宅建業法 実戦篇
報酬額の限度の過去問アーカイブス 平成7年・問46
次のア〜ウの事例について,宅地建物取引業者Aが受領することのできる報酬の最高限度額を多い順に並べたものはどれか 。ただし,免税事業者については,消費税及び地方消費税 (みなし仕入れ率) は考慮しないものとする。(平成7年・問46) |
ア | 消費税課税事業者Aは,Bの代理依頼を受けて,Bが所有する宅地を代金5,000万円で売却する契約を成立させ,Bから報酬を受領した。 |
イ
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消費税免税事業者Aは,Cの媒介依頼を受けて,Cが所有する土地付建物を代金それぞれ宅地分7,000万円及び建物分3,200万円(消費税及び地方消費税込み)で売却する契約を成立させ,Cから報酬を受領した。 |
ウ
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消費税免税事業者Aは,D及びE双方の媒介依頼を受けて,Dが所有する宅地を代金5,200万円でDE間で売買契約を成立させ,D及びEから報酬を受領した。 |
1.「ア・イ・ウ」 |
2.「イ・ウ・ア」 |
3.「ウ・ア・イ」 |
4.「ア・ウ・イ」 |
●法改正 |
問46全体に関連して平成9年に消費税率の変更〔3%から5%に〕がありました。このため,正解が変更になっています。(出題当時の正解は3)
▼平成9年(1997)4月1日より消費税率を3%から5%に引き上げ。2%の税率引き上げ分のうち1%を地方に配分する「地方消費税」を導入。 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
ア | 消費税課税事業者Aは,Bの代理依頼を受けて,Bが所有する宅地を代金5,000万円で売却する契約を成立させ,Bから報酬を受領した。 |
◆宅地の売買の代理 B ――――― 買主 Aは代理なので,媒介で一方から受領できる報酬の限度額の倍額を報酬として受領できます。400万円超の速算式を用いると, 5,000万円×0.03+6万円=156万円 になるので,この2倍の312万円が代理の報酬になります。 また,本肢でのAは課税事業者なので,消費税を加算すると 312万円×1.05=327万6,000円。 |
イ
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消費税免税事業者Aは,Cの媒介依頼を受けて,Cが所有する土地付建物を代金それぞれ宅地分7,000万円及び建物分3,200万円(消費税及び地方消費税込み)で売却する契約を成立させ,Cから報酬を受領した。 |
◆土地付建物の売買の媒介 C ――――― 買主 1) 建物の代金を求める まず,建物の代金は,消費税・地方消費税相当分を控除して求めます。 3,200万円×100/105=320000/105 万円 ← 分数のママにして計算を続けます。 2) 媒介で一方から受領できる報酬の限度額を400万円超の速算式を用いて求めます。 7,000万円+3,200万円×100/105=1055000/105万円 ← 土地と建物の代金の合計 代金×3%=1055000/105×3/100=10550/35=301.4285714・・・万円 切捨てると 301万4,285円 よって,代金×3%+6万円=301万4,285円+6万円=307万4,285円 (本肢でのAは免税事業者なので,みなし仕入れ率は考慮しなくてよい。) |
ウ
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消費税免税事業者Aは,D及びE双方の媒介依頼を受けて,Dが所有する宅地を代金5,200万円でDE間で売買契約を成立させ,D及びEから報酬を受領した。 |
◆双方からの媒介依頼−宅地の売買の媒介 D ――――― E 1) 媒介で一方から受領できる報酬の限度額を400万円超の速算式を用いて求めます。 代金×3%+6万円=5,200万円×0.03+6万円=156万円+6万円 2) 双方から媒介を依頼されているので,1)の倍額がDEから受領する報酬の合計の限度額になります。 162万円×2=324万円 (本肢でのAは免税事業者なので,みなし仕入れ率は考慮しなくてよい。) |
【正解:4】 ア 327万6,000円。 これにより,ア>ウ>イ の順になるので,4が正解になります。 |
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