Brush Up! 宅建業法篇

報酬規定に関する基本問題2 広告・専任媒介・専属専任媒介


次の記述は,宅地建物取引業法の規定によれば,○か×か。

1.「宅地建物取引業者が宅地の売買の媒介をするに当たり,特に依頼者から依頼されて特別の広告を行った場合には,当該売買が不成立に終わったときでも,宅地建物取引業者は,その広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることができる。」9-43-1

2.「宅地建物取引業者が,建物の貸借の媒介をするに当たり,依頼者からの依頼に基づくことなく広告した場合でも,その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき,は,報酬とは別に,その広告料金を請求できる。」12-38-3

3.「宅地建物取引業者が,所有地の売買の媒介の依頼を受け,と専任媒介契約を締結した。当該契約には,が,他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を定めなければならない。」12-37-1

4.「宅地建物取引業者が,から宅地の売却の依頼を受け,と専属専任媒介契約 を締結した。が宅地建物取引業者である場合でも,が媒介契約を締結したときにに交付すべき書面には,の探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければならない。」11-37-3

【正解】

×

1.「宅地建物取引業者が宅地の売買の媒介をするに当たり,特に依頼者から依頼されて特別の広告を行った場合には,当該売買が不成立に終わったときでも,宅地建物取引業者は,その広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることができる。」9-43-1

【正解:

◆依頼者からの依頼による広告料金

 依頼者から依頼されて特別の広告を行った場合,その料金に相当する額を受け取ることができます。(46条1項,2項,昭和45年10月23日建設省告示第1552号)報酬の額についての通達・第7(1)

 売買が不成立に終わったときでも,依頼された広告料金に相当する額を受け取ることができます。

●類題

1.「宅地建物取引業者は,建物の売買の媒介をするに当たり,建物の売主から特別の依頼を受けて広告をし,当該建物の売買契約が成立したので,国土交通大臣が定めた報酬限度額の報酬のほかに,その広告に要した実費を超える料金を受領することができる。」12-35-2改

【正解:×】その広告に要した実費を超える料金を受け取ることはできません。

2.「宅地建物取引業者が,建物の貸借の媒介をするに当たり,依頼者からの依頼に基づくことなく広告した場合でも,その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき,は,報酬とは別に,その広告料金を請求できる。」12-38-3

【正解:×

◆依頼に基づかない広告の料金は請求できない

 依頼者の依頼によって行う広告の料金については,報酬と別に受け取ることができますが,依頼者の依頼もないのに行った広告料金を受け取ることはできません。報酬の額についての通達・第7(1)

3.「宅地建物取引業者が,所有地の売買の媒介の依頼を受け,と専任媒介契約を締結した。当該契約には,が,他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を定めなければならない。」12-37-1

【正解:

◆専任媒介

専任媒介契約では,依頼者が他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を定めなければいけません。(34条の2第1項7号,施行規則15条の7第1号)

専属専任媒介契約でも,業者が探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を定めなければいけません。(34条の2第1項7号,施行規則15条の7第2号)

●類題

1.「宅地建物取引業者が,から宅地の売却の依頼を受け,と専属専任媒介契約 を締結した。媒介契約において,『が他の宅地建物取引業者の媒介によって宅地の売買契約を成立させた場合,宅地の売買価額の3%の額を違約金としてに支払う』 旨の特約は,無効である。」11-37-4

【正解:×】依頼者が宅建業者が探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置について,宅建業法では特に制限事項はないので,「宅地の売買価額の3%の額を違約金として支払う」旨の特約でも問題はなく,無効にはなりません。

4.「宅地建物取引業者が,から宅地の売却の依頼を受け,と専属専任媒介契約 を締結した。が宅地建物取引業者である場合でも,が媒介契約を締結したときにに交付すべき書面には,の探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければならない。」11-37-3

【正解:

◆媒介契約の規定は業者間の取引にも適用される

 媒介契約の規定は宅建業者間の取引についても適用されます。(78条2項)

したがって,依頼者が宅建業者であっても,専属専任媒介契約では,業者が探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければいけません。(34条の2第1項7号,施行規則15条の7第2号)


Brush Up!報酬規定のトップに戻る

Brush Up!宅建業法篇トップに戻る