法令上の制限 実戦篇

都市計画法の過去問アーカイブス 平成19年・問19 開発許可と建築制限

 みなし規定の条文確認


●出題論点●
 みなし規定〔知事との協議成立により,許可があったものとみなす〕は,42条1項については従来からありましたが,平成18年の改正施行により,34条の2,43条3項が新設されました。新設されたものについては,いずれ出題されると考えられます。

 なお,工事完了公告前の建築物の建築,特定工作物の建設での知事の許可(都市計画法37条)については,みなし規定はありません

2 開発許可を受けた土地において、地方公共団体は、開発行為に関する工事完了の公告があった後、都道府県知事との協議が成立すれば、当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を建築することができる。

【正解:×

◆工事完了公告後の予定建築物

 工事完了公告後の予定建築物の建築制限には,『開発区域内で国が行う行為については,当該国の機関と都道府県知事との協議が成立することをもって,許可があったものとみなす』(都市計画法42条2項)(→平成5年・問20・肢3で出題。)という規定があります。

 しかし,地方公共団体が行う行為については,このような特例〔国の行為のみなし規定〕はないので,本肢は誤りです。

●みなし規定の比較

  国が行う行為 指定都市,中核市,特例市,
事務処理市町村が行う行為
開発許可

(都市計画法34条の2第1項)

 ○〔ある〕  ○〔ある〕
工事完了公告後の
予定建築物以外の
建築についての許可

(都市計画法42条2項)

 ○〔ある〕  ×〔ない〕
市街化調整区域の
開発区域以外の区域
の建築許可

(都市計画法43条3項)

 ○〔ある〕  ○〔ある〕

工事完了公告前の建築物の建築,特定工作物の建設での知事の許可については,みなし規定はない(都市計画法37条)

34条の2

(開発許可の特例)

第三十四条の二  国又は都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村、都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村がその組織に加わつている一部事務組合、広域連合、全部事務組合、役場事務組合若しくは港務局若しくは都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村が設置団体である地方開発事業団(以下「都道府県等」という。)が行う都市計画区域若しくは準都市計画区域内における開発行為(第二十九条第一項各号に掲げる開発行為を除く。)又は都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内における開発行為(同条第二項の政令で定める規模未満の開発行為及び同項各号に掲げる開発行為を除く。)については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもつて、開発許可があつたものとみなす。

2  第三十二条の規定は前項の協議を行おうとする国の機関又は都道府県等について、第四十一条の規定は都道府県知事が同項の協議を成立させる場合について、第四十七条の規定は同項の協議が成立したときについて準用する。

42条2項
 (開発許可を受けた土地における建築等の制限)

第四十二条  何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、第三十六条第三項の公告があつた後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。ただし、都道府県知事が当該開発区域における利便の増進上若しくは開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、又は建築物及び第一種特定工作物で建築基準法第八十八条第二項 の政令で指定する工作物に該当するものにあつては、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この限りでない。

2  国が行なう行為については、当該国の機関と都道府県知事との協議が成立することをもつて、前項ただし書の規定による許可があつたものとみなす。

43条3項
(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)

第四十三条  何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。ただし、次に掲げる建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設については、この限りでない。

一  都市計画事業の施行として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設

二  非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設

三  仮設建築物の新築

四  第二十九条第一項第九号に掲げる開発行為その他の政令で定める開発行為が行われた土地の区域内において行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設

五  通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの

2  前項の規定による許可の基準は、第三十三条及び第三十四条に規定する開発許可の基準の例に準じて、政令で定める。

3 国又は都道府県等が行う第一項本文の建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設(同項各号に掲げるものを除く。)については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもつて、同項の許可があつたものとみなす。


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