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Echo の宅建民法・重点Notes |
「無効と取消」第2回(無効について) |
無効と取消の基礎知識●Echoの宅建民法・重点Notes |
第1回・無効と取消の概論 |
◇◆◇◆◇◆◇◆◇「無効と取消」第2回(無効について)◇◆◇◆◇◆◇
<復習>無効と取消の違い
無効な行為―→始めから効力ナシ――――→無効のまま
追認されると――――――→錯誤や無権代理などは有効
―――――→公序良俗や法律に反する行為は
追認しても無効
取消可能な行為―→取り消されないうちは一応有効なものとして扱われる
取り消されると→始めから無効だったことになる
取り消されなくなると→有効に確定
※取り消せなる原因
ア.追認(民法第122条)
イ.法定追認(〃第125条)
ウ.取消権の消滅(〃126条)
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**1.無効とは**
「無効」とは、だれが何と言おうと、当然に法律効果のないことをいいます。
「取り消しできる行為」とは、取消したときに、その効果は行為の始めの時
に遡って無くなる(つまり、取消すまでは一応有効、追認すれば完全有効)の
ですが、「無効」の場合は、取消す必要も何もなく、“最初から効力がない”
という、絶対的なものなのです。
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**2.無効と追認**
「無効な行為」とは、いくら“追認”しても、その行為の効力は発生しませ
ん。ですから、当事者が“あの行為は無効だった”と気づいて、その「無効な部
分だけ除外して追認」しても、「無効な行為の追認は不可」の原則により、最初
の行為が有効になることはありません。
しかし、「その追認」は、新しく有効な行為を改めてしたものとみなされま
す。つまりそれは“いったん無効になった行為とは別に、もう一度「新しく有効
な行為」をしたことになる”のです。
(例)通謀虚偽表示を行った者の双方が、後になってその無効な行為を追認すれ
ば、追認の時点で新しい行為が行われたものとして扱う。
しかし、判例には、『他人の権利を自分の名前で勝手に処分した場合であって
も、その「他人」が当事者の勝手な行動を“追認”すれば、その追認は有効だ』
としたものがあり、この場合には「無権代理人の追認と同じ効果」をもつことに
なります。
つまり、「この判例」と「無権代理の追認」は、“無効な行為を追認しても、
やはり無効のままだ”という民法の原則の“例外”とされるものなのです。行為
の内容そのものが無効なのではなく、行為の過程(プロセス)だけが無効なもの
なのだから、“権利のない人に対して、権利を与えるだけの追認”と解釈するこ
ともできるでしょう。“無権利者が行った契約でも、その相手方にとっては、契
約の内容までが無効なものではない”ことを是非知っておいてください。
実際の人間の行動において、「どこまでが“無効”なもの」で、「どこからが
“有効”とされ」、「どこまでの“追認”なら許されるか」……これはシロウト
がはっきり区別できるわけがなく、裁判においても、学説においても判断が分か
れるところのようです。
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**3.意思表示・法律行為と無効**
ア.公序良俗違反→意思表示・法律行為ともに絶対的な“無効”
イ.心裡留保(ウソツキ)→相手方が悪意の場合“無効”
※相手方が善意の場合は有効
ウ.通謀虚偽表示→通謀する行為が“無効”
※“無効”であることを、悪意の第三者には対抗できるが、
善意の第三者には対抗(主張)できない。
エ.錯 誤→法律行為(契約)の重要な部分に錯誤(勘違い)があった場合の
意思表示が“無効”⇒第三者対抗可(悪意も○)
※表意者による重大な過失による場合は有効⇒善意の第三者対抗不可
オ.無権代理人の法律行為→本人の追認がない限り“無効”
※本人からの追認があれば、契約時にまで遡って有効となる
※この場合の“無効”とは,正確には『本人への効果不帰属』です。
(= 有効 とも 無効 とも 確定していない。)
カ.不法行為→不法行為は絶対的な“無効”⇒第三者への対抗不可
(第2回了)