宅建業法 実戦篇
宅建業者の過去問アーカイブス 平成15年・問32 免許換え,変更の届出,廃業の届出
甲県に本店,乙県に a 支店を置き国士交通大臣の免許を受けている宅地建物取引業者A(個人)は,a 支店の専任の取引主任者Bが不在になり,宅地建物取引業法第15条の要件を欠くこととなった。この場合,Aの手続に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。(平成15年・問32) |
1.「本店のみで宅地建物取引業を行う場合,Aは,a支店が所在する乙県知事を経由して国土交通大臣にa支店の廃止の届出を行う必要がある。 」 |
2.「a支店に専任の取引主任者Cを置き,宅地建物取引業を行う場合,Aは,Cを置いた日から2週間以内に専任の取引主任者の変更の届出を行う必要がある。 」 |
3.「 宅地建物取引業を廃止した場合,Aは,甲県知事を経由して国土交通大臣に30日以内に廃業の届出を行う必要がある。」 |
4.「Aは,Bが2ヵ月間の入院をしたため,この期間,宅地建物取引業は行わないこととした場合,Aは宅地建物取引業を休止する旨の届出を行う必要がある。 」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「本店のみで宅地建物取引業を行う場合,Aは,a支店が所在する乙県知事を経由して国土交通大臣にa支店の廃止の届出を行う必要がある。 」 |
【正解:×】 ◆免許換え 本肢は,国土交通大臣免許業者が,変更の届出をする手続(宅建業法9条,支店廃止による事務所の変更)を問う問題ではありません。⇒ 甲県外に支店が複数あって,そのうちの乙県内の支店を廃止する場合は,この変更の届出になりますが,本肢の場合,甲県外には支店は乙県内の一つがあるだけだからです。 甲県に本店,乙県に a 支店を置く国土交通大臣免許業者が,一つしかない支店を廃止するということは,甲県内にのみ事務所を有する(甲県内に本店を置いて,甲県外には支店を有しない。)ことになるので,甲県知事免許業者への免許換えをしなければなりません。 Aは,甲県知事へ直接免許換えの申請をする必要があるので,本肢は誤りです(宅建業法7条1項1号)。 |
2.「a支店に専任の取引主任者Cを置き,宅地建物取引業を行う場合,Aは,Cを置いた日から2週間以内に専任の取引主任者の変更の届出を行う必要がある。 」 |
【正解:×】 ◆変更の届出−専任の取引主任者の変更 事務所ごとに備える専任の取引主任者に変更があったときは,宅地建物取引業者名簿の変更の届出をしなければなりません。変更があった日から30日以内に届け出ればよいので,本肢は誤りです(宅建業法9条,8条2項6号)。 |
3.「 宅地建物取引業を廃止した場合,Aは,甲県知事を経由して国土交通大臣に30日以内に廃業の届出を行う必要がある。」 |
【正解:○】 ◆廃業の届出−主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して届出 出題者は,本肢では,<支店で取引主任者の設置数が不足したために,本店・支店とも宅建業を廃止する場合>と読み取ることを要求しています。 国土交通大臣免許業者が,宅建業を廃止したときは,その日から30日以内に,主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して,国土交通大臣に,その旨を届け出なければなりません(宅建業法11条1項5号,78条の3第1項)。 本肢の場合は,主たる事務所の所在地を管轄する甲県知事を経由して国土交通大臣に廃業の届出をします。 |
4.「Aは,Bが2ヵ月間の入院をしたため,この期間,宅地建物取引業は行わないこととした場合,Aは宅地建物取引業を休止する旨の届出を行う必要がある。 」 |
【正解:×】 ◆休止の届出の規定はない 出題者は,本肢では,<支店で取引主任者の設置数が不足したために,本店・支店とも宅建業を休止しようとする場合>と読み取ることを要求しています。 宅建業を休止する旨の届出について宅建業法では規定がないので,これだけで本肢は誤りと判断します。 ▼宅建業者が宅建業を引き続き1年以上休止したときは,免許権者は,その免許を取り消さなければなりません(宅建業法66条1項6号)。⇒名義貸し等の防止のため。 |
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