税法その他 実戦篇

不動産鑑定評価基準の過去問アーカイブス 昭和59年・問34 取引事例


次の記述のうち,不動産鑑定評価の取引事例比較法において選択する取引事例として適切でないものはどれか。(昭和59年・問34)

1.「近隣地域又は同一需給圏内の類似地域にあるもの」

2.「形状,日照等個別的要因の比較が可能なもの」

3.「多少古い事例であって,時点修正ができるもの」

4.「隣接地にあって,取引価格に影響を及ぼす特殊な事情を含むもの」

【正解】

・・・適切なもの
×・・・適切でないもの

×

 近隣地域に適切な取引事例が存しない場合には,事例収集の地理的範囲を拡大するのが通常である。一次的には近隣地域周辺の類似地域に求めることとなり,さらに広域的に同一需給圏内の類似地域へとその範囲を拡大することにより取引事例を収集することとなる。また,必要に応じ,地域的特性の異なる周辺地域の取引事例を参考とすることもある。

 (不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(案)・事例の収集について)

【正解:

◆取引事例の選択

 隣接地にあっても,取引価格に影響を及ぼす特殊な事情を含むものは適切な補正を行うとされているので,肢4が絶対にダメとはいいきれないのですが,この4肢の中で,取引事例として適切でないものとすると消去法で肢4になります。

●関連出題

 「特殊事情のある事例でもその具体的な状況が判明しており、補正できるものであれば採用することができるが,投機的取引であると認められる事例は採用できない。」(平成10年・問29・肢1) ; 正解・○

取引事例の選択

原則 近隣地域又は同一需給圏内の類似地域に

存する不動産のうちから選択

必要やむをえない場合 近隣地域の周辺の地域に存する不動産から選択
対象不動産の最有効使用が
標準的使用と異なる場合
同一需給圏内の代替競争不動産から選択

 取引事例は,原則として近隣地域又は同一需給圏内の類似地域に存する不動産のうちから選択しますが,必要やむをえない場合には近隣地域の周辺の地域に存する不動産から選択し,対象不動産の最有効使用が標準的使用と異なる場合には,同一需給圏内の代替競争不動産から選択します。このほかには,次の要件のすべてを備えていなければいけません。

 取引事情が正常なものと認められるものであること
又は,正常なものに補正することができるものであること。
 時点修正をすることが可能なものであること。
 地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものであること。

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