宅建試験
法改正情報 レポートNo.4 |
民法改正・抵当権者の同意の登記 |
●平成16年4月1日施行 ⇒ 民法改正の概容 ⇒ 短期賃貸借に関する経過措置
●民法改正●抵当権設定後の賃貸借についての抵当権者の同意の登記 |
●Question● 抵当権者の同意の登記とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。 ●Answer● 抵当権設定後の抵当権者の同意の登記については,平成15年12月25日に,法務省民事局長の通達として,全国の法務局長・地方法務局長に通達が出ています。 それによると,抵当権者の同意の登記は,『賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記』として独立の主登記によるものとされ, 登記権利者=賃借権者,登記義務者=総先順位抵当権者 とする共同申請 によるものとされています。 また,この同意の登記により不利益を受ける利害関係人〔転抵当権者など〕がいる場合は,同意の登記申請時にその承諾を証する書面も添付書類として提出しなければいけません。(民法387条2項,不動産登記法35条1項4号による。) <不動産登記法 第35条・第1項> 4.登記原因に付き第三者の許可、同意又は承諾を要するときは なお,同意の登記の登録免許税は,賃借権及び抵当権1件につき \1,000となっています。〔ちなみに,賃借権の登記の登録免許税は,評価額の5/1000(ただし,平成18年4月1日以降は 10/1000)〕 イメージとしては,登記簿の乙区に, ・抵当権設定登記 ・賃借権の登記 ・賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記 この順番に並んでいるものとお考えください。 ●同意の登記後の権利内容・賃借権の帰属の変更について ≪宅建試験でここまで要求されるかどうかは疑問ですが,念のため,掲載します。≫ 同意の登記後に,賃借権の権利内容の変更や賃借権の譲渡があった場合についても,抵当権者や競売の買受人に対抗するには以下のものが必要だとされています。 ■(同意の登記後の)賃借権の登記についての変更登記 同意の登記後の賃貸借の権利内容の変動〔賃料の減額・敷金の増額等〕については, 利害関係人の承諾があれば附記登記,(前掲通達,不動産登記法 第56条第1項) →変更内容は,抵当権者などの利害関係人の承諾があれば競落人に承継されるが,承諾がなければ承継されない。 <不動産登記法 第56条第1項> ⇒ 過去問で出題例あり。 尚権利の変更の登記に付き利害の関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人 ■同意の登記後の賃借権の譲渡 同意の登記後に,賃借権の譲渡〔賃借人が替わる〕があった場合は,次のような登記が必要だと現在では考えられています。 賃借権移転附記登記 (同意の登記をした抵当権者が承諾した場合) 〔同意の登記後に新たに抵当権が設定されて,新たな抵当権者が出現したとき |
【抵当権者の同意の登記の記載例】
【乙 区】 (所有権以外の権利に関する事項) | ||||
【順位番号】 | 【登記の目的】 | 【受付年月日・ 受付番号】 |
【原因】 | 【権利者 その他の事項】 |
1 | 抵当権設定 | 平成16年1月26日
第○号 |
平成16年1月23日 金銭消費貸借 同日設定 |
債権額 利息 損害金 債務者 抵当権者 |
2 | 賃借権設定 | 平成16年5月13日
第△号 |
平成16年5月12日 設定 |
借賃 支払期日 存続期間 敷金 特約 賃借権者 |
3 | 2番賃借権 の先順位 抵当権に 優先する 同意 |
平成16年5月18日
第□号 |
平成16年5月14日 同意 |
⇒ 民法改正の概容 ⇒ 短期賃貸借に関する経過措置
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