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 テキスト・ミシュラン
らくらく宅建塾」の活用法

                        

法改正追録等のダウンロード〔PDF〕 この中の、「宅建塾シリーズ」

どの本屋さんでも、宅建関係の書籍では、売上No.1を誇るベストセラー。
毀誉褒貶が激しいが、全く役に立たないと断言する人もいません。やはり、
それなりに他の本にない長所があるためと思われますが、活用法を知らな
いとせっかくの良書も学習効果が引き出せません。

今回の「テキスト・ミシュラン」では、この日本で一番売れている宅建基本書を
さまざまな角度から解剖し、「らくらく宅建塾」をお使いの受験者の方がこの本
から最大限の学習効果を引き出すヒントになれば、とまとめてみました。

シリーズの構成   → 週刊住宅新聞社  

   シリーズの構成
基本書 一発合格
らくらく宅建塾
類書に比べ、民法がコンパクトでわかりやすいのが特色
イラストや余白が目立つが、書き込みができるメリットも。
まとめ まる覚え宅建塾 らくらくの簡略版
過去問 過去問宅建塾

(壱・弐・参)

小単元ごとに分類。条文を使わずに、コンパクトに解答。
'02年版より、3分冊問題数を増量し、学習チェック
ページで、弱点補強や進度もチェックできる。
よく対比されるLECのウォーク問が3巻で約500問。
演習書 ○×宅建塾・ 一問一答式の問題集。
演習書 ズバ予想宅建塾・
分野別編
問題数は260問前後。シリーズの中では補充知識が
一番多く、過去問・新作問題から構成されている。

予想問 ズバ予想宅建塾・
模試編
50問×6回分。シリーズ合わせて全部で1000問程度
極端な難問はなく、オーソドックスな問題が多い。
ズバ予想宅建塾・
直前模試編
50問×2回分。法改正対策のページ狙いで買う人も
多い。本試験の大胆予想・小問ドリル・暗記カードも。
改正法対策のページは、要点+予想問題の構成。
DVD

佐藤孝宅建 内容としては、まる覚え宅建塾をさらに簡略したもの
これで学習すると言うよりは、動機付け・入門編。

▼発行時期については、→ 週刊住宅新聞社 → 出版物のお問合せ

   関連する通信講座
 通信講座としてビデオ講座『超完璧講座』、カセット『宅建塾通信カセット講座』がある。→通信講座

 テキストは、らくらく宅建塾だが、中身は「らくらく宅建塾」とは別物と考えたほうがいい。
らくらくとは違う視点や解法テクニックを講義で話し、次々にテキストの余白を埋めさせ、資料、講義ごとの小テストなども学習効果を高める。ビデオ講座とらくらく宅建塾が同じ内容だったら、宅建学院のこれだけの隆盛はない。

らくらく宅建塾の各単元についてのコメント

各単元別のポイント
権利
関係
民法総則 類書と比べ、意思表示・代理の所が詳しい。らくらくの隠れた
長所。時効・相続・債務不履行・解除も焦点を絞って解説し、
試験頻出事項をすばやくマスターできる。
物権・債権 問題を解く視点から、解説しているのでわかりやすい。
その他の事項 出題傾向を踏まえて、ミニマム・エッセンス。
借地借家法 ここも隠れた長所。債権や物権とのカラミを的確に連結。
不動産登記法 不登法は膨大な量であり、司法書士・調査士の受験生でも
不登法全領域をマスターする人はいないと言われる。頻出
項目を精選してまとめている
区分所有法 要点を押さえている。
宅建
業法
ここの内容は類書と大差がない。わかりやすくまとめている。間違いやすい点も表
にするなど工夫がある。らくらくの中では、叙述が一番安定している。
法令上
の制限
必要最小限のレベルを明示し、正に出題頻度の高いものを印象に残るように
解説。ここは下手に調べると泥沼になる所だけに、好感が持てる。
税法
その他
要点をコンパクトにまとめてある「鑑定・評価」「土地・建物」「税法」は、類書同
様に独力で調べる必要がある。
必要最小限のレベルを明示した所に、価値が
ある。ただ、できれば「統計」のデータ分析(傾向と対策参照)程度は欲しかった。

▼らくらく宅建塾+他の基本書

らくらくは、「中身が薄い」と言われるが、実は意外に詳しい面も持つ。「意思表示・代理・借
地借家法」などでは、類書より詳しい記述量・わかりやすさを誇る。(例えば、無権代理と相続
は他の基本書では一部記載。) ほかのテキストについては、学習ツールガイダンス参照。

    意思表示 代理 無権代理と相続 借地借家法
らくらく宅建塾  p.17  p.18  p.2 p.32
パーフェクト  p.8  p.10  p.1 p.25

借地借家法は、らくらくの場合、債権・物権も一部混じる為、厳密な比較はできません。

らくらくは、語呂合わせが有名だが、実は民法のわかりやすさは類書より秀逸で、ここが
ベストセラーになっている所以と考えられます。問題を解く視点でまとめているのがGOOD!。

「宅建業法」のところは記述量も他の本と比べ,極端な大差はない。
(パーフェクトp.163/らくらくp.116)

記述量が少ないのは、「不動産登記法」、「法令上の制限」、「税法その他」があるが、重要な
項目はほとんど掲載してある上、「不動産登記法」、「税法その他(税法以外)」は類書もらくらく
と比較して特に詳しいわけでもない。(不動産登記法 パーフェクトp.21 /らくらくp.20)

記述量が確かに少ないと言えるのは、「法令上の制限」(特に、都市計画法)。シリーズの「過
去問宅建塾」で補うにしても断片的に覚えることになるので、一度は他の本で補完する
必要がある。(都市計画法 パーフェクトp.69/らくらくp.25)
(建築基準法 パーフェクトp.58/らくらくp.36)
(国土利用計画法 パーフェクトp.16/らくらくp.8)
都市計画法は基本書によって情報量は千差万別であることに注意。

(らくらくは記述量が少ないと言うのは一種の神話で、らくらくよりページ数も少なく、記述量も
少ない本は結構ある。)

(他の本には出ているのにらくらくに記載のない箇所というのは気になるが、どの本でも1つ
や2つは抜けているものはあるので、気にすることはありません。)

(らくらくの補充用にもうひとつテキストを揃えるとすると、条文の説明があること単元ごとに
詳しく載っていること、などが選択する上での着目点になる。その意味では限られる。)

らくらく補充用のテキストの例
パーフェクト
(住宅新報社)
複数の執筆者で目の行き届いた、正にPerfectの名に
値する基本書。辞書代わりに買う人も多い
昭和に出題された内容も収録している。
どこでも宅建とらの巻
(LEC)
LECの「ウルトラ速習35時間完成講座」のテキスト。
7月以降にLEC各校で販売。出る順のエッセンスを
まとめたもの。
平成13,14年は、フルカラーでCD-ROM付きだった。
条文の言葉を用いてコンパクトにまとめている
出る順(LEC)
宅建ポイントマスター(TAC)
この2つは、いわば宅建の百科事典的な色彩をもつ。
宅建六法(住宅新報社) 条文の確認用。民法では、判例も解説。
口語民法(自由国民社) 宅建専用ではないが、民法をわかりやすく、判例・事例を
含めて解説。
予備校でも、副教材にしているところがあります。

民法が現代語化されたといっても条文そのままでは

決してわかりやすいとは言えないので役に立ちます。

※上記のほかには,
うかるぞ宅建(週刊住宅新聞社)などがある。

ちなみに、らくらく宅建塾を使う学習法には、以下の3パターンがあるようです。

1 らくらくシリーズだけで学習 (一番オーソドックスな方法。時間もかからない。)

2 らくらく宅建塾をメインに、他の基本書で補足しながら学習。

3 他の基本書をメインに、らくらく宅建塾で輪郭をつかむ。

いつ、らくらくの補充をするべきか

 学習プランを上の2で進める場合、次の2つの方法が考えられます。
どちらにしても、本試験では満点をとる必要はなく、8割弱をとればいいので、らくらくに
出ていない箇所に余り神経質になる必要はありません。シリーズの過去問宅建塾などで
補完することもできます。

単元ごとに補充

 時間がある人向け。小単元ごとに、 らくらく→補充→過去問・分野別のユニットで組
んで微調整。学習効果は高いが、時間がかかるのが難点。時間的には、これだけで300時間程度になる。じっくり、かみ締めながら学ぶスタイルが好きな人向け。万人向けではない。

 気になった小単元だけ補充するのも一つの方法。これだとそんなに負担はない。

らくらく終了後に補充

 早めに、らくらく→過去問・分野別を終わらせ、らくらくをマスターしたところで、一気
に必要な箇所を通読。(全部の単元を補充用テキストで読むのは時間的に無理)

▼らくらく宅建塾の特色−コンパクトに整理されている

 『らくらく宅建塾』(週間住宅新聞社)は、一般的には、初心者にはわかりやすく、中級者には、重要事項をまとめやすいと言われています。

わかりやすさ

とっつきやすい。条文が一切出てこないので読みやすい。
問題を解くのに必要なまとめを随所に図表化している。
わかりにくい項目も表で対照化させて理解を促進させている。

視覚的な効果を

考えたページ構成

ゴロ合わせ(中でも、瑕疵担保責任が秀逸)や図表でのまとめで、
モチベーションの低下を防ぎ、イラストや余白があることで心理的
に、「要点だけをつかんだ」という達成感を与える。

学習内容の分類

学習の困難な箇所、出題頻度の少ない箇所にはその旨の表示
がしてある。

叙述のメリハリ

金太郎飴のように、どこも均一な叙述ではなく、ベーシックな所
では徹底解説
、逆に煩雑な箇所・理解困難・出題頻度の低い
ところではバッサリ学習項目を切り捨て、内容を絞ってある。

シリーズの役割分担

らくらくで重要点を覚えて、シリーズの本で微調整する仕組み。
基本書がわかりやすいだけでなく、得点力の形成について
考え抜かれた正にプロのシリーズ。

▼らくらくの問題点と対処方法《個人的な、私見によるコメント》

らくらくの場合、メリットはウィーク・ポイントにもなっています。このウィーク・ポイントに
どのように対処するかが、らくらくの読者に工夫が要求されているところです。
ウィーク・ポイントはどの本でもありますので、これでらくらくを基本書に選ばないという
理由にはなりません。らくらくはウィークポイント以上にメリットが大きく、読者の利便性
を考え抜いて作られているからです。

1) コンパクトさ

シリーズの問題集で補足するのを前提。そのため、らくらくでは体系的に知

識が頭に入っても、シリーズの問題集で補足するときに断片的な知識の収集

なって逆に、らくらくで覚えた体系が崩れてしまうことがある。

(ビデオ講座では、相当な量を書き込ませているだけでなく、問題を整理する視点も提示している。これは単に知識量を増やすだけでは不十分であることを示している。)

【対処】シリーズの問題集、らくらく本体とも、サブ・ノート、カードなどで

    まとめ直す。(必要な箇所だけまとめる。全部の単元では無理)

上級者の知識のまとめにも役立つが、簡略化している。

【対処】他の基本書で、 知識を補充し確認する。シリーズの問題集で補充する。

簡略化するのは知識導入時期では役に立つが、本試験受験時も同じ定義・知識量では思い違いをする危険性がある。学習が進み、慣れてきて、知識を補充したら、らくらくで学んだことと合わせて総合的に知識・定義を立体化・相対化させる必要がある

中級者はこの切り替えができるが、初学者の場合、知識導入時期の定義・知識量のまま、受験に望むことが多く、思ったように得点できないことがある。

らくらくには余白があるので、余白に必要なこと、気になったことを書き込んでいくと、自分だけのサブノートにもなる。過去問集などで知識を注入したらすぐに書き込むようにすると、知らない間に知識が立体化されていきます。

わかりやすくするため、法令の条文そのものがほとんど出てこないので、問

題を解くときに違和感がすることがある。

学習するときに初めから条文を見ても、初学者では学習は困難なものになる。この意味で、基本書に条文を出さないのも一つの見識。しかし、宅建の試験では条文の中の言葉・用語で出題されている為、過去問を解くときに違和感を感じ、問題が解きにくいということがある。

【対処】

これは、らくらくだけでなく、やさしく書かれているテキスト全てに共通する点

不動産・宅建関連の法令集や他の基本書での条文の確認が必要。また、問題演習の量を増やすことでも対処できる。


2) 語呂合せ・図表による暗記

らくらくでは、わかりやすい図表と共に語呂合せが掲載されており、理解を

助けたり、問題を解くのに役立っています。ただ反面、暗記に頼る学習となり、

自分で情報を収集する習慣や法の趣旨を考える力の養成に若干、齟齬をきたす

という面があります。

【対策】らくらくを使う学習者には、覚えたことだけで満足しないで、
自分でさらにまとめなおしたり、他の基本書に当たって知識を深めたりする

作業が必要と思われます。(これはらくらくだけに限りません。一つの基本書だけで
宅建試験の過去問に出題された項目を全てカバーしているものはないからです。)

総合的に知識・定義を立体化・相対化させる必要。   


3) 改正法・統計・税法その他などの記述

改正法対策として、修正目録が送られてくるが、やはり不十分。

【対処】『ズバ予想宅建塾・直前対策編』では改正法が詳述されているので、それで補うようになっています。(→改正法レポート参照)
当サイトの改正法レポートも是非ご覧下さい。今年だけでなく、一昨年・昨年の改正も、扱っています。

統計は編集する時期の関係(前年の10月)で最新のデータは掲載不可能だが、

せめて本試験での統計のデータの分類くらいは欲しかった。

【対策】学習者は、自力で資料収集するしかない。(→統計出題予想データ参照)

統計データは、当サイト掲載の統計出題予想データで大丈夫ですから、ご心配なく。 

統計問題は、各資格試験予備校の自己採点集計でも近年は正答率が高く,もはや"点取り問題"になっている。統計の基本的なデータは受験者の間に定着しつつあると見ていい。

税法その他は、鑑定・評価、税法、土地・建物のところの記述が少ない
【対策】他の基本書で調べたり、資料収集する必要あり。もっとも、税法以外の部分は、他の基本書も似たようなもの。過去問にあたるくらいしか対処のしようがない分野でもある。(宅建以外の資格試験用の教材を使う手もあるが、知識量が膨大すぎる)

総括 「らくらく」は、シリーズの問題集で補ったり、ビデオ・カセット講座のテキストになっているのでそれで補足するのを前提にしています。

したがって、これまであげた点は、シリーズの過去問宅建塾・ズバ予想宅建塾を活用したり、ビデオ・カセット講座(宅建天国は除く)などで学習すれば、問題はないと思われますが、らくらく宅建塾単独で学習の場合、大なり小なり、学習者が自力で補うというのはやむを得ないことかもしれません。その点に読者の個性があるのではないでしょうか。 

 宅建の受験学習において、基本書の果たす役割は大きいと思います。

 独力で調べようとすれば、民法では、条文のほかに事例・判例不動産登記法では登記令・施行規則・準則・先例法令上の制限では施行令・施行規則・各省庁の通達 など、試験範囲になっているものでも膨大な量になります。宅建業法も、法律の条文だけでは、不十分です。法律には、解釈が異なるケースがあり、出題されるのは、国土交通省、試験実施団体の見解です

 基本書には、学習者が独力で調べる場合の労力を軽減し、頻出重要項目を整理した上で学習者に提示するという重要な役割があります。逆に言えば、基本書には試験範囲全て収録するのはできません。改正法などでは編集の時期の問題もあり、また、編集者の重要・頻出という判断基準も基本書によって異なります。宅建では、満点を取る必要はないので、基本書に無いものは学習者の選択に任されています。

 学習者としては、基本書のこの役割を理解した上で、自分なりに工夫することが要求されていると思われます。一つの基本書に全てを期待するのではなく、学習している基本書の持ち味に応じた対処・工夫をする、ということです。

 らくらく宅建塾の場合、コンパクト・親切に整理されていることが最大の強みですが、学習者も、らくらくでつかんだ重要点を核にして積極的に知識を求め、再整理するという受身ではなくアクティブに活用することが求められていると思われます。

 らくらく宅建塾の著者である佐藤孝先生も、「自分の頭で考える力(知識ではなく知力)が必要」とおっしゃっています。らくらくをお使いの学習者の方は、らくらくをベースに自分なりの方法で、らくらくを肉付けするということではないかと思います


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