宅建業法 実戦篇

報酬の限度額の過去問アーカイブス 昭和62年・問48


宅地建物取引業者 (消費税課税事業者) が 宅地建物取引業に関して受けることのできる報酬に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和62年・問48)

1.「宅地建物取引業者が宅地の売買の媒介に際し依頼者の一方から受けることのできる報酬の額の最高限度 (消費税及び地方消費税を含む。) は ,当該宅地の売買に係る代金の額のいかんにかかわらず,代金の3%に相当する額に6万円を加えて算出された額に1.05を乗じたものである。」

2.「宅地建物取引業者は,国土交通大臣の定める報酬の額を超えて報酬を受領してはならないが,依頼者の特別の依頼により行う広告の料金に相当する額については,別途受領することができる。」

3.「店舗の賃貸借の契約の締結に際し,賃貸人及び賃借人から媒介の依頼をうけた宅地建物取引業者が,賃貸人及び賃借人から受けることのできる報酬の額の合計は,賃料の1ヵ月分の2.1倍に相当する金額を限度とする。」

4.「宅地建物取引業者が宅地の賃貸借の媒介をした場合において,依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は,依頼者の承認がないときには,賃料の1ヵ月分の0.525倍に相当する金額を限度とする。」

【正解】

× × ×

1.「宅地建物取引業者が宅地の売買の媒介に際し依頼者の一方から受けることのできる報酬の額の最高限度 (消費税及び地方消費税を含む。) は ,当該宅地の売買に係る代金の額のいかんにかかわらず,代金の3%に相当する額に6万円を加えて算出された額に1.05を乗じたものである。」

【正解:×

◆「3%+6万円の速算法」は,取引物件の価額が400万円超のとき

 本肢の速算法は取引価額が400万円超の場合でなければ使えないので,本肢は誤りです。

 消費税課税事業者の場合の(取引価額×3%+6万円)×1.05で求める速算法は,取引価額が400万円を超える場合に使い,

 「200万円以下」,「200万円超〜400万円以下」では,別の速算式を使います。

●速算法
 200万円以下  代金の5%
 200万円超〜400万円以下  代金の4%+2万円
 400万円超  代金の3%+6万円

 200万円ちょうど,400万円ちょうどのときに,以下と超について,余り神経質になる必要はありません。

1) 価額が200万円ちようどの場合

  代金の5%        200万円×5%=10万円

  代金の4%+2万円   200万円×4%+2万円=8万円+2万円=10万円

2) 価額が400万円ちょうどの場合

  代金の4%+2万円   400万円×4%+2万円=16万円+2万円=18万円

  代金の3%+6万円   400万円×3%+6万円=12万円+6万円=18万円

2.「宅地建物取引業者は,国土交通大臣の定める報酬の額を超えて報酬を受領してはならないが,依頼者の特別の依頼により行う広告の料金に相当する額については,別途受領することができる。」

【正解:

◆依頼に基づく広告

 宅建業者が媒介・代理に関して受け取ることのできる報酬の額は国土交通大臣の定める額を超えて報酬を受けてはいけません(宅建業法46条)

 しかし,依頼者の依頼に基づいて広告をした場合は,報酬とは別に,依頼者に対しその広告料金を請求することができます(平成16.2.18,国土交通省告示・第7第1項)

 KEY 

 依頼者の依頼に基づいて広告をした場合

報酬とは別に,その広告料金を請求できる。

3.「店舗の賃貸借の契約の締結に際し,賃貸人及び賃借人から媒介の依頼をうけた宅地建物取引業者が,賃貸人及び賃借人から受けることのできる報酬の額の合計は,賃料の1ヵ月分の2.1倍に相当する金額を限度とする。」

【正解:×

◆建物の貸借の媒介⇒原則として,双方からの合計が借賃の1月分の1.05倍以内

 消費税課税事業者の場合,建物の貸借の媒介について,依頼者の双方から受け取ることができる報酬額の合計は,原則として,当該物件の借賃の1月分の1.05倍以内です(平成16.2.18,国土交通省告示・第4)

 (i) 居住用の建物の貸借又は権利金の授受のない建物(非居住用)の貸借であれば,<賃料の1ヵ月分の2.1倍に相当する金額>では違反です。

 KEY 

依頼者の双方から受け取ることができる
 貸借の媒介の報酬 (消費税課税事業者)

当該物件の借賃の1月分の1.05倍以内

 (ii) 居住用ではない建物で,かつ,権利金の授受がある場合は,当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして,売買に関する報酬の規定を適用することができます(平成16.2.18,国土交通省告示・第6)

 (i),(ii)より,本肢は誤りということになります。

4.「宅地建物取引業者が宅地の賃貸借の媒介をした場合において,依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は,依頼者の承認がないときには,賃料の1ヵ月分の0.525倍に相当する金額を限度とする。」

【正解:×

◆依頼者の一方から受け取ることのできる報酬の制限 ⇒ 居住用建物の貸借

 当事者の双方から依頼された場合,居住の用に供する建物の賃貸借の媒介では,依頼者の一方から受け取ることができる報酬の額は,媒介の依頼を受けるに当たって依頼者の承諾を得ている場合を除いて,借賃の1月分の0.525倍以内という制限がありますが,

 居住用ではない建物の貸借や宅地の貸借の場合には,この制限はありません

 KEY 

居住の用に供する建物の賃貸借の媒介で,依頼者の一方から受け取る報酬

依頼者の承諾を得ている場合を除いて,借賃の1月分の0.525倍以内

 −  居住用
 建物
 非居住用
 建物
 宅地
 (i) 依頼者の双方から受け取ることができる報酬
 は,当該物件の借賃の1月分の1.05倍以内
   権利金の授受があるときは
  (i),(iii)の選択
 (ii) 依頼者の一方から受け取ることができる報酬
 は,承諾を得ている場合を除いて,
 借賃の1月分の0.525倍以内
   ×
 (iii) 権利金の授受がある場合,当該権利金の額を
 売買に係る代金の額とみなして,売買に関する
 報酬の規定を適用できる。
 ×  権利金の授受があるときは
  (i),(iii)の選択


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