宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成15年・問31 免許基準(欠格要件)法人の役員
宅地建物取引業法に規定する免許の基準に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成15年・問31) |
1.「 法人の役員のうちに刑法第159条(私文書偽造等)の罪を犯したことにより,罰金の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,刑の執行後5年を経過すれば,免許を受けることができる。」 |
2.「法人の役員のうちに刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪により3年間の懲役の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,判決に執行猶予がついていれば,直ちに免許を受けることができる。 」 |
3.「法人の役員のうちに宅地建物取引業法の規定に違反して,懲役の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,罰金の刑であれば,直ちに免許を受けることができる。 」 |
4.「法人の役員のうちに刑法第204条(傷害)の罪を犯したことによる罰金の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,刑の執行後5年を経過すれば,免許を受けることができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
1.「 法人の役員のうちに刑法第159条(私文書偽造等)の罪を犯したことにより,罰金の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,刑の執行後5年を経過すれば,免許を受けることができる。」 |
【正解:×】 ◆役員が私文書偽造等の罪により罰金刑 刑法第159条(私文書偽造等)の罪により罰金刑に処せられても,免許の欠格要件には該当せず,刑の執行後5年を経過しなくても,免許を受けることができるので,本肢は誤りです。 法人の役員又は政令で定める使用人のうちに刑法の罪を犯したことにより罰金刑に処せられている者がいる場合に免許の欠格要件に該当するのは,傷害,現場助勢,暴行,凶器準備集合及び結集,脅迫,背任の罪による罰金刑に処せられた場合です(宅建業法5条1項7号,3号の2)。 |
●罰金刑で欠格要件になるもの | |
免許を申請する法人の<役員や政令で定める使用人>の中に,
がいる場合, その法人は欠格要件に該当し,国土交通大臣又は都道府県知事はその法人に免許をしてはいけません。(宅建業法・5条1項3号の2,7号) |
2.「法人の役員のうちに刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪により3年間の懲役の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,判決に執行猶予がついていれば,直ちに免許を受けることができる。 」 |
【正解:×】 ◆欠格要件に該当する刑罰に執行猶予がついているとき 法人の役員又は政令で定める使用人のうちに,欠格要件に該当する刑罰(禁錮刑以上の刑,一定の罰金刑)に処せられて,執行猶予が付された者がいる場合は,執行猶予期間中は免許を受けることができないので,本肢は誤りです(宅建業法・5条1項3号の2,7号)。 ▼執行猶予期間が満了すれば,直ちに免許を受けることができます。 |
3.「法人の役員のうちに宅地建物取引業法の規定に違反して,懲役の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,罰金の刑であれば,直ちに免許を受けることができる。 」 |
【正解:×】 ◆宅建業法違反 法人の役員又は政令で定める使用人のうちに,宅建業法に違反したことにより刑罰を受けた者がいる場合は,罰金刑・懲役刑を問わず, その刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しなければ, 免許を受けることはできません(宅建業法・5条1項3号の2,7号)。 |
4.「法人の役員のうちに刑法第204条(傷害)の罪を犯したことによる罰金の刑に処せられている者がいる場合は,免許を受けることができないが,刑の執行後5年を経過すれば,免許を受けることができる。」 |
【正解:○】 ◆刑法・傷害罪 法人の役員又は政令で定める使用人のうちに,刑法の傷害罪により罰金刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者がいる場合は,免許を受けることはできません(宅建業法・5条1項3号の2,7号)。⇒肢1解説参照 本肢では,「刑の執行後5年を経過」しているので,免許を受けることができます。 |
宅建業法の過去問アーカイブスに戻る 『宅建業者』の過去問アーカイブスに戻る