平成13年度 管理業務主任者本試験
問題と解答
設備・諸法令(12問)/修繕計画(3問)
◆建築基準法(用語の定義)
【問 16】 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条の用語の定義にする次の
記述のうち、誤っているのはどれか。
1 特殊建築物には、学校、体育館、病院、劇場、集会場は含まれるが、共同住宅は
含まれない。
2 建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、
排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。
3 居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続
的に使用する室をいう。
4 建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。
◆建築基準法(建築物の敷地、構造、建築設備の維持保全)
【問 17】 建築物の敷地、構造及び建築設備の維持保全に関する次の記述の
うち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければ
ならないのは、その建築物の所有者又は管理者で占有者は含まれない。
2 必要に応じ建築基準法第12条第1項に規定する建築物(以下本問において「建築
物」という。)の維持保全に関する準則又は計画を作成しなければならないのは、
建築物の所有者で管理者は含まれない。
3 建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることが
できるのは、都道府県知事である。
4 複数の建築物が一団地を形成している場合には、建築物の維持保全に関する準則
又は計画は当該一団地について作成することができる。
◆建築基準法(定期調査・検査)
【問 18】 建築基準法第12条第1項及び第2項に規定する建築物及び建築設備
についての定期調査・検査に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。
1 定期調査・検査を行うことができるのは、一級建築士若しくは二級建築士又は国土
交通大臣が定める資格を有する者である。
2 昇降機を除く建築設備については、定期検査を行う必要はない。
3 建築物の敷地及び構造については、定期調査を行う必要がある。
4 昇降機の定期検査は、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
◆防火管理者(消防法)
【問 19】 防火管理者に関する次の記述のうち、消防法(昭和23年法律第186号)
の規定によれば、正しいものはどれか。
1 共同住宅の居住者が30人の場合は、防火管理者を選任する必要がある。
2 防火管理者の業務には、消防用設備等の点検及び整備は含まれるが、火気の使用
又は取扱いに関する監督は含まれない。
3 防火管理者の業務には、避難訓練の実施は含まれない。
4 一定の防火対象物の管理の権原を有する者は、防火管理者を解任したときは、遅滞
なくその旨を所轄消防庁又は消防署長に届け出なければならない。
◆排水・浄化槽(浄化槽法)
【問 20】 排水及び浄化槽に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 マンションの排水は、汚水、雑排水、雨水に大別される。
2 マンション敷地内の排水方法には、汚水と雑排水を同一の系統で排水する合流式と
、汚水と雑排水を別々の系統で排水する分流式がある。
3 浄化槽法(昭和58年法律第43号)の規定によれば、浄化槽の所有者、占有者その他
の者で浄化槽の管理について権原を有するものは、浄化槽の保守点検が義務づけ
られているが、清掃は義務づけられていない。
4 浄化槽法の規定によれば、処理対象人員が501人以上の浄化槽の管理者は、原則
として環境省令で定める資格を有する技術管理者を置かなければならない。
◆給水方式・給水設備等(水道法)
【問 21】 給水方式・給水設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれ
か。
1 給水方式のうち、水道本管から増圧給水設備(ポンプなど) を経て建物内の必要な
箇所に給水する方式を増圧直結給水方式といい、受水槽を必要としない。
2 給水方式のうち、マンションの屋上その他高い場所に水槽を設置して、各階の住戸
に重力により給水する方式を高置(高架)水槽方式又は重力方式という。
3 水道法(昭和32年法律第177号)の規定によれば、簡易専用水道とは、寄宿舎、社宅
、療養所等における自家用の水道その他水道事業の用に供する水道以外の水道で
あって、100人を超える者にその居住に必要な水を供給するものをいう。
4 給水管に使用されている鋼管が、経年変化で腐食すると赤水が発生しやすくなる。
◆昇降機設備の保守契約と指針
【問 22】 昇降機設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 昇降機設備の保守契約におけるフルメンテナンス(Full Maintenance)契約とは、
昇降機器の部品取替え、機器の修理を状況に合わせて行うことを内容とした契約
方式であるが、乗場扉、三方枠の塗装、意匠変更による改造等一定のものは含ま
れない。
2 昇降機設備の保守契約におけるP O G ( Parts Oil and Grease ) 契約とは、消耗
部品付契約のことで、定期点検、管理仕様範囲内の消耗品の交換は含まれるが、
それ以外の部品の取替え、修理は含まれない契約方式である。
3 昇降機の維持及び運行の管理に関する指針(平成5年 (財)日本昇降機安全センタ
ー。(現(財)日本建築設備・昇降機センター)策定。以下本問において「指針」という。)
によれば、建築基準法第12条第2項の特定行政庁が指定する昇降機の所有者(以下
本問において「昇降機の所有者」という。)は2年に1回検査を受けなければならないと
されている。
4 指針によれば、昇降機の所有者は、定期検査報告書の写しを3年以上保存すること
とされている。
◆建築設備(建築基準法)、非常用昇降機、避雷設備、電力供給、借室変電設備
【問 23】 建築設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 建築基準法の規定によれば、高さ20 m を超える建築物(一定のものを除く。)には、
非常用の昇降機を設けなければならない。
2 建築基準法の規定によれば、高さ20 m を超える建築物には、周囲の状況により
安全上支障がない場合を除いて、有効に避雷設備を設けなければならない。
3 建築物への電力の供給は、供給電力により、「低圧引き込み」及び「高圧引き込み」
の2種類のどちらかに分けられる。
4 マンションに「高圧引き込み」で電力を供給する場合には、借室変電設備(借室電気
室)を設置するが、借室変電設備の維持管理は、管理組合で行わなければならない。
◆建築物の耐震改修の促進に関する法律
【問 24】 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)に関す
る次の記述のうち、誤っているのはどれか。
1 特定建築物の所有者は、耐震診断を行い、必要に応じ、耐震改修を行うよう努めなけ
ればならない。
2 国土交通大臣は、特定建築物の耐震診断及び耐震改修に関する指針を定め、これを
公表するものとする。
3 所管行政庁は、特定建築物の所有者に対し、特定建築物の耐震診断及び耐震改修
について必要な指導及び助言をすることができる。
4 マンションの耐震改修をしようとする者は、建築物の耐震改修の計画を作成し、所管
行政庁に認定を申請しなければならない。
◆建築構造(鉄筋コンクリート)
【問 25】 鉄筋コンクリート造に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 鉄筋コンクリート造の建築物には、一般的に柱と梁を一体化した骨組みである「ラー
メン構造」が多くみられる。
2 鉄筋コンクリート造のなかで「壁式構造」は、低層住宅に適した構造といえる。
3 鉄筋は、火に弱いためコンクリートで覆うことにより、鉄筋を火から保護している。
4 コンクリートは、引っ張りに強く、鉄筋は、圧縮に強い特性を持っている。
◆建築構造(S造、RC造、SRC造、木造)
【問 26】 建築構造に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 鉄骨造 (S造) は、構造上主要な骨組部分に、形鋼、鋼板等の鋼材を用いて組み立て
た構造である。
2 鉄筋コンクリート造 (RC造 )は、鉄筋とコンクリートの長所を生かすように合理的に組み
合わせた構造で、一般的に鉄骨造に比べ耐火性に優れている。
3 鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造) は、鉄骨骨組みの周りに鉄筋を配しコンクリートを打ち
込んだ構造で、一般的に鉄筋コンクリート造に比べ耐火性には優れているが、耐震性
には劣る構造である。
4 木造は、主要な構造部分に木材を用いた構造であり、建築基準法上必要な要件を満
たせば3階建て建築物の建築が可能である。
◆建築材料
【問 27】 建築材料に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 コンクリートの強度は、水とセメントの比率により大きな影響を受けるが、水分の比率が
多いほど強度、耐久性が増大する。
2 コンクリート用骨材は、骨材の比重により、普通骨材、軽量骨材、重量骨材に分類さ
れる。
3 木材は、湿気の多いところでは腐りやすいので、特に1階廻り床下地材に使用する
場合には防腐処理を行うのが一般的である。
4 合板とは、単板を何枚も積み重ね、接着剤で張り合わせて1枚の板としたものである。
◆修繕積立金
【問 28】 修繕積立金に関する次の記述のうち、中高層共同住宅標準管理規約
(単棟型)(昭和50年住宅宅地審議会答申。以下「標準管理規約」という。)の定めに
よれば、正しいものはどれか。
1 修繕工事の前提としての劣化診断 (建物診断) に要する経費は、原則として管理費
から支出する。
2 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕の費用は、管理費から支出しな
ければならない。
3 特別修繕費及び修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければなら
ない。
4 駐車場使用料は管理費に充当することができるが、修繕積立金として積立てることは
できない。
◆長期修繕計画(標準管理規約)
【問 29】 長期修繕計画の内容に関する次の記述のうち、標準管理規約の定めに
よれば、最も不適切なものはどれか。
1 長期修繕計画の計画期間を20年以上とすること。
2 長期修繕計画の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え等を掲
げ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等を定めるものとすること。
3 長期修繕計画における全体の工事金額は、変動的であるため定めないものとすること。
4 長期修繕計画の内容については、定期的に (おおむね5年程度ごとに) 見直しをす
るものとすること。
◆修繕積立金(標準管理規約)
【問 30】 次の費用のうち、標準管理規約の定めによれば、修繕積立金から支出す
ることができるものはどれか。
1 共用設備の保守維持費及び運転費
2 敷地及び共用部分等の変更に要する経費
3 共用部分等に係る火災保険料
4 経常的な補修費
【正解】
16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
1 | 4 | 2 | 4 | 3 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
3 | 3 | 2 | 4 | 4 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
3 | 1 | 3 | 3 | 2 |
●平成13年度・管理業務主任者試験 |
委託管理・民法・会計(問1〜問15),設備・諸法令・修繕計画(問16〜問30),区分所有法・売買(問31〜問45),管理適正化法(問46〜問50) |