宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成6年・問38 事務所の新設・廃止・変更
廃業の届出・変更の届出・免許換え
宅地建物取引業者Aが事務所の廃止,新設等を行う場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。(平成6年・問38) |
1.「甲県知事の免許を受けているA (事務所数 1) が,甲県の事務所を廃止し,乙県に事務所を新設して,引き続き宅地建物取引業を営もうとする場合,Aは甲県知事を経由して,乙県知事に免許換えの申請をしなければならない。」 |
2.「甲県知事の免許を受けているA (事務所数 1) が,事務所を廃止し,又は甲県内で増設した場合,Aは,甲県知事に,それぞれ,廃業の届出又は変更の届出をしなければならない。」 |
3.「国土交通大臣の免許を受けているA (事務所数2) が,甲県の従たる事務所を廃止し,乙県の主たる事務所だけにした場合,Aは,乙県知事に,直接免許換えの申請をしなければならない。」 |
4.「国土交通大臣の免許を受けているA (事務所数2) が,甲県の主たる事務所を従たる事務所に,乙県の従たる事務所を主たる事務所に,変更した場合,Aは,国土交通大臣に変更の届出をしなければならない。」 |
【正解】法改正により,正解変更
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | ○ | ○ |
●法改正による正誤逆転 |
出題当時の正解は3でしたが,平成12年施行の改正により,肢1と肢3の正誤が逆転し,現在の施行法令での正解は1になっています。 |
1.「甲県知事の免許を受けているA (事務所数 1) が,甲県の事務所を廃止し,乙県に事務所を新設して,引き続き宅地建物取引業を営もうとする場合,Aは甲県知事を経由して,乙県知事に免許換えの申請をしなければならない。」 |
【正解:×】 ◆甲県知事免許から乙県知事免許への免許換え 甲県知事免許業者が甲県内の事務所を廃止し,乙県内に事務所を新設するので, 甲県知事免許 → 乙県知事免許 に,免許換えを行うことになります。 この場合の免許換えは,乙県知事に直接申請するので,<甲県知事を経由して,乙県知事に免許換えの申請をしなければならない>とする本肢は誤りです(宅建業法7条1項2号,4条1項)。
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2.「甲県知事の免許を受けているA (事務所数 1) が,事務所を廃止し,又は甲県内で増設した場合,Aは,甲県知事に,それぞれ,廃業の届出又は変更の届出をしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆廃業の届出,変更の届出 事務所が一つしかない宅建業者〔甲県知事免許〕が主たる事務所を廃止したということは,宅建業を廃業することです。この場合は,廃業した日から30日以内に,免許権者である甲県知事に廃業の届出をしなければなりません(宅建業法11条1項5号)。 新たに従たる事務所を増設したときは,宅地建物取引業者名簿の登載事項〔事務所の名称及び所在地〕に変更を生じることになるので,30日以内に,変更の届出を甲県知事に廃業の届出をしなければなりません(宅建業法9条)。
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3.「国土交通大臣の免許を受けているA (事務所数2) が,甲県の従たる事務所を廃止し,乙県の主たる事務所だけにした場合,Aは,乙県知事に,直接免許換えの申請をしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆国土交通大臣免許から乙県知事免許への免許換え 国土交通大臣の免許を受けている宅建業者 (事務所数2) が,甲県の従たる事務所を廃止し,乙県の主たる事務所だけにした場合は,国土交通大臣免許から乙県知事免許に免許換えをすることになります。 この場合,乙県知事免許に直接免許換えを申請しなけばならないので,本肢は正しい記述です(宅建業法7条1項1号,4条1項)。 |
4.「国土交通大臣の免許を受けているA (事務所数2) が,甲県の主たる事務所を従たる事務所に,乙県の従たる事務所を主たる事務所に,変更した場合,Aは,国土交通大臣に変更の届出をしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆主たる事務所を変更 主たる事務所 : 甲県内 → 乙県内 従たる事務所 : 乙県内 → 甲県内 本肢の変更では,複数の都道府県に事務所を有することに変わりはないので,免許換えの必要はなく,変更の届出をすることになります。 宅建業者Aは30日以内に,乙県内の都道府県知事を経由して,国土交通大臣に変更の届出をしなければなりません(宅建業法9条,78条の3第1項)。 |
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