに100万円で売り,その際,買戻しの特約を締結した。3年後,その土地をから買い戻そうと思ったが,その土地は150万円に値上がりしていた。買戻しの特約の登記はされていなかったものとする。買戻しに関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和44年)

1.「買戻しの特約の登記をしていなかったので,はその土地を買い戻すことができない。」

2.「買戻しの特約の期間が定められていなかったので,その特約は無効であり,はその土地を買い戻すことができない。」

3.「は,150万円と契約の費用を払わなければ,その土地を買戻すことができない。」

4.「は,100万円と契約の費用を払えば,その土地を買戻すことができる。」

【正解:

 買戻しとは、『売主が売買契約と同時に買戻しの特約をつけておけば、買主の支払った代金と契約の費用を返還して(利息は特約があるとき)、その不動産を買い戻すことができる』制度です。(民法579条)

 いくら時価が150万円に値上がりをしていようと、は、に売ったときの価格で買戻しすることができます。したがって、肢3×

 買戻しの特約は売買契約と同時に登記がしてあれば、第三者に対抗できますが(民法581条)、当事者間では登記の有無は問題にはならず、は、買戻しの登記がしてなくても、Bから買い戻すことができます。したがって、肢1×

 買戻しの期間は10年を超えることができず、10年を超えた期間を定めたときは10年間に短縮され(民法580条1項)、買戻しの期間を定めなかったときは、5年間とされます。(民法580条3項)したがって、肢2×

判例では,この買戻しは,特約による解除権の留保と解されています。(最高裁・昭和35.4.26) つまり,売買契約を解除することによって,『買い戻す』ことになります


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