税法その他 実戦篇
住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 昭和56年・問33
住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和56年・問33) |
1.「新築マンションを購入する者に対しては貸付けを行うことはできるが,中古マンションを購入する者に対しては貸付けを行うことはできない。」 |
2.「住宅を改良する場合の貸付けは,増築を伴うものに限られている。」 |
3.「貸付金の利率は,住宅の大きさにより異なる場合がある。」♯ |
4.「貸付けをした後は,いかなる場合でも貸付けの条件の変更はできない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「新築マンションを購入する者に対しては貸付けを行うことはできるが,中古マンションを購入する者に対しては貸付けを行うことはできない。」 |
【正解:×】昭和52年,56年,57年,59年,63年,平成9年, ◆中古マンションの購入に必要な資金の貸付 住宅金融公庫は,自ら居住するため,又は親族の居住の用に供するために,住宅を必要とする者に対して,新築住宅の建設・購入,又は既存住宅の購入に,必要な資金の貸付け業務を行います。〔併せて,土地又は借地権の取得に必要な資金も貸し付けることができる。〕(住宅金融公庫法・17条1項1号・2号) マンションでも,新築・中古のどちらでも貸し付けることはできるので,本肢は誤りです。 ▼新築住宅・既存住宅とも,戸建住宅のほか,分譲マンション (の専有部分) も含まれます。 |
2.「住宅を改良する場合の貸付けは,増築を伴うものに限られている。」 |
【正解:×】昭和54年,56年,58年,62年,平成10年,15年, ◆住宅の改良に必要な資金の貸付対象 住宅金融公庫は,住宅の改良〔増築,改築,修繕,模様替え等〕を行う者に対して,その改良に必要な資金を貸し付けることができます。(住宅金融公庫法・17条5項) 本肢では,<増築を伴うものに限られている>となっているので,誤りです。 ▼政策誘導型リフォーム(バリアフリー,省エネルギー,シックハウス対策,積雪地対応等),歴史・文化継承住宅工事,耐震改修工事も,このリフォーム融資の対象になっています。 ▼既存住宅の購入に必要な資金とともに貸し付けることもできます。 |
3.「貸付金の利率は,住宅の大きさにより異なる場合がある。」♯ |
【正解:○】昭和56年,昭和59年・問35・肢4,平成6年・問31・肢3,平成11年・問48・肢1, ◆床面積による利率の違い 住宅金融公庫法21条1項では,貸付金の利率は「年●%以内で公庫の定める率」,償還期間・据置期間は「●年以内 (政令で定める) 」というように定めています。 貸付金の利率は,21条1項で定められた範囲内で,住宅の建設・購入が促進されるように,公庫が決定します。現在の公庫の融資では,住宅を建設・購入する場合の貸付金の利率は,床面積・バリアフリー・省エネルギー等によっても異なっています。 ▼「高齢者同居住宅」の特別加算額についての金利は,ベースとなる住宅融資の金利とは異なる。 |
●住宅金融公庫法・21条・7項,8項 |
7 第一項に定めるもののほか、第17条の規定による貸付金の償還期間及び据置期間については政令で定め、その利率については公庫が定める。 8 前項の規定により公庫が利率を定める場合には、住宅の建設、既存住宅の購入、土地の取得及び造成、店舗等の建設、住宅の改良又は合理的土地利用耐火建築物等の建設若しくは購入が促進されるように配慮し、かつ、銀行その他一般の金融機関の貸付利率及び第27条の2第1項の規定による借入金の利率を勘案しなければならない。これを変更しようとする場合も、同様とする。 |
4.「貸付けをした後は,いかなる場合でも貸付けの条件の変更はできない。」 |
【正解:×】昭和56年・問33・肢4,平成5年・問32・肢3,平成15年・問46・肢1, ◆貸付条件の変更 貸付けをした後に,貸付けの条件の変更をすることができる場合がある(住宅金融公庫法・22条)ので,本肢は誤りです。 |
●住宅金融公庫法・22条 |
(貸付けの条件の変更等) 第22条 貸付けを受けた者が、災害その他特殊の事由により、元利金の支払が著しく困難となつた場合においては、公庫は、主務大臣の認可を受けて、貸付けの条件の変更又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。ただし、主務省令で定める災害により主務省令で定める範囲内の変更をするときは、主務大臣の認可を受けることを要しない。 |