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Echo の宅建民法・重点Notes
 「無効と取消」第1回(概論)

 民法の分野で1番、頭を悩まし、債権法、物権法ともつながりの深い

無効・取消を、さまざまな関連知識とともにEchoさんが解説していきます。

無効と取消の基礎知識Echoの宅建民法・重点Notes

 第1回・無効と取消の概論
 第2回・無効について
 第3回・取消・その1
 第4回・取消・その2

 ◇「無効と取消」第1回(概論)

1.無効

 →はじめから、何らの効果も生じないこと。

  つまり、はじめから何もなかったのと同じこと。

(例)愛人契約、賭け麻雀からは何らの権利義務も生じない。

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2.取消

 →はじめに有効に効力を生じた後、一定の者(取消権者)が、

  取消の「意思表示」をすることによって、「始めに遡って」何も

  なかったのと同じことになる。

 ※但し、「追認」をすれば完全に有効に確定する。

 <参考>時効による取消権の消滅

   ・「追認」できるときから5年で取消できなくなる

   ・「行為」の時点から20年で取消できなくなる

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3.無効と取消は、次の点で異なる

(1) 主張できる者

  ・「取消」…取消権者(制限能力者、その法定代理人、承継人、

               詐欺、強迫された者)に限る。

  ・「無効」…だれでも主張できる

        (但し無効が主張できる要件あり→次回解説)

(2) 何らかの行為が必要かどうか

  ・「取消」…取消の「意思表示」をすることによってはじめて無効

        (つまりはじめから何もなかったこと)になる。

  ・「無効」…何もしなくても、「当然に」無効である。

(3) 追認ができるかどうか

  ・取消できる行為は、「追認」によって有効に確定できるが、無

  効な行為はいくら追認をしたとしても有効にはならない。

  ・ただ、無効であると知りながら追認した場合には、その時点

  で改めて新たな行為をしたものとみなされ、「将来に向かって

  有効」になることがある。(×行為の最初まで遡って有効)

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■判例■

他人の権利を自分の名前で勝手に処分した場合であっても、その

「他人」が当事者の勝手な行動を追認すれば、その追認は有効

ある。

→「無権代理人の追認と同じ効果」と解釈

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<さらに詳しく>

制限行為能力者の行為に関しては、取り消した行為を原状(元の状態)

に回復させる義務に関し、行為の時からの全利益を相手方に戻す

のではなく、取り消した時点で、まだ残っている利益だけを相手方

に戻せばよい。

< 第1回・了 >


→第2回に進む

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