宅建業法 実戦篇
業者間取引(自ら売主の制限)の過去問アーカイブス 平成13年・問42
宅建業者相互間の取引〔買主が宅建業者〕,手付金等保全措置・手附についての信用の供与の禁止・契約締結時期の制限・瑕疵担保責任の特約の制限 |
宅地建物取引業者Aが,自ら売主となり,宅地建物取引業者Bと建物の売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。 (平成13年・問42) |
1.「AがBから受け取る手付金の鍍が売買代金の2割を超える場合には,その手付金について宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じなければならない。」 |
2.「買主Bも宅地建物取引業者であるので,AがBに対し手附金を貸し付けて契約の締結を誘引してもさしつかえない。」 |
3.「売買予定の建物が,建築工事完了前の建物である場合には,Aは,建築基準法第6条第1項の確認の申請をすれば,Bと売買契約を締結することができる。」 |
4.「AB間で,建物の譲渡価格について値引きをするかわりに,瑕疵担保責任の期間については,引渡しの日から6月間とする特約を結ぶ場合,この特約は有効である。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
1.「AがBから受け取る手付金の鍍が売買代金の2割を超える場合には,その手付金について宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じなければならない。」 |
【正解:×】 ◆手付金等保全措置−買主が宅建業者のときは適用されない 手附の額の制限(買主が宅建業者ではないときは代金の20%を超える手附を受領できない),手付金等の保全措置の規定は宅建業者相互間の取引には適用されないので,本肢では,手付金等の保全措置を講じる必要はありません(宅建業法78条2項)。 したがって,本肢は誤りです。 |
2.「買主Bも宅地建物取引業者であるので,AがBに対し手附金を貸し付けて契約の締結を誘引してもさしつかえない。」 |
【正解:×】 ◆手附について貸付その他の信用の供与の禁止 買主が宅建業者であっても,<手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為 >は禁止されているので(宅建業法47条2号),本肢は誤りです。 ▼宅建業者相互間の取引で適用がないのは,自ら売主の8種制限のみです。 |
3.「売買予定の建物が,建築工事完了前の建物である場合には,Aは,建築基準法第6条第1項の確認の申請をすれば,Bと売買契約を締結することができる」 |
【正解:×】 ◆売買契約締結時期の制限 宅建業者相互間の取引であっても,未完成物件について,工事に必要な建築確認等の法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ,売買・交換の契約を締結することはできないので(宅建業法36条),本肢は誤りです。 |
4.「AB間で,建物の譲渡価格について値引きをするかわりに,瑕疵担保責任の期間については,引渡しの日から6月間とする特約を結ぶ場合,この特約は有効である。」 |
【正解:○】 ◆瑕疵担保責任の特約の制限−買主が宅建業者のときは適用されない 瑕疵担保責任の特約の制限は宅建業者相互間の取引には適用されないので,本肢のような特約をすることができます(宅建業法78条2項)。 ▼買主が宅建業者ではないときは,「値引きをするかわりに,瑕疵担保責任の期間については,引渡しの日から6月間とする特約」をしても無効であり,民法の原則どおり,買主の権利行使の期間は「買主が瑕疵を知ったときから1年間」になります(宅建業法40条,民法570条,同566条)。 |
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