税法その他 実戦篇
土地の過去問アーカイブス 平成10年・問50
土地に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成10年・問50) |
1.「近年,洪水氾濫危険区域図,土砂災害危険区域図等災害時に危険性があると予想される区域を表示した図書が一般に公表されており,これらは安全な宅地を選定するための資料として有益である。」 |
2.「自然斜面は,地層分布,土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので,特にのり高の大きい切土を行う際は,のり面の安定性の検討をする必要がある。」 |
3.「都市内の中小河川の氾濫被害が多発している原因としては,急速な都市化・宅地化に伴う流出形態の変化によって,降雨時に雨水が時間をかけて河川に流れ込むことがあげられる。」 |
4.「崩壊跡地は,微地形的には馬蹄形状の凹地形を示すことが多く,また地下水位が高いため竹などの好湿性の植物が繁茂することが多い。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | × | ○ |
1.「近年,洪水氾濫危険区域図,土砂災害危険区域図等災害時に危険性があると予想される区域を表示した図書が一般に公表されており,これらは安全な宅地を選定するための資料として有益である。」 |
【正解:○】 ◆災害時に危険性がある区域の図書 災害時に危険性があると予想される区域の図書については,各公的機関・図書館・インターネットなどで入手することができます。安全な宅地選定のためには,これらの図書は参考資料として有益です。 |
2.「自然斜面は,地層分布,土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので,特にのり高の大きい切土を行う際は,のり面の安定性の検討をする必要がある。」 |
【正解:○】 ◆自然斜面での切土 自然斜面は,地層分布,土質等が複雑かつ不均一で地盤の強さが場所により異なることが多いので,特にのり高の大きい切土を行う際は,のり面の安定性を図らなければなりません。 ▼のり面(法面)・・・盛土や切土によって人工的に形成された斜面のことをいいます。 |
3.「都市内の中小河川の氾濫被害が多発している原因としては,急速な都市化・宅地化に伴う流出形態の変化によって,降雨時に雨水が時間をかけて河川に流れ込むことがあげられる。」 |
【正解:×】 ◆都市部での中小河川の氾濫 都市内の中小河川や下水道からの氾濫被害が多発している原因としては,急速な都市化や宅地化によって整備が立ち遅れ気味になり,降雨時に雨水が地面に浸透しないで一挙に河川に流れ込んだりすることがあげられています。 |
4.「崩壊跡地は,微地形的には馬蹄形状の凹地形を示すことが多く,また地下水位が高いため竹などの好湿性の植物が繁茂することが多い。」 |
【正解:○】 ◆崩壊跡地 崩壊跡地とは,山腹斜面などで見られるもので,地表変動(表層崩壊・深層崩壊)によって地表が裸出し,植生も乏しく,馬蹄形または半円状の凹地(表層土が抉られたくぼみのある斜面)になっています。 このような場所では,風化や雨水によって表層土が流出し(表面侵食),岩石や礫を含む土層が不安定で落石が発生しやすく,豪雨や地震等で再び崩壊する危険もあります。 表層土が抉られているということは地下水位が高いことを意味し,植生も低木などの好湿性の植物が繁茂することになります。 |
●崩壊跡地の出題 |
平成元年・問1・肢3,平成10年・問50・肢4, |