税法その他 実戦篇
所得税の過去問アーカイブス 平成19年・問26
特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例
租税特別措置法第36条の2の特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(平成19年・問26) |
1 譲渡資産とされる家屋については、その譲渡に係る対価の額が5,000万円以下であることが、適用要件とされている。 |
2 買換資産とされる家屋については、譲渡資産の譲渡をした日からその譲渡をした日の属する年の12月31日までに取得をしたものであることが、適用要件とされている。 |
3 譲渡資産とされる家屋については、その譲渡をした日の属する年の1月1日における所有期間が5年を超えるものであることが、適用要件とされている。 |
4 買換資産とされる家屋については、その床面積のうち自己の居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上のものであることが、適用要件とされている。 |
<コメント> |
買換資産の床面積要件は,戸建の家屋の場合,従来の上限<280平方メートル以下>が改正により撤廃されています。正答率60%というのは,改正対策をしていなかった受験者が多かったものと思われます。 |
●出題論点● |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
正答率 | 60.2% |
1 譲渡資産とされる家屋については、その譲渡に係る対価の額が5,000万円以下であることが、適用要件とされている。(平成22、24年、26度の改正点) |
【正解:×】 ◆譲渡資産の価額要件は1億円以下 譲渡資産については,譲渡に係る対価の合計額が1億円以下であることが要件になっています。対価の額が5,000万円以下ではありません(租税特別措置法36条の2)。 ▼正確には,譲渡資産を譲渡した年の前年,前々年,譲渡した年及びその翌年,翌々年に、譲渡した住宅と一体として利用していた土地やその権利や家屋を譲渡した場合には,譲渡資産の譲渡対価の合計額が1億円を超えるとき,特例は適用されません。 |
2 買換資産とされる家屋については、譲渡資産の譲渡をした日からその譲渡をした日の属する年の12月31日までに取得をしたものであることが、適用要件とされている。 |
【正解:×】 ◆買換資産の取得期間制限 買換資産は,譲渡資産の『譲渡年の前年〜譲渡年〜譲渡年の翌年』に取得した家屋であれば,買換え特例が適用されます(租税特別措置法36条の2)。 本肢は,「買換資産は,譲渡年の12月31日までに取得」としているので,誤りです。 ▼居住期限 (取得期間制限とともに満たさなければならない) 買換資産の取得の日から譲渡資産の譲渡年の翌年の12月31日までに居住の用に供したとき,または,供する見込みのとき |
3 譲渡資産とされる家屋については、その譲渡をした日の属する年の1月1日における所有期間が5年を超えるものであることが、適用要件とされている。 |
【正解:×】 ◆譲渡資産の所有期間 譲渡資産とされる家屋は,譲渡年の1月1日の所有期間が10年超(かつ,居住期間が10年以上)でなければならないので(租税特別措置法36条の2),所有期間5年超とする本肢は誤りです。 |
4 買換資産とされる家屋については、その床面積のうち自己の居住の用に供する部分の床面積が50平方メートル以上のものであることが、適用要件とされている。 |
【正解:○】 ◆買換資産の面積要件 買換資産となる家屋の居住の用に供する部分の床面積は50平方メートル以上なので,本肢は正しい記述です(租税特別措置法施行令24条の2第3項第1号イ)。 ▼買換資産となる家屋の敷地の用に供する土地の面積は,500平方メートル以下(租税特別措置法施行令24条の2第3項第2号)。 |
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