宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成8年・問41 免許の要否
宅地建物取引業の免許 (以下この問において 「免許」 という。) に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成8年・問41) |
1.「宅地建物取引業者Aが,Bを代理して,Bの所有するマンションを不特定多数の者に反覆継続して分譲する場合,Bは,免許を受ける必要はない。」 |
2.「Cの所有する業務用ビルを賃借しているDが,不特定多数の者に反覆継続して転貸する場合,C及びDは,免許を受ける必要はない。」 |
3.「Eが,自己所有の農地を農地法,都市計画法等の許可を得,区画割りし,分譲宅地として不特定多数の者に対して売却する場合で,それらの売却を数年にわたり毎年春と秋に限り行うとき,Eは,免許を受ける必要はない。」 |
4.「Fが共有会員制のリゾートクラブ会員権 (宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有するもの) の売買の媒介を不特定多数の者に反覆継続して行う場合,Fは,免許を受ける必要はない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
▼宅地・・・(1)建物の敷地に供せられる土地。〔建物を建てる目的で取引される場合も含む。〕登記簿上の地目や現況の用途は関係ない。 (2)用途地域内で『政令で定める公共の用に供する施設〔道路・河川・水路・公園・広場〕の用に供せられている土地』以外の土地。登記簿上の地目は関係ない。政令で定める公共施設が計画されている予定地も宅地になる。 |
売買 or 交換 | 賃貸 | |
自ら当事者 | 免許が必要 | 免許は要らない |
媒介or 代理 | 免許が必要 | 免許が必要 |
1.「宅地建物取引業者Aが,Bを代理して,Bの所有するマンションを不特定多数の者に反覆継続して分譲する場合,Bは,免許を受ける必要はない。」 |
【正解:×】 ◆販売の代理を依頼しても,不特定多数に継続反復して売却するには免許が必要 Bは,所有する分譲マンションを不特定多数の者に反覆継続して売却するので,Aにその代理を依頼しても,宅建業に該当し,宅建業の免許が必要です。
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2.「Cの所有する業務用ビルを賃借しているDが,不特定多数の者に反覆継続して転貸する場合,C及びDは,免許を受ける必要はない。」 |
【正解:○】 ◆自ら賃貸,自ら転貸に宅建業の免許は要らない 「不特定多数の者に反覆継続」という文言にダマされてはいけません。不動産を賃貸することや転貸することは宅建業には該当しないので,免許は不要です。
▼賃貸・転貸の「代理または媒介」をするには宅建業の免許が必要です。 |
3.「Eが,自己所有の農地を農地法,都市計画法等の許可を得,区画割りし,分譲宅地として不特定多数の者に対して売却する場合で,それらの売却を数年にわたり毎年春と秋に限り行うとき,Eは,免許を受ける必要はない。」 |
【正解:×】 ◆数年にわたる→反覆継続して売却 分譲宅地の売却を毎年春と秋に限り行うのであっても数年にわたる場合には,反覆継続して売却しているとみなされ,宅建業に該当し,宅建業の免許を受ける必要があります。
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4.「Fが共有会員制のリゾートクラブ会員権 (宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有するもの) の売買の媒介を不特定多数の者に反覆継続して行う場合,Fは,免許を受ける必要はない。」 |
【正解:×】 ◆共有会員制での会員権の売買は宅建業に該当する 共有会員制のリゾートクラブ会員権 (宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有するもの) の売買であっても,実質的には建物の売買と異なるところはないので,宅建業に該当し,宅建業の免許が必要です。(建設省通達・平成元.9.27)
▼上記の通達では,リゾートクラブの会員権には,「共有会員制」と「預託会員制」〔施設を所有する事業者に対して会員が預託金を支払うことによって施設を利用する権利を取得するシステム〕があるとし,『共有会員制での会員権の売買・交換,売買・交換・賃貸の代理・媒介』を業として行う行為は宅建業に該当し,宅建業法が適用されるとした。 ▼平成12年4月1日付で「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)が施行され,地方分権推進計画に沿って機関委任事務を廃止し,自治事務等とされたため,同日をもって,宅地建物取引業法に関して従来旧建設省から各都道府県に発出された通達は一律廃止されました。〔宅地建物取引業法 法令改正・解釈について〕 |
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