宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 昭和62年・問36
次のア〜エの事例に登場するA〜Eのなかで宅地建物取引業法の免許を必要とする者をすべて掲げているものは1〜4のうちどれか。(昭和62年・問36) |
事例ア |
第一種住居地域に土地を持っているAが,5階建の賃貸マンションを |
事例イ |
私立B高校では学校の閉鎖に伴い,校庭を44区画に区分して,宅地 |
事例ウ |
C炭坑では閉山に伴い社宅を取り壊して更地とし,一括してD市に売却 した。D市ではここに高層住宅を建設し,分譲する予定である。 |
事例エ |
Eは多額の借金の返済に充てるため,自己所有の土地を50区画に区分 し,宅地として分譲することとして宅地建物取引業者甲に媒介を依頼した。 |
1.「A・D」 |
2.「B・C」 |
3.「B・D・E」 |
4.「B・E」 |
【正解】4
A | B | C | D | E |
× | ○ | × | × | ○ |
▼宅地・・・(1)建物の敷地に供せられる土地。〔建物を建てる目的で取引される場合も含む。〕登記簿上の地目や現況の用途は関係ない。 (2)用途地域内で『政令で定める公共の用に供する施設〔道路・河川・水路・公園・広場〕の用に供せられている土地』以外の土地。登記簿上の地目は関係ない。政令で定める公共施設が計画されている予定地も宅地になる。 |
売買 or 交換 | 賃貸 | |
自ら当事者 | 免許が必要 | 免許は要らない |
媒介or 代理 | 免許が必要 | 免許が必要 |
事例ア |
第一種住居地域に土地を持っているAが,5階建の賃貸マンションを |
【正解:×】 ◆不動産を自ら賃貸→宅建業には該当しない
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事例イ |
私立B高校では学校の閉鎖に伴い,校庭を44区画に区分して,宅地 |
【正解:○】 ◆不特定多数の者に売却 宅地を区画割して,不特定多数の者に売却するのは宅建業に該当し,私立B高校は宅建業の免許が必要です。
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▼一回の販売行為・・・一回の販売行為として行われるものであっても,区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当する。 |
事例ウ |
C炭坑では閉山に伴い社宅を取り壊して更地とし,一括してD市に売却 した。D市ではここに高層住宅を建設し,分譲する予定である。 |
【正解:C,Dとも×】 ◆一括して売却するのは宅建業には該当しない C炭坑は更地を一括して売却 → 一括して売却するのは宅建業に該当しない 不動産を一括して特定の者に売却するのは,『不特定多数の者に継続反覆して売却するのではない』ため,宅建業の免許は要りません。
D市は高層住宅を建設し,分譲 → 国・地方公共団体は宅建業の免許は要らない 国・地方公共団体には宅建業法が適用されないので,国・地方公共団体には宅建業の免許は不要です。(宅建業法・78条1項) →「高層住宅を建設し,分譲」するのが国・地方公共団体〔またはそれらに準じるもの〕でなければ,宅建業の免許が必要です。
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事例エ |
Eは多額の借金の返済に充てるため,自己所有の土地を50区画に区分 し,宅地として分譲することとして宅地建物取引業者甲に媒介を依頼した。 |
【正解:○】 ◆宅建業者に代理・媒介を依頼しても免許が必要 土地を区画して,宅地として不特定多数の者に分譲するのは宅建業に該当し,Eは宅建業の免許が必要です。 媒介や代理を宅建業者に依頼してもこのことに変わりはありません。
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