税法その他 実戦篇
土地の過去問アーカイブス 平成17年・問50
旧河道・切土斜面・地盤と基礎の支持力・台地
造成された宅地及び擁壁に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(平成17年・問50) |
1.「盛土をする場合には、地表水の浸透により、地盤にゆるみ、沈下又は崩壊が生じないように締め固める。」 |
2.「切土又は盛土したがけ面の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は練積み造とする。」 |
3.「擁壁の背面の排水をよくするために、耐水材料での水抜き穴を設け、その周辺には砂利等の透水層を設ける。」 |
4.「造成して平坦になった宅地では、一般に盛土部分に比べて切土部分で地盤沈下量が大きくなる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
●Comments |
本問題では,<宅地造成等規制区域内等の設定>ではありませんが,肢1〜肢3は,『宅地造成工事規制区域での宅地造成に関する工事の技術的基準』(宅地造成等規制法施行令),『開発許可基準の技術的細目』(都市計画法施行令)の規定からの出題になっています。 |
1.「盛土をする場合には、地表水の浸透により、地盤にゆるみ、沈下又は崩壊が生じないように締め固める。」 |
【正解:○】 ◆盛土での締固め 盛土をする場合には,盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水の浸透によるゆるみ,沈下又は崩壊が生じないように締固めその他の措置を講じなければなりません。(宅地造成等規制法9条1項,宅地造成等規制法施行令4条3項)。 ●都市計画法でも,地盤の軟弱な土地,がけ崩れ又は出水の恐れが多い土地その他これに類する土地での開発許可基準の技術的細目として,上記と同様のものが政令で定められています(都市計画法33条1項7号,同33条2項,施行令28条4号)。 |
2.「切土又は盛土したがけ面の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は練積み造とする。」 |
【正解:○】 ◆がけ面での擁壁の構造 切土又は盛土をした土地の部分に生ずるがけ面は,擁壁でおおい,設置する擁壁は,鉄筋コンクリート造,無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとしなければなりません(宅地造成等規制法施行令6条)。 |
3.「擁壁の背面の排水をよくするために、耐水材料での水抜き穴を設け、その周辺には砂利等の透水層を設ける。」 |
【正解:○】 ◆擁壁の水抜き穴と透水層 排水措置をしていないと擁壁が崩壊する可能性があります。 設置する擁壁には,その裏面の排水をよくするため,壁面の面積3平方メートル以内ごとに少なくとも一個の内径が7.5センチメートル以上の陶管その他これに類する耐水材料を用いた水抜穴を設け,擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な場所には,砂利等の透水層を設けなければなりません(宅地造成等規制法施行令10条)。 |
4.「造成して平坦になった宅地では、一般に盛土部分に比べて切土部分で地盤沈下量が大きくなる。」 |
【正解:×】 ◆切土と盛土の地盤沈下量の違い 切土部分と盛土部分では沈下量が異なっています。盛土部分の場合は,盛土そのものの自重によって十分に地盤が締まるまでは沈下していく量は切土部分に比べて大きいのです。 切土ではもともと締め固まっていた土地の表層を削りとるのに対して,盛土ではもともとの地盤の上に他から土をもってきて盛るために,沈下量の違いが生じます。 【不等沈下の出題例】平成3年・問1・肢4, |