税法その他 基礎編

所得税・贈与税―譲渡所得・贈与に関する税・住宅借入金の特別控除

●譲渡所得に関する税 4 収用交換等の場合の5,000万円特別控除

正解・解説


【正解】

×

●5,000万円の特別控除の法改正(平成14年度〜)
   土地収用法の仲裁の申出が6ヶ月以内に行われていれば、
   仲裁による譲渡が6ヶ月経過後でも5,000万円控除適用可能。

   http://www.mlit.go.jp/yosan/yosan02/zeisei02g/images/06_01.pdf

●5,000万円の特別控除のときの税率一覧
 5年以内  短期譲渡所得  30パーセント
 5年超  長期譲渡所得  15パーセント
 5年超  軽減税率

 優良住宅地の造成

 15パーセント(2,000万円超)

 10パーセント(2,000万円以下) 

 10年超  軽減税率

 居住用財産を譲渡

 15パーセント(6,000万円超)

 10パーセント(6,000万円以下) 

次のそれぞれの記述は、所得税法、租税特別措置法の規定によれば○か、×か。

1.「複数の土地の譲渡につき二種類以上の特別控除の適用を受ける場合の特別控

除の合計額は、収用等の場合の特別控除の適用の有無にかかわらず、年間の譲渡

所得の全体を通じて最高限度額は5,000万円とされる。」H1-29-4 改

【正解:参考問題

◆特別控除額の年間累積限度額

 同一年内に2以上の特別控除の適用を受ける場合、

その限度額は5,000万円です。

2つ以上の資産を譲渡し、別々に特別控除を受けるときの限度額です。

(一つの資産に重畳適用すときの限度額ということではありません。)

同一年内に2以上の特別控除の適用を受ける場合は、

(1) 収用交換等の場合 5,000万円

(2) 居住用財産を譲渡 3,000万円

(3) 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡 2,000万円 

(4) 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡 1,500万円

(5) 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 800万円

の順に控除されます。 租税特別措置法・36条、施行令24条

は覚える必要はありません。

2.「収用交換等の場合の 5,000万円特別控除の適用を受ける場合には、その譲渡

した土地等の今年1月1日における所有期間が5年を超えるときであっても、5,000 万

円の特別控除を控除した後の長期譲渡所得については、優良住宅地の造成等の

ために土地等を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができない。」

【同一問題】H3-29-3,  H7-29-1,  H10-27-1

【正解:

◆優良住宅地造成の軽減税率の重複適用は廃止

 収用交換等の場合の 5,000万円特別控除には、要件に所有期間はありません

 × 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の軽減税率の特例

  所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

軽減税率 重畳適用の可否
 優良住宅地の造成

 の軽減税率・5年超

 居住用財産を譲渡の

 軽減税率・10年超保有

収用交換等の場合の

5,000万円控除

      ×        ○   
収用等に伴い代替資産を

取得した場合の

課税の特例

      ×        ×

3.「道路用地として土地を都道府県に譲渡した場合において、収用交換等の場合

の 5,000万円特別控除の適用を受けるときには、その土地が居住用財産に該当し

ても、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができない。」

H7-29-2、【類題】H10-28-2

【正解:×

◆軽減税率

 × 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の軽減税率の特例

  所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

軽減税率 重畳適用の可否
 優良住宅地の造成

 の軽減税率・5年超

 居住用財産を譲渡の

 軽減税率・10年超保有

収用交換等の場合の

5,000万円控除

      ×        ○   
収用等に伴い代替資産を

取得した場合の

課税の特例

      ×        ×

4.「今年の1月1日で所有期間が10年を超えている居住用財産である土地を道路

用地として都道府県に譲渡した場合、収用交換等の場合の5,000万円控除の適用

を受けるときには、これと重ねて居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を

受けることはできない。」

【正解:

◆重畳適用 3,000万円控除は×

 × 居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除

 × 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(課税の繰延べ)

 所有期間   特例の内容
 居住用財産3,000万円  制限ナシ   特別控除   
 収用などの5,000万円  特別控除
 収用事業対象に伴って

 代替資産を取得

 課税の繰り延べ
 特定居住用財産買換え  所有10年超 

 居住10年以上

 課税の繰り延べ
 居住用財産を譲渡した場合  10年超  軽減税率

 10パーセント(6,000万円以下)

 15パーセント(6,000万円超)

 優良住宅地の造成  5年超  軽減税率

 10パーセント(2,000万円以下)

 15パーセント(2,000万円超)

 長期譲渡所得  5年超  15パーセント
 短期譲渡所得  5年以内  30パーセント

収用交換等の場合の5,000万円控除 重畳適用一覧
短期譲渡所得・5年以内  ○ 
長期譲渡所得・5年超  
居住用財産を譲渡した場合の軽減税率・10年超保有  
優良住宅地の造成の軽減税率  ×
居住用財産の譲渡所得の3000万円控除  ×
収用交換等の場合の5,000万円控除  ―
居住用財産の買い換え特例(特定)  ×
収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例  or

●最近の所得税・贈与税の出題  
    9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
住宅借入金特別控除                   
譲渡所得                  
譲渡損失の繰越控除      **                
贈与税                   

平成11年肢2は、譲渡損失の繰越控除と住宅借入金控除が重畳適用可能か問う問題。

譲渡所得の問題5(収用に伴う代替資産の取得のときの課税の繰り延べ)を解く

譲渡所得の問題5の解説を読むバイパス・コース

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