宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成9年・問31 免許の要否
宅地建物取引業の免許(以下「免許」という。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (平成9年・問31) |
1.「Aが,土地区画整理事業により換地として取得した宅地を10区画に区画割りして,不特定多数の者に対して売却する場合,Aは,免許を必要としない。」 |
2.「Bが,借金の返済に充てるため自己所有の宅地を10区画に区画割りして,多数のBの知人又は友人に対して売却する場合,Bは,免許を必要とする。」 |
3.「Cが,甲県の所有する宅地の売却の代理を甲県から依頼され,当該宅地を10区画に区画割りして,多数の公益法人に対して売却する場合,Cは,免許を必要としない。」 |
4.「Dが,1棟のマンション(10戸)を競売により取得し,自ら借主を募集し,多数の学生に対して賃貸する場合,Dは,免許を必要とする。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
▼宅地・・・(1)建物の敷地に供せられる土地。〔建物を建てる目的で取引される場合も含む。〕登記簿上の地目や現況の用途は関係ない。 (2)用途地域内で『政令で定める公共の用に供する施設〔道路・河川・水路・公園・広場〕の用に供せられている土地』以外の土地。登記簿上の地目は関係ない。政令で定める公共施設が計画されている予定地も宅地になる。 |
売買 or 交換 | 賃貸 | |
自ら当事者 | 免許が必要 | 免許は要らない |
媒介or 代理 | 免許が必要 | 免許が必要 |
1.「Aが,土地区画整理事業により換地として取得した宅地を10区画に区画割りして,不特定多数の者に対して売却する場合,Aは,免許を必要としない。」 |
【正解:×】 ◆不特定多数の者に売却 「土地区画整理事業により換地として取得した宅地」というのはブラフ。こういうものに惑わされてはいけません。 Aが,宅地を10区画に区画割りして,不特定多数の者に対して売却するので,宅建業に該当し,宅建業の免許が必要です。
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▼一回の販売行為・・・一回の販売行為として行われるものであっても,区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当する。 |
2.「Bが,借金の返済に充てるため自己所有の宅地を10区画に区画割りして,多数のBの知人又は友人に対して売却する場合,Bは,免許を必要とする。」 |
【正解:○】 ◆多数の知人・友人も不特定多数に該当する 知人や友人は「不特定多数」には該当しないのではと思ったら,出題者の術中にハマっています。知人や友人も「不特定多数」に該当します。 【対比】不特定多数とはみなされない場合 昭和63年・問35・肢4 Bの行為は宅建業に該当し,宅建業の免許が必要です。
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3.「Cが,甲県の所有する宅地の売却の代理を甲県から依頼され,当該宅地を10区画に区画割りして,多数の公益法人に対して売却する場合,Cは,免許を必要としない。」 |
【正解:×】 ◆売却の相手が公益法人 都道府県から宅地の売却の代理を依頼された場合や売却するのが複数の公益法人である場合でも,宅地建物の売買の代理を業として行うことに変わりはなく,宅建業に該当し,宅建業の免許が必要です。
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4.「Dが,1棟のマンション(10戸)を競売により取得し,自ら借主を募集し,多数の学生に対して賃貸する場合,Dは,免許を必要とする。」 |
【正解:×】 ◆自ら賃貸は宅建業に該当しない 自ら当事者として宅地や建物を賃貸するのは宅建業には該当しないので,宅建業の免許を必要としません。
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