平成13年度 管理業務主任者本試験
問題と解答
区分所有法(10問)/マンションの売買(5問)
◆専有部分と共用部分、敷地利用権(区分所有法)
【問 31】 専有部分に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、
誤っているものはどれか。
1 専有部分は、構造上の独立性と利用上の独立性を備えていることが必要である。
2 専有部分とすることができる建物の部分は、用途が住居の場合に限られる。
3 専有部分と共用部分の共有持分は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、
分離して処分することができない。
4 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、
その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分すること
ができないが、規約に別段の定めがあるときはこの限りではない。
◆管理者(区分所有法)
【問 32】 管理者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しい
ものはどれか。
1 管理者は、共用部分についての損害保険契約に基づく保険金額の請求及び受領に
ついて、区分所有者を代理する。
2 管理者は、集会において毎年1回一定の時期にその事務に関する報告をしなければ
ならないが、規約に別段の定めがあれば、理事会においてその事務に関する報告を
することで足りる。
3 管理者は、集会の決議がないと共用部分の保存行為をすることができない。
4 管理者は、必ず集会の決議によって選任されなければならない。
◆管理組合法人(区分所有法)
【問 33】 区分所有法に規定する管理組合法人に関する次の記述のうち、最も
適切なものはどれか。
1 管理組合法人は、区分所有者の数が50人以上でなければ成立しない。
2 管理組合法人は、裁判の原告又は被告になることができない。
3 管理組合法人は、理事を置かなければならないが、監事は必ずしも置く必要はない。
4 管理組合法人は、管理組合法人名義で不動産登記をすることができる
◆建替え決議(区分所有法)
【問 34】 建替え決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、
正しいものはどれか。
1 老朽により、建物の価額その他の事情に照らし、建物がその効用を維持し、又は回復
するのに過分の費用を要するに至ったときは、集会において、区分所有者及び議決
権の各4分の3以上の多数で建替え決議をすることができる。
2 建替え決議においては、新たに建築する建物 (以下、本問において「再建建物」と
いう。) の設計の概容及び建設業者を定めなければならない。
3 建替え決議においては、建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
を定めなければならないが、当該費用の分担に関する事項は定める必要がない。
4 建替え決議においては、再建建物の区分所有権の帰属に関する事項を定めなけれ
ばならない。
◆占有者(区分所有法)
【問 35】 マンションの占有者 (区分所有者以外の専有部分の占有者をいう。
以下本問において同じ。) に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、
誤っているものはどれか。
1 マンションの占有者は、建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反す
る行為をしてはならない。
2 マンションの占有者は、専有部分について専ら住居として使用すべき旨の規約又は
集会の決議がある場合、その専有部分を事務所として使用することができない。
3 マンションの占有者は、専有部分を使用する以上管理費を支払う義務がある。
4 マンションの占有者は、集会に出席して意見を述べることができる場合があるが、
議決権は有しない。
◆集会に関する手続(区分所有法)
【問 36】 管理組合で行われた集会に関する次の手続のうち、区分所有法の規定
によれば、誤っているものはどれか。
1 集会の招集通知に、集会の日時、場所及び会議の目的たる事項を記載して規約の
定めるところにより、会日の1週間前に各組合員に通知した。
2 集会を招集するに当たり、区分所有者が管理者に対して招集通知を受けるべき場所
を通知しなかったので、区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあてて
通知した。
3 集会の招集通知を、専有部分が数人の共有に属していたので、議決権を行使すべき
者として定められた一人に通知した。
4 集会議事録には、議長のみ署名押印し保管した。
◆規約の改正(区分所有法)
【問 37】 規約の改正に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、
正しいものはどれか。
1 規約の改正は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議
によるが、規約に別段の定めをすれば、区分所有者の定数は、過半数まで減ずる
ことができる。
2 規約の改正を目的として集会を開催するときは、会議の目的たる事項を通知すれば
足り、その議案の要領は通知しなくてもよい。
3 規約の改正が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その者の
承諾を得なければならない。
4 区分所有者全員の利害に関係しない一部共用部分に関する事項についての区分所
有者全員の規約の改正は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の5分の1
を超える者又はその議決権の5分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、
することができない。
◆理事の資格、総会の出席者、総会の定足数、監事の選任(標準管理規約)
【問 38】 次の記述のうち、標準管理規約の定めに反するものはどれか。
1 理事の資格を、現に居住する組合員に限定するものとすること。
2 組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席できるものとすること。
3 総会の決議は、議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない
ものとすること。
4 監事は、理事会の決議により選任するものとすること。
◆議決権と代理人(標準管理規約)
【問 39】 次の記述のうち、標準管理規約の定めに反するものはどれか。
1 各組合員の議決権は、組合員が有する共用部分の共有持分の割合によるものとする
こと。
2 住戸1戸につき二の組合員が存在する場合、二の議決権としてその行使を認めるもの
とすること。
3 代理人は、代理権を証する書面を理事長に提出しなければならないものとすること。
4 議決権は、書面又は代理人によって行使することができるものとすること。
◆管理規約と区分所有法
【問 40】 あるマンションの管理規約の定めに関する次の記述のうち、区分所有法
の規定に違反するものはどれか。
1 集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面に
よる合意があったときは、集会の決議があったものとみなす。
2 共用部分の変更 (改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く)
は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議で決する。
3 集会における議長は、管理者以外の区分所有者とする。
4 区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有する者は、管理者に対し、
会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。
◆中古マンション売買の媒介での重要事項説明(宅建業法)
【問 41】 中古マンションの売却依頼を受けた宅地建物取引業者は、買主となろう
とする者に対し契約が成立するまでの間に、一定の重要事項を説明しなければなら
ないが、次の事項のうち、宅地建物取引業法 (昭和27年法律第176号) の規定によ
れば、説明すべき事項とされていないものはどれか。
1 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容
2 一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容
3 管理が委託されているときは、管理委託契約のうち管理事務の内容及びその実施方法
4 修繕積立金に関する規約の定めがあるときは、その内容
◆マンション分譲でのアフターサービス
【問 42】 マンションを分譲した場合の「アフターサービス」に関する次の記述のうち
、最も不適切なものはどれか。
1 アフターサービスは、売買契約締結後、契約で定めた一定期間、一定の部位について
売主が無償で補修するという内容のサービスを行うことが一般的である。
2 アフターサービスの内容については、不動産業者の団体が標準的な基準を制定して
いる。
3 アフターサービスは、天災地変等の不可抗力による損壊の場合も、その対象としている
ことが多い。
4 アフターサービスは、対象となる部位や種類により、サービス期間とその起算日を異に
している場合が多い。
◆瑕疵担保責任(民法と宅建業法)
【問 43】 宅地建物取引業者が売主となり、宅地建物取引業者でない者が買主と
なる中古マンションの売買契約における、瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、
民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 「売主は、民法の規定に基づく責任を負うと共に、買主からの瑕疵の補修の請求に
も応じる」旨の特約は有効である。
2 「売主は、物件の引渡しの日から1年間のみ瑕疵担保責任を負う」旨の特約をした
場合、買主に対し、引渡しの日から2年間責任を負うことになる。
3 買主は、その売買契約の締結時に知っていた瑕疵についても、売主に対し、その責任
追及をすることができる。
4 「買主は、瑕疵の補修の請求を物件引渡しの日から3年間行うことができるが、損害
賠償請求は売主が認めるときに限りできる」旨の特約は有効である。
◆売主の瑕疵担保責任とアフターサービス(民法)
【問 44】 マンションを分譲した場合における、売主の瑕疵担保責任と「アフター
サービス」の相違に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 瑕疵担保責任の対象は、売買契約締結時に存在したものであるのに対し、アフター
サービスの対象は、これに限らず契約で定めた期間内に生じたものである。
2 瑕疵担保責任を負う期間は、特約のない限り、目的物の引渡しの日から1年間で
あるのに対し、アフターサービスの期間は部位別に異なることが多い。
3 瑕疵担保責任は、民法上の法定責任であるのに対し、アフターサービスは売買契約
上の約定の責任である。
4 瑕疵担保責任は、目的物の隠れた瑕疵について負うのに対し、アフターサービスは
隠れた瑕疵に限定されないのが通常である。
◆住宅の品質確保の促進等に関する法律
【問 45】 住宅の品質確保の促進等に関する法律 (平成11年法律第81号。
以下本問において「品確法」という。) に関する次の記述のうち、正しいものは
どれか。
1 新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保責任の期間は、構造耐力上
主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分 (構造耐力又は雨水の侵入に影響の
ないものを除く。) については、引渡した時から10年間とされている。
2 品確法の対象とする「新築住宅」とは1戸建て住宅をいい、マンションはこれに含まれ
ない。
3 新築住宅の瑕疵について、売買契約の場合は請負契約の場合と異なり、その修補の
請求はできない。
4 品確が施行された平成12年4月1日より前に締結されていた請負契約又は売買契約
であっても、同日以後1年以内に発見された瑕疵については、同法上の責任を負わ
なければならない。
【正解】
31 | 32 | 33 | 34 | 35 |
2 | 1 | 4 | 4 | 3 |
36 | 37 | 38 | 39 | 40 |
4 | 3 | 4 | 2 | 2 |
41 | 42 | 43 | 44 | 45 |
3 | 3 | 1 | 2 | 1 |
●平成13年度・管理業務主任者試験 |
委託管理・民法・会計(問1〜問15),設備・諸法令・修繕計画(問16〜問30),区分所有法・売買(問31〜問45),管理適正化法(問46〜問50) |