宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成6年・問35
免許の申請・専任主任者の法定設置数・免許の基準(欠格要件)
A社 (主たる事務所を甲県に,従たる事務所を乙県に設けて,甲県及び乙県で宅地建物取引業を行うために,新設された会社である。) の宅地建物取引業の免許の申請に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。(平成6年・問35) |
1.「A社は,国土交通大臣の免許を受けなければならないが,その申請の際,登録免許税9万円を納めなければならない。」 |
2.「A社が免許の申請書を提出するにあたって,重要な事項について虚偽の記載をしたときは,A社は,免許を受けることができない。」 |
3.「A社の主たる事務所に従事する者が16名(営業14名,一般管理部門2名),従たる事務所に従事する者が5名である場合,A社は,専任の宅地建物取引主任者を,少なくとも,主たる事務所にあっては4名,従たる事務所にあっては 1名置かなければ,免許を受けることができない。」 |
4.「A社の免許申請の直前に,A社の代表取締役が道路交通法に違反して罰金の刑に処せられた場合,A社は,免許を受けることができない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「A社は,国土交通大臣の免許を受けなければならないが,その申請の際,登録免許税9万円を納めなければならない。」 |
【正解:○】 ◆国土交通大臣免許申請での登録免許税 国土交通大臣免許の申請では,登録免許税として9万円を納付しなければなりません(宅建業法3条6項)。 ▼国土交通大臣免許の更新の申請での免許手数料は33,000円で,収入印紙33,000円(消印無効)で納付します(宅建業法施行令2条1項,2項)。 ▼都道府県知事免許の申請での手数料は,33,000円以内で(地方公共団体の手数料の標準に関する政令),各都道府県が条例で定めています。(証紙による納付が多い。) |
2.「A社が免許の申請書を提出するにあたって,重要な事項について虚偽の記載をしたときは,A社は,免許を受けることができない。」 |
【正解:○】 ◆虚偽記載 国土交通大臣又は都道府県知事は,免許申請書またはその添付書類中に,重要な事項について虚偽の記載があったり,重要な事実の記載が欠けている場合には,免許をしてはならないことになっています(宅建業法5条1項本文)。 |
3.「A社の主たる事務所に従事する者が16名(営業14名,一般管理部門2名),従たる事務所に従事する者が5名である場合,A社は,専任の宅地建物取引主任者を,少なくとも,主たる事務所にあっては4名,従たる事務所にあっては 1名置かなければ,免許を受けることができない。」 |
【正解:○】 ◆取引主任者の法定設置数 国土交通大臣又は都道府県知事は,取引主任者の設置基準〔従事者5人に1人以上取引主任者を置かなければならない。〕を満たしていない場合,免許をしてはならないことになっています(宅建業法5条1項9号,15条1項)。 A社の主たる事務所での従事者数は16名ですから,16÷5=3余り1により,取引主任者は少なくとも4人置かなければなりません。 また,従たる事務所での従事者数は5名ですから,5÷5=1により,取引主任者は1人置けばよいことになります。 |
4.「A社の免許申請の直前に,A社の代表取締役が道路交通法に違反して罰金の刑に処せられた場合,A社は,免許を受けることができない。」 |
【正解:×】 ◆欠格要件になる罰金刑 罰金刑を受けたときに欠格要件になるものがありますが(欄外参照,宅建業法5条1項3号の2,7号),A社の代表取締役が道路交通法に違反しての罰金刑の場合は免許の欠格要件にはならないので,A社は,免許を受けることができます。 |
●罰金刑で欠格要件になるもの | |
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