税法その他 実戦篇

不当景品類及び不当表示防止法・公正競争規約の過去問アーカイブス 

平成17年・問47 


宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち,不当景品類及び不当表示防止法 (不動産の表示に関する公正競争規約を含む。 ) の規定によれば、正しいものはどれか。 (平成17年・問47)

1.「土地上に廃屋が存在する自己所有の土地を販売する場合、売買契約が成立した後に、売主である宅地建物取引業者自らが費用を負担して撤去する予定のときは、広告においては、廃屋が存在している旨を表示しなくてもよい。」

2.「新築分譲マンションを販売するに当たり、契約者全員が四つの選択肢の中から景品を選ぶことができる総付景品のキャンペーンを企画している場合、選択肢の一つを現金200万円とし、他の選択肢を海外旅行として実施することができる。」

3.「建売住宅を販売するに当たり、当該住宅の壁に遮音性能が優れている壁材を使用している場合、完成した住宅としての遮音性能を裏付ける試験結果やデータがなくても、広告において、住宅としての遮音性能が優れているかのような表示をすることが、不当表示に該当することはない。」

4.「取引しようとする物件の周辺に、現在工事中で、将来確実に利用できると認められるスーパーマーケットが存在する場合、整備予定時期及び物件からの道路距離を明らかにすることにより、広告において表示することができる。」

【正解】

× × ×

1.「土地上に廃屋が存在する自己所有の土地を販売する場合、売買契約が成立した後に、売主である宅地建物取引業者自らが費用を負担して撤去する予定のときは、広告においては、廃屋が存在している旨を表示しなくてもよい。」

【正解:×

◆特定事項の明示義務−当該土地上に古家、廃屋等が存在するときは,その旨

土地取引において,当該土地上に古家・廃屋等が存在するときは,その旨を表示しなければならない(表示に関する公正競争規約・施行規則・13条,施行規則9条6号)

 売主が費用を負担して撤去する予定であっても,表示を免れることはできないので,誤り。

【出題歴】 平成2年・問34・肢2

2.「新築分譲マンションを販売するに当たり、契約者全員が四つの選択肢の中から景品を選ぶことができる総付景品のキャンペーンを企画している場合、選択肢の一つを現金200万円とし、他の選択肢を海外旅行として実施することができる。」

【正解:×

◆総付景品

 懸賞によらないで提供する景品類(総付景品)の最高額は,取引価額の10分の1又は100万円のいずれか低い金額の範囲内と定められている。(景品に関する公正競争規約・3条1項2号)

 本肢では,選択肢の一つが200万円なので,規約に違反するので誤り。

【出題歴】 平成5年・問31・肢4平成12年・問47・肢2

3.「建売住宅を販売するに当たり、当該住宅の壁に遮音性能が優れている壁材を使用している場合、完成した住宅としての遮音性能を裏付ける試験結果やデータがなくても、広告において、住宅としての遮音性能が優れているかのような表示をすることが、不当表示に該当することはない。」

【正解:×

◆禁止されている不当表示−実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示

 建物の保温・断熱性,遮音性,健康・安全性その他の居住性能について,実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示は不当表示として禁止されている(表示に関する公正競争規約・23条19号)

 完成した住宅としての遮音性能を裏付ける試験結果やデータもなく,単に遮音性能が優れている壁材を使用しているからいって,その住宅の遮音性能が優れているとはいえないので,誤り。

〔註〕 公正取引委員会は,「実際のものよりも著しく優良であると示し,又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す」不当表示であるかについて判断するために必要と認めるときは,その表示をした事業者に対し,期間を定めて,当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる

 この場合において,当該事業者が合理的な根拠を示す資料を提出しないときは,その表示は不当表示とみなされ,排除命令の対象になる(不当景品類及び不当表示防止法4条2項)

4.「取引しようとする物件の周辺に、現在工事中で、将来確実に利用できると認められるスーパーマーケットが存在する場合、整備予定時期及び物件からの道路距離を明らかにすることにより、広告において表示することができる。」

【正解:】初出題

◆物件の内容・取引条件等に係る表示基準

 デパート,スーパーマーケット,商店等の商業施設は,現に利用できるものを物件までの道路距離を明らかにして表示しなければならないが,工事中であるなど将来確実に利用できるものである場合に限り,その整備時期 (時期が変更されるものであるときは,その旨も) を明らかにして表示することができる(表示に関する公正競争規約施行規則・11条31号)ので,正しい。


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