宅建業法 実戦篇
自ら売主の制限の過去問アーカイブス 昭和56年・問42
重要事項の説明・手付金等の保全措置・広告開始時期の制限・
宅地建物取引業者が建築に関する工事の完了前において行う建物の売買に関しての記述のうち,正しいものはどれか。(昭和56年・問42) |
1.「宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約を締結し,一定の手付金等を受領しようとする場合,手付金等の保全措置の概要については,宅地建物取引業法第35条の重要事項説明の対象になる。」 |
2.「宅地建物取引業者が自ら売主となる未完成物件の売買において,買主から代金の額の3%に相当する額の手付金を受領しようとする場合,1,000万円以下であっても,その手付金については保全措置を講じる必要がある。」改 |
3.「建築確認の申請中であれば,宅地建物取引業者は建物の売買の広告をすることができる。」 |
4.「宅地建物取引業法第35条の重要事項説明の対象になるのは,建築の工事の完了時における建物の主要構造部の構造または仕上げであり,外装および内装の構造または仕上げや設備の設置および構造はその対象とはならない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
1.「宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約を締結し,一定の手付金等を受領しようとする場合,手付金等の保全措置の概要については,宅地建物取引業法第35条の重要事項説明の対象になる。」 |
【正解:○】 ◆自ら売主−手付金等保全措置 自ら売主の場合,手付金等保全措置の概要も,重要事項として説明すべき事項になります。<銀行・信託会社・指定保証機関等の保証による保全なのか,保険業者による保全なのかの別>,<保証委託契約,保証保険契約の締結先>,<完成物件 : どの指定保管機関による保全されるのか>等を説明しなければなりません。(宅建業法・35条1項10号,41条,41条の2)
▼支払金や預り金を受領する場合<代金,交換差金,借賃等の金銭>においても,保証の措置,保全の措置を講ずるかどうか,及びその措置の概要について重要事項として説明しなければなりません。(宅建業法・35条1項11号,64条の3第2項) |
2.「宅地建物取引業者が自ら売主となる未完成物件の売買において,買主から代金の額の3%に相当する額の手付金を受領しようとする場合,1,000万円以下であっても,その手付金については保全措置を講じる必要がある。」改 |
【正解:×】 ◆自ら売主制限−手付金等の保全措置 宅建業者が自ら売主となる未完成物件の売買では,買主から代金の額の5%以下,かつ,1,000万円以下に相当する額の手付金を受領しようとする場合は,手付金等の保全措置を講じる必要がない。(宅建業法・41条1項)
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●原題 |
「宅地建物取引業者が自ら売主となる売買において,買主から代金の額の3%に相当する額の手付金を受領しようとする場合であっても,その手付金については保全措置を講じる必要がある。」 |
【正解:×】 |
3.「建築確認の申請中であれば,宅地建物取引業者は建物の売買の広告をすることができる。」 |
【正解:×】 ◆広告開始時期の制限 宅建業者は,宅地の造成前,又は,建物の建築工事の完了前は,その工事について必要とされる開発許可や建築確認等の法令に基づく許可等の処分(政令で定めるもの)があった後でなければ,宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をすることができません。(宅建業法・33条) 本肢では,建築確認の申請中なので,建築確認の処分がまだされていないため,建物の売買の広告をすることはできません。
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4.「宅地建物取引業法第35条の重要事項説明の対象になるのは,建築の工事の完了時における建物の主要構造部の構造または仕上げであり,外装および内装の構造または仕上げや設備の設置および構造はその対象とはならない。」 |
【正解:×】 ◆工事完了前の建物 宅地又は建物に関する工事完了前のものであるときは,完了時における形状,構造その他国土交通省令で定める事項について説明しなければなりません。(宅建業法・35条1項5号,施行規則16条) <外装および内装の構造または仕上げや設備の設置および構造>は,『国土交通省令で定める事項』であり,35条の重要事項説明の対象になります。 したがって,本肢は誤りです。
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