Brush Up! 権利の変動編
正解・解説
未成年者に関する問題2
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
○ | × | × | × | × |
6.「未成年者がする取引についての法定代理人の同意は,未成年者自身に対して
ではなく,未成年者と取引をする相手方に対してなされても有効である。」
【正解:○】 ◆同意の相手は未成年者だけではない 未成年者が法律行為を行うには、法定代理人の同意が必要です。(5条1項) 法定代理人の同意は,未成年者だけではなく,取引しようとしている相手方に為されても有効です。
※親権者であっても,制限能力者(未婚の未成年者,成年被後見人,被保佐人,被補助人)は親権を行使できない。この場合は,未成年後見人が選任される。 |
7.「未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為は取り消すことができる
が,この法律行為の取り消しは善意の第三者には対抗することができない。」(昭和56)
(類題・平成元年)
【正解:×】 ◆未成年者の取消は、取消前の第三者にも対抗できる A (未成年) ― B (相手方) ― C (善意の第三者) └取消 未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為は、未成年者・法定代理人どちらからも取消すことができ(5条2項)、取消し前の善意の第三者にも対抗することができます。 〔未成年者が取消すのに法定代理人の同意は不要。⇔追認は同意が必要。〕 |
8.「Aが,Bの代理人としてCとの間で,B所有の土地の売買契約を締結する場合,
Bが未成年者であっても,Aが成年に達した者であれば,Bの法定代理人の同意
又は許可を得ることなく,Aに売買の代理権を与えて,Cとの間で土地の売買契約を
締結することができ,この契約を取り消すことはできない。」(平成14年・問2・肢3)
【正解:×】 ◆未成年者と代理(1) B (未成年) 未成年者が法定代理人の同意や許可を得ないでした法律行為は、未成年者・法定代理人どちらからも取消すことができ(5条2項)、取消し前の善意の第三者にも対抗することができました。 『代理人Aが成年であるから法定代理人の同意や許可が不要』というわけではありません。この場合も、同意や許可を得ていないのであれば、取り消すことができます。 |
9.「Aは,Bの代理人として,Bの所有地をCに売却した。Aが未成年者であって,
法定代理人の同意を得ないで契約を締結した場合,Bは,Aに代理権を与えてい
ても,その売買契約を取り消すことができる。」(平成4年・問2・肢1)
⇒ この論点は,平成では頻出。出題・平成3年-3-1,平成6年-4-1,12年-1-1, |
【正解:×】 ◆未成年者と代理(2) B (依頼者本人) 代理人は,意思能力さえあればよく,行為能力者でなくてもよいので(102条),制限行為能力者を代理人にすることもできます。 また,未成年者は,代理人になるのに,法定代理人の同意は必要ではありません。 したがって,本肢では,Aが未成年であることを百も承知で,BはAを代理人にしているわけですから,『Aが未成年だから』,『Aの法定代理人の同意がなかったから』という理由で,この契約を取り消すことはできません。 |
10.「AB間で,AがBに対し1,000万円支払って,BがCに対してBの所有する
建物の所有権を移転する旨の契約を締結した。Cが未成年者の場合,Cの受益
の意思表示には法定代理人の同意が必要である。」(類・昭和51)
【正解:×】 ◆未成年者の不利益にならない法律行為は同意不要 単に権利を得る行為,義務を免れる行為は同意不要 Bに1,000万円支払う このようなAB間の契約を『第三者のためにする契約』といいます。Cは何の負担も対価もなく,B所有だった建物の所有権を取得することになります。 単に権利を得る行為については,法定代理人の同意を得ることなく,未成年者は単独で法律行為をすることができます。(5条1項但書) 本肢のCの受益の意思表示もこの「単に権利を得る行為」に該当し,Cは法定代理人の同意なしに受益の意思表示をすることができます。 |