宅建業法 実戦篇

取引主任者の過去問アーカイブス 平成13年・問31 

合格の取消・実務経験・設置義務・主任者証の提示


宅地建物取引業法 (以下この問において「法」という。 ) に規定する取引主任者に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成13年・問31)

1.「都道府県知事は,宅地建物取引主任者資格試験を不正の手段で受験したため合格決定が取り消された者について,同試験の受験を以後5年間禁止する措置をすることができる。」

2.「宅地建物取引主任者資格試験に合格した者でも,3年間以上の実務経験を有しなければ,法第18条第1項の登録を受けることができない。」

3.「甲県内に所在する事務所の専任の取引主任者は,甲県知事による法第18条第1項の登録を受けている者でなければならない。」

4.「宅地建物取引主任者証を滅失した取引主任者は,宅地建物取引主任者証の再交付を受けるまで,法第35条の規定による重要事項の説明をすることができない。」

【正解】

× × ×

1.「都道府県知事は,宅地建物取引主任者資格試験を不正の手段で受験したため合格決定が取り消された者について,同試験の受験を以後5年間禁止する措置をすることができる。」

【正解:×平成元年・問49・肢1,(平成5年・問38・肢3),

◆不正手段で受験した者に対する合格の取消し

 × 5年間禁止 ⇒  3年間禁止

 都道府県知事,または指定試験機関は,不正手段によって試験を受け,又は受けようとした者に対して,合格の決定を取り消し,又は試験を受けることを禁止することができます。また,都道府県知事は,情状により3年以内の期間を定めて試験を受けることができないものとすることができます(宅建業法17条)

 KEY 

不正手段によって試験を受け,又は受けようとした者 

知事は,情状により3年以内の期間を定めて
試験を受けることができないものとすることができる。

2.「宅地建物取引主任者資格試験に合格した者でも,3年間以上の実務経験を有しなければ,法第18条第1項の登録を受けることができない。」

【正解:×昭和61年・問39・肢1

宅建合格+2年間以上の実務経験 ⇒ 登録申請

 × 3年間以上の実務経験 ⇒  原則として,2年以上の実務経験

 宅建試験に合格した者は,不正合格等で合格を取り消されない限り,合格は一生有効ですが,合格しただけでは登録を受けることはできません。

 取引主任者の資格登録を受けるには,

1) 2年以上の実務経験を有するか,または

2) 国土交通大臣が実務経験を有する者と同等以上の能力を有すると認めた者【宅地建物取引主任者資格登録に係る実務講習を修了した者,国・地方公共団体などで宅地建物の取得・処分の業務に2年以上従事した者など】

 のどちらかに該当していなければなりません(宅建業法・18条1項,施行規則13条の15,同13条の16第1項1号,2項)

3.「甲県内に所在する事務所の専任の取引主任者は,甲県知事による法第18条第1項の登録を受けている者でなければならない。」

【正解:×

◆専任の取引主任者に登録地制限はない

 取引主任者は,日本全国どこでも取引主任者としての事務を行うことができるので,その事務所の所在する都道府県の知事の登録を受けていない者であっても,専任の取引主任者にすることができます。本肢は誤りです。

都道府県知事免許の宅建業者も,免許を受けた都道府県だけでなく,日本全国どこでも営業活動をすることができます。

4.「宅地建物取引主任者証を滅失した取引主任者は,宅地建物取引主任者証の再交付を受けるまで,法第35条の規定による重要事項の説明をすることができない。」

【正解:

◆重要事項説明での取引主任者証の提示

 取引主任者は,35条の重要事項の説明を行う場合,請求がなくても,相手方に取引主任者証を提示しなければなりません(宅建業法35条4項)

 取引主任者証を滅失すると取引主任者証を提示できないので,宅建業法違反になり,罰則が課されることがあります。

 そのため,取引主任者証の再交付を受けるまでは,重要事項の説明をすることはできません。

 KEY 

 重要事項の説明のときは,請求がなくても,取引主任者証を提示する

罰則 10万円以下の過料

 


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