宅建業法 実戦篇
事務所等の過去問アーカイブス 昭和59年・問39 案内所等の届出・免許換え・
次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。(昭和59年・問39) |
1.「国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者が,A県内で10区画以上の一団の宅地の分譲を案内所を設置して行う場合には,宅地建物取引業者はあらかじめ一定の事項を国土交通大臣及びA県知事に届け出なければならない。」改
※案内所・・・この場合の「案内所」とは,特定の物件の契約又は申込みの受付等を行う場所とする。 |
2.「A県知事の免許を受けた宅地建物取引業者がB県内に支店を出したときは,その旨を30日以内にA県知事に届け出なければならない。」改 |
3.「国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者がA県内に設置した事務所に置く専任の取引主任者は,A県知事の登録を受けた者でなくても差し支えない。」改 |
4.「A県知事の免許を受けた宅地建物取引業者であっても,B県内において事業を営むことができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | ○ | ○ |
1.「国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者が,A県内で10区画以上の一団の宅地の分譲を案内所を設置して行う場合には,宅地建物取引業者はあらかじめ一定の事項を国土交通大臣及びA県知事に届け出なければならない。」改
※案内所・・・この場合の「案内所」とは,特定の物件の契約又は申込みの受付等を行う場所とする。 |
【正解:○】 ◆案内所等の届出 一団の宅地建物の分譲を,専任の取引主任者の設置義務のある案内所等【契約行為等を行う案内所等】を設置して行おうとする場合には,業務を開始する日の10日前までに,案内所等の所在地を管轄する都道府県知事及び免許権者に所定の事項の届出をしなければいけません。(宅建業法・50条2項,施行規則19条3項) ※「一団の宅地建物の分譲」・・・10区画以上の一団の宅地又は10戸以上の一団の建物の分譲をいう。(宅建業法施行規則・6条の2・第2号)
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●事務所以外で専任の主任者の設置義務がある国土交通省令で定める場所 | ||||
事務所以外であっても,宅地建物の売買・交換の契約の締結,媒介代理契約の締結,契約の申込を受ける場所には,専任の取引主任者を1人以上置かなければならず(宅建業法・15条1項,施行規則・6条の2),以下の国土交通省令で定める場所を設置しようとする場合には,業務を開始する日の10日前までに,案内所等の所在地を管轄する都道府県知事及び免許権者に所定の事項の届出をしなければいけません(宅建業法・50条2項,施行規則19条3項)。
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2.「A県知事の免許を受けた宅地建物取引業者がB県内に支店を出したときは,その旨を30日以内にA県知事に届け出なければならない。」 |
【正解:×】 ◆主たる事務所のある都道府県以外の都道府県に従たる事務所⇒免許換え A県知事の免許を受けた宅建業者がB県内に支店を出すときは,主たる事務所のある都道府県以外に従たる事務所を有することになるので,2以上の都道府県に事務所を有することになるので,国土交通大臣免許が必要です(宅建業法・3条・1項)。 変更の届けではなく免許換えをしなければならないので,本肢は誤りです。 ●国土交通大臣免許への免許換えの手続 国土交通大臣免許への免許換えは,免許換え後の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事(本肢では,A県知事)を経由し,国土交通大臣に申請します。(宅建業法・19条の2)
●申請手続きのまとめ
註 知事免許業者が主たる事務所の所在地を他の都道府県に移して国土交通大臣免許への免許換えをするときは,新しい主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に申請します。例・A県知事免許業者が,主たる事務所の所在地をB県とする国土交通大臣免許に免許換えをする場合は,B県知事を経由して申請する。
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3.「国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者がA県内に設置した事務所に置く専任の取引主任者は,A県知事の登録を受けた者でなくても差し支えない。」 |
【正解:○】 ◆登録地以外の都道府県でも,取引主任者の事務を行うことができる 取引主任者は,その登録をしている都道府県知事の管轄する区域内だけでなく,全国どこでも取引主任者としてすべき事務を行うことができます。 A県内の宅建業者の事務所で宅建業に従事する専任の取引主任者は,A県以外の都道府県知事の登録を受けた取引主任者でも,差し支えありません。 |
4.「A県知事の免許を受けた宅地建物取引業者であっても,B県内において事業を営むことができる。」 |
【正解:○】 ◆営業活動は免許を得ている都道府県に限定されない 本肢での<事業を営む>という言葉は,『事務所を設置する』という意味ではなく,営業活動を行うという意味です。 例えば,東京都知事免許を受けている業者が,北海道や沖縄県の物件を媒介する,あるいは,大阪府や福岡県の物件を自ら売主として分譲するなどのケースです。 2以上の都道府県に事務所を設置するには国土交通大臣免許を受けなければいけませんが,都道府県知事免許を受けている宅建業者であっても,知事免許を受けている都道府県の区域内だけでなく,他の都道府県の区域内でも営業活動を行うことができます。
●知事免許業者が他の都道府県の区域内で業務を行う
(註)案内所等・・・(一団の宅地建物の分譲,又はその媒介・代理を案内所を設置して,契約の締結や買受の申込を受ける場合の) 案内所や展示会場等 ⇒ 国土交通省令で定める事務所以外の場所 ●念のため 案内所等は,免許を受けている都道府県の区域内で設置する場合にも届出が必要で,他の都道府県に設置する場合にのみ,50条2項の届出が必要なわけではない。 |
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