宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 昭和60年・問46
営業保証金・重要事項説明と主任者・主任者の定義・免許の取消と営業保証金
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和60年・問46) |
1.「宅地建物取引業者が主たる事務所と同一の都道府県の区域内に従たる事務所を設置した場合には,その事務所についての営業保証金を供託する必要はない。」 |
2.「宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項説明は,専任の取引主任者以外の取引主任者が行ってもよい。」 |
3.「取引主任者とは,都道府県知事が行う宅地建物取引主任者資格試験に合格した後,宅地建物取引業法第18条の規定に基づく登録を受けている者をいう。」 |
4.「免許の取消処分を受けた宅地建物取引業者は,供託している営業保証金を取り戻すことはできない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「宅地建物取引業者が主たる事務所と同一の都道府県の区域内に従たる事務所を設置した場合には,その事務所についての営業保証金を供託する必要はない。」 |
【正解:×】 ◆従たる事務所を新たに設置したとき 都道府県知事免許業者,国土交通大臣免許業者を問わず,事業を開始した後に,新たな事務所(従たる事務所)を設置した場合は,設置した事務所について,政令で定める額の営業保証金<従たる事務所1について500万円>を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければなりません(宅建業法・26条1項)。 国土交通大臣免許業者が主たる事務所と同一の都道府県の区域内に設置したときであっても,このことに変わりはないので,本肢は誤りです。(都道府県知事免許業者の従たる事務所が,主たる事務所と同一の都道府県の区域内にあるのは当然ですから,大臣免許業者について説明しました。)
|
2.「宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項説明は,専任の取引主任者以外の取引主任者が行ってもよい。」 |
【正解:○】 ◆重要事項の説明,書面の交付,記名押印は,専任の主任者でなくてもよい。 重要事項説明は,取引主任者にさせなければなりませんが(宅建業法・35条1項),専任の取引主任者以外の取引主任者が行ったとしても宅建業法には違反しません。
▼37条書面の記名押印も,専任の主任者でなくてもよい(宅建業法・37条3項)。 |
3.「取引主任者とは,都道府県知事が行う宅地建物取引主任者資格試験に合格した後,宅地建物取引業法第18条の規定に基づく登録を受けている者をいう。」 |
【正解:×】 ◆取引主任者=主任者証の交付を受けている者 <都道府県知事が行う宅地建物取引主任者資格試験に合格した上,その都道府県知事の登録を受けた者>とは,単に登録をしているだけの者 (資格者) に過ぎず,取引主任者ではありません。 取引主任者は,登録を受けただけでなく,主任者証の交付を受けた者です。(宅建業法・15条1項)
|
4.「免許の取消処分を受けた宅地建物取引業者は,供託している営業保証金を取り戻すことはできない。」 |
【正解:×】 ◆免許取消しでも営業保証金を取り戻すことができる 免許取消し処分を受けても,処分前に行った契約に基づく取引を結了し,公告をした上で6月を下らない一定期間内に権利を有する者の申出がない場合には,営業保証金の取り戻しをすることができます(宅建業法・30条1項・2項,76条)。
▼営業保証金を取り戻す事由が発生してから10年を経過すると,営業保証金の取り戻しをすることはできなくなります(宅建業法・30条2項)。 ▼免許が取り消されても,当該宅建業者であった者またはその一般承継人は,締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内では,なお宅建業者とみなされます(宅建業法・76条)。 |
1000本ノック・宅建業法編・本編のトップに戻る Brush Up! 営業保証金・保証協会に戻る