不動産の鑑定評価手法とその適用方法及びそれによって求められる試算価格又は試算賃料についての用語に関する次の組合せのうち，正しいのはどれか。(昭和47年)

【正解：○】

◆取引事例比較法

　不動産の価格を求める『取引事例比較法』とは，まず取引事例を収集して適切な事例を選択し，これらの取引価格に必要に応じて事情補正・時点修正を行い，かつ，地域要因の比較や個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量して対象不動産の試算価格〔比準価格〕を求める手法です。

　本肢では，適用方法・求められる試算価格とも正しいので，正解肢になります。

【正解：×】

◆収益分析法

　不動産の新規賃料を求める『収益分析法』とは，一般の企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産が一定期間に生み出すであろうと期待される純収益〔減価償却後のものとし，これを収益純賃料という〕を求め，これに必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料〔収益賃料〕を求める手法です。

　本肢は，適用方法は正しいのですが，求められる試算賃料が積算法の「積算賃料」となっていて誤りなので，×になります。

【正解：×】

◆収益還元法

　不動産の価格を求める『収益還元法』とは，対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることによりまず取引事例を収集して適切な事例を選択し，これらの取引価格に必要に応じて事情補正・時点修正を行い，かつ，地域要因の比較や個別的要因の比較対象不動産の試算価格〔収益価格〕を求める手法です。

　本肢は，求められる試算価格は正しいのですが，適用方法が「長期預金の金利で還元」となっていて誤りなので，×になります。

【正解：×】

◆積算法

　不動産の新規賃料を求める『積算法』とは，対象不動産について，価格時点における基礎価格を求め，これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して，対象不動産の試算賃料〔積算賃料〕を求める手法です。

　本肢は，適用方法は正しいのですが，求められる試算価格が『不動産の価格を求める積算法』で求める「積算価格」になっていて誤りので，×になります。