宅建業法 実戦篇

宅建業者の過去問アーカイブス 昭和57年・問37 

営業活動の範囲・免許の有効期間・免許の基準(欠格要件)・未成年


宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和57年・問37)

1.「国土交通大臣の免許を受けなければ,2以上の都道府県の区域内で営業活動を行うことはできない。」

2.「免許の有効期間は,3年である。」

3.「免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者は,免許を受けることはできない。」

4.「未成年者は,免許を受けることはできない。」

【正解】

× × ×

1.「国土交通大臣の免許を受けなければ,2以上の都道府県の区域内で営業活動を行うことはできない。」

【正解:×

◆営業活動は免許を得ている都道府県に限定されない

 事務所が2以上の都道府県にあれば国土交通大臣免許を受けなければいけませんが,都道府県知事免許を受けている宅建業者であっても,営業活動は知事免許を受けている都道府県の区域内でしかできないということではなく,全国どこでもできるので,本肢は誤りです。

 KEY 

 都道府県知事免許

営業活動は全国でできる

知事免許業者が他の都道府県の区域内で業務を行う

事務所を設置して業務を行う  国土交通大臣への免許換えをしなければならない。
事務所を

設置しない

案内所等を
設置して
業務を行う。
 50条2項の届出をしなければならない。
案内所等を
設置しない
業務を行う。
 50条2項の届出は必要ではない。

(註)案内所等・・・(一団の宅地建物の分譲,又はその媒介・代理を案内所を設置して,契約の締結や買受の申込を受ける場合の) 案内所や展示会場等 ⇒ 国土交通省令で定める事務所以外の場所

念のため

 案内所等は,免許を受けている都道府県の区域内で設置する場合にも届出が必要で,他の都道府県に設置する場合にのみ,50条2項の届出が必要なわけではない。

2.「免許の有効期間は,3年である。」

【正解:×

◆免許の有効期間は5年

 宅建業の免許の有効期間は5年です。5年ごとに更新を受けなければなりません。(宅建業法・3条2項,3項)

 KEY 

 免許の更新

免許の有効期間満了の日の90日前〜30日前までの間に
  免許権者に対して,免許申請書を提出しなければならない。
(宅建業法施行規則・3条)

3.「免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者は,免許を受けることはできない。」

【正解:

免許の基準−欠格要件−

 宅建業法では,国土交通大臣や都道府県知事は,<免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者>に対して,免許をしてはならないとしています。(宅建業法・5条1項4号) 

4.「未成年者は,免許を受けることはできない。」

【正解:×

◆未成年者の宅建業の免許

 未婚の未成年者でも,以下の2つのどちらかであれば,免許を受けることができるので,誤りです。

 営業に関し成年者と同一の行為能力を有する場合
 〔法定代理人から民法6条の営業の許可を受けている〕
 営業に関し成年者と同一の行為能力を有してはいないが,
 その法定代理人が欠格要件に該当しない場合

未成年者でも,未婚ではない者 (婚姻しているか,過去において婚姻したことがある者) は,宅建業の免許取引主任者の登録を受けることができます。

未婚の未成年者は,営業に関し成年者と同一の行為能力を有する場合(営業の許可を得た者)でなければ取引主任者の登録を受けることができません。

<営業に関し成年者と同一の行為能力を有していない場合は,法定代理人が欠格要件に該当しなくても,主任者の登録を受けることはできないことに注意。>

<未婚の未成年者が専任の主任者になるのは,営業の許可自ら業者や法人の役員のときに限ることに注意。>

   未婚の未成年者 宅建業
の免許
取引主任者
の登録
営業に関し
成年者と同一の行為能力を有する
   
営業に関し
成年者と同一の行為能力を有していない
法定代理人が
欠格要件に該当しない
   ×
法定代理人が
欠格要件に該当する
 ×  ×


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