宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成8年・問37 免許の基準(欠格要件)
次に掲げる法人のうち,宅地建物取引業の免許を受けることができるものはどれか。(平成8年・問37) |
1.「A社 ―― その支店の代表者が,刑法の傷害罪で懲役1年執行猶予2年の刑に処せ られ,刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を満了した が,その満了の日から5年を経過していない。」 |
2.「B社 ―― その代表取締役が,刑法の暴行罪で罰金の略式命令を受け罰金を納付し |
3.「C社 ―― 不正の手段により宅地建物取引業の免許を受けたとして免許の取消処分 の聴聞を受けた後で,処分に係る決定前に,相当の理由なく宅地建物取引 業を廃止した旨の届出をしたが,その届出の日から5年を経過していない。」 |
4.「D社 ―― その取締役の1人で非常勤である者が,宅地建物取引業以外の業務に |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
できる | できない | できない | できない |
1.「A社 ―― その支店の代表者が,刑法の傷害罪で懲役1年執行猶予2年の刑に処せ られ,刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を満了した が,その満了の日から5年を経過していない。」 |
【正解:できる】 ◆執行猶予期間の満了 免許を申請する法人の<役員や政令で定める使用人>の中に, <宅建業法違反・一定の刑法の罪・暴力行為等による罰金刑,または,禁錮以上の刑に処せられ,執行猶予中の者>がいる場合は,国土交通大臣又は都道府県知事がその法人に免許をしてはならない欠格要件に該当しますが(宅建業法・5条1項3号,3号の2,7号), 執行猶予に処せられ,執行猶予期間が満了しているならば,<刑の言渡しの効力そのものが失われて,刑に処せられなかった>ことになるので(刑法27条),欠格要件には該当せず,執行猶予の満了日の翌日から免許を受けることができます。 ▼政令で定める使用人(施行令2条の2) 宅建業者の使用人で,宅建業法上の事務所〔主たる事務所・従たる事務所〕の代表者であるもの。
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2.「B社 ―― その代表取締役が,刑法の暴行罪で罰金の略式命令を受け罰金を納付し |
【正解:できない】 ◆暴行罪で罰金刑−免許の欠格要件 免許を申請する法人の<役員や政令で定める使用人>の中に, <宅建業法違反・一定の刑法の罪・暴力行為等による罰金刑,または,禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者> がいる場合は,国土交通大臣又は都道府県知事がその法人に免許をしてはならない欠格要件に該当します(宅建業法・5条1項3号,3号の2,7号)。 |
3.「C社 ―― 不正の手段により宅地建物取引業の免許を受けたとして免許の取消処分 の聴聞を受けた後で,処分に係る決定前に,相当の理由なく宅地建物取引 業を廃止した旨の届出をしたが,その届出の日から5年を経過していない。」 |
【正解:できない】 ◆免許取消に係る聴聞の告示後に,相当の理由なく宅建業を廃止−免許の欠格要件 免許を申請する法人の<役員や政令で定める使用人>の中に, <不正手段による免許の取得などを理由に免許の取消処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に相当の理由なく,廃業の届出があつた者で当該届出の日から5年を経過しないもの> がいる場合は,国土交通大臣又は都道府県知事がその法人に免許をしてはならない欠格要件に該当します(宅建業法・5条1項2号の2,7号)。 |
4.「D社 ―― その取締役の1人で非常勤である者が,宅地建物取引業以外の業務に |
【正解:できない】 ◆脅迫罪で罰金刑−免許の欠格要件 免許を申請する法人の<役員や政令で定める使用人>の中に, <宅建業法違反・一定の刑法の罪・暴力行為等による罰金刑,または,禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者> がいる場合は,国土交通大臣又は都道府県知事がその法人に免許をしてはならない欠格要件に該当します(宅建業法・5条1項3号,3号の2,7号)。 刑法の脅迫罪での罰金刑は,この欠格要件に該当するので,D社は免許を受けることができません。 |
●罰金刑で欠格要件になるもの | |
免許を申請する法人の<役員や政令で定める使用人>の中に,
がいる場合, その法人は欠格要件に該当し,国土交通大臣又は都道府県知事はその法人に免許をしてはいけません。(宅建業法・5条1項3号の2,7号) |
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