税法その他 実戦篇

住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 昭和59年・問35 


住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 (昭和59年・問35)

1.「住宅宅地債権を引き受けた自ら居住するため住宅を必要とする者が,住宅金融公庫の貸付けを受けようとする場合は,通常の場合の貸付金の限度額を超えた貸付けを受けることができる。」

2.「個人に対する資金の貸付けは,住宅の建設及び購入にのみ行っているものであり,これらに付随する土地の取得についての貸付けは行っていない。」

3.「住宅の購入資金の貸付けを受けられるのは,まだ人の居住の用に供したことのないものの購入についてだけであり,新築住宅以外の住宅の購入に必要な資金の貸付けは受けられない。」

4.「個人が新築住宅を建設する場合の貸付金利は,住宅の規模が変わってもすべて同一金利が適用される。」

【正解】

× × ×

1.「住宅宅地債権を引き受けた自ら居住するため住宅を必要とする者が,住宅金融公庫の貸付けを受けようとする場合は,通常の場合の貸付金の限度額を超えた貸付けを受けることができる。」

【正解:昭和59年,平成6年,平成12年,

◆貸付限度額−住宅宅地債権を引き受けて自ら居住するため住宅を必要とする者

 『住宅積立郵便貯金の預金者』や『住宅宅地債券を引き受けた自ら居住するため住宅を必要とする者(その相続人を含む。)で主務省令で定めるもの』に対しては,

  一戸当たりの貸付金の限度は,政令で定める金額を加算した金額になり,
  この加算金額に係る貸付金の利率は,公庫が定める。

 優遇措置をとることになっています。(住宅金融公庫法・22条の3第1項,第3項,第4項)

住宅積立郵便貯金の預金者又は住宅宅地債券を引き受けた自ら居住する住宅の改良を行う者(その相続人を含む。)で主務省令で定めるものについても,政令で定める金額を加算した金額が貸付金の限度額になります。(住宅金融公庫法・22条の3第2項)

2.「個人に対する資金の貸付けは,住宅の建設及び購入にのみ行っているものであり,これらに付随する土地の取得についての貸付けは行っていない。」

【正解:×昭和54年,57年,59年,60年,63年,平成12年,16年,

土地・借地権の取得に必要な資金の貸付

 住宅金融公庫は,住宅の建設, 新築住宅の購入,既存住宅の購入に付随して新たに土地又は借地権の取得を必要とするときに,住宅の建設や住宅の購入に必要な資金に併せて,当該土地又は借地権の取得に必要な資金を貸し付けることができるので,本肢は誤りです。(住宅金融公庫法・17条2項1号)

 ただし,土地の購入資金のみを貸し付けたり,住宅の建設・購入資金よりも先に土地の購入資金の貸付をすることは行っていません。

3.「住宅の購入資金の貸付けを受けられるのは,まだ人の居住の用に供したことのないものの購入についてだけであり,新築住宅以外の住宅の購入に必要な資金の貸付けは受けられない。」

【正解:×昭和52年,56年,57年,59年,63年,平成9年,

◆新築住宅以外の住宅〔既存住宅〕の購入に必要な資金の貸付

 住宅金融公庫は,自ら居住するため,又は親族の居住の用に供するために,住宅を必要とする者に対して,新築住宅の建設・購入,又は既存住宅の購入に,必要な資金の貸付け業務を行います。〔併せて,土地又は借地権の取得に必要な資金も貸し付けることができる。〕(住宅金融公庫法・17条1項1号・2号) 

 新築・既存住宅のどちらでも貸し付けることはできるので,本肢は誤りです。

新築住宅・既存住宅とも,戸建住宅のほか,分譲マンション (の専有部分) も含まれます。

4.「個人が新築住宅を建設する場合の貸付金利は,住宅の規模が変わってもすべて同一金利が適用される。」

【正解:×昭和56年・問33・肢3昭和59年・問35・肢4平成6年・問31・肢3平成11年・問48・肢1

◆貸付金の利率

 貸付金の利率は次の表のように,区分に応じて定めています。(住宅金融公庫法・21条1項・表1項)

 ― 当初期間 当初期間後
住宅の構造その他の主務省令で定める事項について
主務省令で定める基準に適合する住宅
5.5%以内 7.5%以内
上記以外の住宅 6.5%以内

 ※各区分の利率は,その範囲内で公庫が定める率になっている。

 貸付金の利率は,この範囲内で,住宅の建設・購入が促進されるように,公庫が決定します。現在の公庫の融資では,住宅を購入する場合の貸付金の利率は,床面積・バリアフリー・省エネルギー・住宅の性能・築年数・購入価額・貸付を受ける者の収入によっても異なっています。

当初期間」・・・貸付けの日から起算して10年を経過する日までの期間


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