宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 昭和55年・問40
免許の更新・免許申請・変更の届出・案内所等の届出
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和55年・問40) |
1.「免許の有効期間は5年であり,その期間満了後30日以内に更新の手続を行わなければ,その効力を失う。」 |
2.「宅地建物取引業者である個人が自らを代表者とする法人にして宅地建物取引業を営む場合には,30日以内に変更の届出をしなければならない。」改 |
3.「事務所に置くべき専任の取引主任者が欠けた場合には,2週間以内にその後任を補充し,専任の取引主任者の氏名に変更があった場合には,30日以内に変更の届出をしなければならない。」改 |
4.「10区画以上の一団の宅地の分譲を案内所 (契約又は申込の受付等を行う場所) を設けて行う場合は,その業務開始の日までに一定の事項を,免許権者及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。」改 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「免許の有効期間は5年であり,その期間満了後30日以内に更新の手続を行わなければ,その効力を失う。」 |
【正解:×】 ◆有効期間と更新の申請期間 宅建業の免許の有効期間は5年間です。(宅建業法・3条2項) 免許の更新を受ける者は,その有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に,免許申請書を提出しなければなりません。(宅建業法施行規則・3条) 本肢では,<その期間満了後30日以内に更新の手続>となっているので,誤りです。
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2.「宅地建物取引業者である個人が自らを代表者とする法人にして宅地建物取引業を営む場合には,30日以内に変更の届出をしなければならない。」改 |
【正解:×】 ◆個人業者から法人業者に移行するには,新たに免許を受ける 宅建業者である個人が,自らを代表者とする法人として宅建業を営む場合は,変更の届出ではすまず,新たに法人についての免許を受けなければいけません。 個人免許と法人免許では,免許申請書の記載事項・添付書類,宅地建物取引業者名簿の登載事項で,一部異なるものがあります。 したがって,本肢は誤りです。 ▼個人と法人 宅建業法での"個人"は<法人化していない業者>と捉えることができます。政令に定める使用人は法人の場合だけでなく,個人の場合にもあるとされていますから,条文中では"個人"となっていても,<使用人を全く置かず,一匹狼で営業する個人業者>のみを指しているわけではありません。 |
3.「事務所に置くべき専任の取引主任者が欠けた場合には,2週間以内にその後任を補充し,専任の取引主任者の氏名に変更があった場合には,30日以内に変更の届出をしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆不足した場合の措置,取引主任者の氏名の変更の届出 専任の取引主任者の法定設置数に不足が生じた場合,2週間以内に必要な措置を執らなければいけません。(宅建業法・15条3項)
専任の取引主任者<その者とみなされる者も含む>の氏名は,免許の申請申請書の記載事項,宅地建物取引業者名簿の登載事項になっています。 専任の取引主任者<その者とみなされる者も含む>の氏名が変更になった場合は,30日以内に,免許権者に変更の届出を行わなければいけません。(宅建業法・9条)
●免許証の書換え交付申請 免許証の記載事項<商号又は名称,代表者氏名,主たる事務所>に変更があった場合は,変更の届出と併せて,免許証の書換え交付も申請しなければなりません。(宅建業法施行規則・4条の2第1項) |
4.「10区画以上の一団の宅地の分譲を案内所 (契約又は申込の受付等を行う場所) を設けて行う場合は,その業務開始の日までに一定の事項を,免許権者及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。」改 |
【正解:×】 ◆案内所を設置して一団の宅地・建物を分譲する場合の案内所の設置の届出 事務所以外の<専任の取引主任者の設置義務のある国土交通省令で定める場所>〔契約行為等を行う案内所等〕についても,免許権者及び案内所等の所在地を管轄する都道府県知事が監督する必要があります。 そのため,専任の取引主任者の設置義務のある案内所等を設置しようとする場合には,業務を開始する日の10日前までに,案内所等の所在地を管轄する都道府県知事及び免許権者に所定の事項の届出をしなければいけません。(宅建業法・50条2項,施行規則19条3項)<免許権者が国土交通大臣のとき,国土交通大臣への届出は,案内所等の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行います。>(宅建業法・78条の3第2項)
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